黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

新型コロナウイルスにどう対処する?

2020-03-05 17:57:44 | 新型コロナ感染症
新型コロナウイルスにどう対処する

対症療法は思い違い
その理由は、病気の症状は自らの体の防衛反応だから

熱を上げてウイルスの繁殖を抑えているのです。それを解熱剤で下げると悪くなります。
ある情報では、中国特に武漢では、ステロイド療法をしていると言われています。ステロイドは解熱剤よりも、もっと悪く一時的に症状を取りますが、それは体が病気と闘うことを止めてしまうからです。



新型コロナウイルスにどう対処するか?


すずしろ診療所所長 黒部 信一

結論から言えば、それほど騒がずに、冷静に対処しましょう。2009年の新型インフルエンザ程度には広がるでしょう。同じコロナウイルスによるものでも、サーズ(重症急性呼吸器症候群)よりも症状が軽く、罹った人が歩き回るため、かえって感染が広がるからです。

☆ 新型コロナウイルスとは?
在来型のコロナウイルスは、至る所に存在し、絶え間なく感染するありふれた風邪のウイルスで、すべての成人と5歳以上の子どものほとんどが一度は感染したことがあると言われ、通常はかぜの5~10%を占めています。主に下気道に感染して時々重症化し、まれに肺炎を起こします。主に5歳以上で明らかな症状を示します。大きさは0.1~0.15ミクロンで、ほとんどのマスクを通過してしまいます。
今回の新型コロナウイルスは、中国当局の発表では、
② 感染者が全員発病する訳ではない。
②特に子どもの発病は少なく15歳以上がほとんどで、患者の72%は40歳以上。
③40%は糖尿病、高血圧、心血管疾患などの持病がある弱者である。
④潜伏期間は1~14日(最大21日)。潜伏期間中も感染するようです。
⑤在来型よりはある程度毒性が強まっています。重症化率は25%。
⑥必ずしも肺炎にならないので「肺炎」という言葉は使われていません。
 ウイルスが見つかったのは香港大学医学院の患者で、60代の夫婦と30代の夫婦、孫二人のグループから。孫二人は発症せず、一人は検査陽性でもう一人は検査陰性でした。その結果60代の夫婦と娘の義母の3人が入院。WHOの1月27日の発表では、中国以外の患者の年齢は2歳から74歳までです。ほとんどが15歳以上で、子どもの感染者は少なく、症状が軽いのです。サーズの時も子どもはほとんど感染せず、感染しても軽症でした。
 厚生労働省は、インフルエンザの毎年の流行を人口の10%が感染、大流行時は25%が感染すると予測しています。2009年のメキシコ発新型インフルエンザは、今冬流行しているA型インフルエンザの主力です。もう日本に居ついて従来型と呼ばれています。

☆ どんな症状になるのか?
症状は、発熱98%、咳76%(痰がからまない、から咳)、筋肉痛または疲労44%です。鼻水が出ないことが特徴。下痢はまれ。サーズでも1割程度しか下痢はなかった。ほとんどがかぜか軽いインフルエンザの症状です。肺炎もすべてに見つかっている訳ではありません。無症状で検査陽性の人も次々と見つかっています。重症になるのは、ほとんどが高齢者です。これもインフルエンザと同じです。2月11日には世界で千人以上が死亡し、そのほとんどが武漢市です。その年齢と持病などの詳細は公表されていませんが、1月22日までの死亡者17人の平均年齢は73.3歳で、60歳未満は二人でした。死者のほとんどが重い心臓病、慢性腎不全、パーキンソン病、糖尿病などを持っていました。
武漢市は人口1,100万人ですから、千人は0.01%です。インフルエンザが死亡率0.1%以下と言います。交通遮断されて十分な医療を受けられる保証はないし、発病を隠し重症化してから受診しているのかも知れません。重症になるタイプのウイルスに感染すると、その人は寝たきりか亡くなり、家族か医療従事者以外には感染しません。軽くすんだ人が他の人に感染させるのです。軽くすむためにかえって感染する機会が増え、大流行しやすいのです。それを防ぐことは困難です。いずれ日本全体に広がると思います。そして世界に常在していきます。それが感染症の歴史です

☆ かからないようにするためには?
今までに何年もインフルエンザにかからなかった人は、今まで通りで良いです。そうでな
い人は、睡眠時間を十分とり、過重労働を避けること。身体とこころの疲れを避けること。神経質になりすぎてもいけません。一種の自己暗示行為になります。欧米諸国では、過去にはマスク、手洗い、うがいはしません。飲食時や汚れた時だけするだけです。それでマスクを奨励せず、マスクをするアジア系の人たちを差別(人種差別)しがちになるようです。

☆ かかってしまったらどうするか
▽病院にかかる条件は、呼吸状態が悪くなった