花*小紋日記

出張着付師kyoさんの奮闘記

七五三の心得 2020 (^^)

2020-09-12 18:47:23 | 七五三
9月も半分が過ぎ、年末の話もチラホラ
1年が経過するのは本当に早いですね

毎年この時期は、七五三のお客様のお打ち合わせと資料作りで超多忙&疲労困憊なのですが、今年はコロナ禍という事もありお申込みもゆっくり
なんだか良いペースで仕事が出来ています(良いような悪いような・・・

今月からいよいよ個人宅への出張のお仕事が始まり、大きな荷物を抱えてのお仕事はかなり久しぶりです
先月までは個人のお客様のお仕事が全く無かったので、スタジオの仕事が無ければまさに無職状態

もし無職になったら、それはそれでやりたい事があるので、人生の流れに身を任せてます

さてさて、来月からはいよいよ七五三シーズンに入ります
今年の七五三はコロナ禍でご家族様もかなり気を使う部分があると思いますので、毎年記載している「七五三の心得」についてバージョンアップさせていただきました。
既に手配を済まされているお客様も含めて是非、参考にしてみてくださいね


日にち

日程はお決まりですが?

七五三で一番最初にやるべき事は日にち決めです
正式には11/15となっておりますが、近年では混雑する当日をさけ、あえて他の日にちを選ぶお客様が多いようです。

早いお客様で9月末、遅いお客様で12月中旬位まで七五三は行われています。
10月下旬-11月中旬のお日柄の良い土日は、神社が大変混雑します。
駐車場にすぐに入れなかったり、ご祈祷の待ち時間が長かったりしますので、時間に余裕を持って行動される事をオススメ致します。

小さいお子様のいらっしゃるご家庭は混雑日を避けてお日にちを選ぶと良いかもしれませんね。
(土日祝日の場合も10月初旬までや11月下旬以降は混雑がだいぶ緩和します)

今年はコロナ禍で、ご祈祷も人数制限を設けている可能性があり、さらに待ち時間が長くなる場合も・・・
事前に神社にご祈祷についてご相談されると良いと思います


撮影

写真撮影はお決まりですか?
大手子供写真館、ハウススタジオ系写真館、地元密着型写真館、出張撮影・・・撮影方法は色々とあります。
どのタイプのお写真が好みかで撮影先を決めましょう。


(大手子供写真館)

メリットは気軽に利用できて、衣装が何枚も着替えられる事。
着付けヘアメイク料金も無料の場合が多いようです。
衣装が選びたい放題なので、おしゃれな女の子は大喜びだと思います。

デメリットは写真が作り笑顔とシンプルな家族集合写真。
ネガの受け渡しが1年先で、それまでの現像は写真館にお願いしなければいけない事です。


(ハウススタジオ系写真館)

メリットは部屋の内装の美しさ、おしゃれなお洋服、凝った構図やライティングでモデル風な仕上がり。
1日数組限定なので、ゆったり撮影することができます。
撮影データをその日のうちに渡してくれるので、ご自身で年賀状にしたり、プリントできるところも魅力です。

デメリットはお店によってはコンサートチケット並みにご予約がとりずらい事、別途着付け・ヘアメイク料金がかかる所が多い事。
衣装の数は大手子供写真館より少ないかもしれません。
七五三シーズンに限定せずに、前撮りや後撮りを含めて検討することをお勧めしています。


(地元密着型写真館)

地元密着の昔ながらの写真館のメリットは何といっても撮影技術。
何代にもわたって技術が受け継がれているので、仕上がり、ポージングの美しさが魅力です。
赤ちゃんから成人式までお世話になることができ、成長を見続けてくれる心強い存在です。

デメリットは撮影のバリエーションの少ないところ、着付け、着物を自分で手配する事。
写真館によっては着物レンタルや着付けの手配をしてくれるところも増えています。
今どきの撮影方法をプラスされて仕上がりのバリエーションも多い写真館から、昔風のカッチリした撮影方法を継承しているお店まで様々なので、事前調べが必要です。


(出張撮影)

メリットはお子様のリラックスした笑顔と屋外の自然な光の中でのお写真。
お外の撮影なので、お子様の活き活きした表情が魅力です。
神社でのご祈祷風景など、七五三ならではのお写真を撮ることが出来ます。

デメリットは、やはりお天気に左右されること。着物・着付けの手配は自分でする事、衣装が何枚も着替えられない事。
出張撮影会社の方で着物レンタルから着付け手配まで行ってくれるところもあります。

出張撮影を選ぶポイントはなんといっても、七五三撮影の経験値とお子様の対応に慣れているお店です。
お子様の心を開くのが上手なカメラマンさんだと安心してお任せできると思います。
最近では多くのカメラマンさんが七五三に新規参入している事から、お子様に不慣れな方もちょいちょいお見受けします
やはり、七五三の経験豊富なカメラマンさんが断然お勧めですね


今年は「3蜜」厳禁。スタジオは風通しが良く、衛生管理をしていて、人数制限を設けている所を選ばれると良いかもしれません。
また、万が一の体調不良に備えて「キャンセル料」の発生時期についてはしっかり事前に確認しておきましょう。
キャンセル料を気にして、体調が悪くても決行してしまわないように、ギリギリまでキャンセル料が発生しないお店がお勧めです
どの撮影店も、早撮り、後撮りはすいているので、上手に活用したいものですね


ご祈祷

お祈祷する神社はお決まりですか?
地元の神社、またはご実家近くの神社でご祈祷されるお客様が多いようです。

繰り返しになりますが、10下旬-11月中旬のお日柄の良い日は大変混雑します。
神社に到着したら、まずご祈祷の待ち時間を聞きに行って、その状況で撮影を進行されると良いと思います。
もし、駐車場が混んでいたら、一人代表で先に神社に向かってご祈祷について確認、申し込みをされると、待ち時間も少なくスムーズです

そして、撮影があるのであれば、ご祈祷の前が絶対にオススメです
先に撮影をした方がお子様の着崩れがなく、元気もあるので良い表情が撮れると思います。
「苦しい」「脱ぎたい」「暑い」「疲れた」となる前に、まず撮影を済ませましょう


衣装

お着物はチェックされましたでしょうか?
レンタルの場合は小物やサイズが揃っているはずですが、お持ちの着物の場合は小物に不足が無いか確認しましょう

「着物はあるから安心」なんて思っていても、直前になって小物が全然揃っていなかったなんて事がよくあります
特に、7才お子様は箱迫(はこせこ)やしごきなど大人には使用しない小物が多いので、しっかり確認してくださいね。
また、久しぶりに箱を開けたらシミだらけ・・・なんて事もありますので、早めにチェック&ご相談される事をオススメいたします。

髪飾りも、房がヨレヨレ、お花も凹んでたり・・・
そんな時はやかんでお湯を沸かして、出てきた蒸気にあてると綺麗に戻ります
近づけすぎて燃えたり、溶けたりしないように気を付けてくださいね。

そして、忘れてはいけないのは「肩上げ」
お子様の着物に限って、袖の長さのサイズを調整する為に肩にタックを取って縫いつける「肩上げ」作業があります
「肩上げ」はサイズ調整の他に縁起物の意味もありますので必ず済ませておきましょう。

肩上げについて記載していますので参考にしてください ⇒ こちら

「肩上げ」の他に裾の長さを調整する為に、腰のあたりにタックを取って縫いつける「腰上げ」もあります。
「腰上げ」をしておくと、紐が1本少なくて済むので着心地がとても楽ちん。どんなに激しく動いても着崩れもしません。

但し、7才さんの場合は、おはしょりがどうしても長くなってしまう為、「腰上げ」はしない方が見栄えは良いと思います
一方で、やんちゃさんや苦しさに耐えられない3才さんには絶対おすすめです

レンタル着物の場合は、お店によっては「肩上げされていません」という所もありますので、事前に必ずホームページやお電話で確認しましょう


食事

食事の場所はお決まりですか?
撮影、ご祈祷のあとにご家族やおじいちゃま、おばあちゃまと一緒に食事をされる方が多いようです。

ただ、お子様にとってお着物でのお食事は汚す&苦しくて大変
そこで、オススメなのはお食事場所を個室にして、そこで洋服へお着替え。
皆にお着物のお披露目も出来るし、その後は着替えて楽しくお食事できます。

食べこぼしを気にしながらの食事は楽しくないですもんね。
「どうしても脱ぎたくなーい」という、お洒落さんにはエプロンを用意しておいてもよいかもしれません。


その他オススメ

それ以外に・・・意外と役立つ小物です。



3才さんは履き慣れた靴をもっていきましょう。歩いている途中で「脱ぎたーい」と草履をポイッなんて事もあるんです。

お菓子

七五三は着付けやら撮影やらご祈祷やらと子供にとってはかなりハードなスケジュール。

疲れてついつい不機嫌さんに・・・そんな時に「お菓子」を口に入れてあげるとなんだか元気に・・・・
ただし、棒つきの飴やチョコレートは着物が汚れるのでNG、ガムも撮影中口に残るのでNGです。
ラムネやグミは食べやすく、噛んですぐになくなってしまうのでお勧めです。
そして、水分補給用の水筒も便利です。できればストロータイプの方がお子様の口紅が落ちないのでオススメです

おもちゃ

待ち時間や撮影の時に役立つ小物です。お子様の機嫌を取る為に、この日は好きなおもちゃを持って出かけましょう。
ゲームまたはポータブルDVDなども飽きさせないツールとしてこの日は特別に許してあげましょう。

数日前から「七五三の日はお姫様、王子様」と伝えて、お子様と七五三を迎える事についてお話されるのも良いと思います


七五三は大忙しな1日でもあり、楽しい素敵な1日
イライラしないで、和やかに過ごせるように、事前にきちんと準備して当日をお迎えください




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2つの「No」

2020-09-03 21:37:10 | 仕事
9月に突入しましたが、毎日暑いですね~

8月末で「としまえん」が閉園してしまいました
小学生から大学生位まで、毎年遊園地やらプールやらで大変お世話になりました
夏とえいば「としまえん=ハイドロポリス」、とても楽しいプールライフを過ごした記憶があります
ちょっぴり寂しい思いもありますが、新しい施設となってまた帰ってきてくれればと思っています

さてさて、スタジオの着付けのお仕事を始めて10年以上。
本当にたくさんのお子様達のお着付けをさせていただきました

毎日、色々なお子様達とかかわる事で、お子様の傾向と対策の経験値を積み重ねる事が出来ています。
もちろん、1人1人の個性が全く違うので、毎回お子様の反応を楽しみながらお仕事させていただいています

お子様のお支度で一番悩むのが

「着たくない やりたくない

と拒否されるケースです
2-3才のイヤイヤ期によくありますね

皆同じような「NO」の態度にみえますが、実は2種類あるんです

1つ目のNOは「なんだかわからないけれどやりたくない。不安や心配、ドキドキからくる」
2つ目のNOは「何をやるかわかっている上で、自分なりの理由があってやりたくない。気持ちがのらない、緊張、反発心、恥ずかしい、頑固ちゃん、やらされ感がイヤ」

年齢が大きくなるにつれ2つ目のNOが多くなっていくようですね
この2つでは対処方法が大きく変わります

1つ目のケースで大事なのが、「不安を取りのぞいてあげる事
とにもかくにも、楽しい気持ちにさせてあげる事が一番です
一気に雰囲気を盛り上げて一緒に楽しんでいるうちにいつの間にか、YESに変わっていってくれる事が多いですね


一方、2つ目のケースはそう簡単にはいきません
最も大事なのが「本人が納得できるまで待つ事」です
理解が進んだお子様に多いケースなので、大人のごまかしも効かない為、気長に向き合う必要があります。
あれこれと周りがどんなに盛り上げても、本人が目の前の状況を理解し、受け入れなければ先に進むことができません
本人が何を求めていて、何をしたくないのか、何が不安なのか・・・・気持ちの揺れ動きを察して問題解決を図ったり、説得したり、試行錯誤してようやく解決の糸口が見える事が多いようです

最終的に、状況を受け入れてくれた後は、今までの頑なな様子が嘘のように楽しそうに大変身してくれます
そんな時は、心の中で「ガッツポーズ」です


正直、大人目線で言えば素直に楽しんでくれるのが一番ありがたいですが・・・
一方でNOを言えるお子さんは、自我が強く我が道を突き進んで物事を成し遂げたり、これから先何か面白い事をしてくれたり、と魅力的な大人になってくれる予感も・・・。

NOが言える言えないも、お子様の個性の1つ
どんなお子様も、楽しく七五三を過ごせるようにしてあげるのが、自分の役目だと思っています
今年の七五三シーズンも可愛いお子様達に会えるのを楽しみにしています



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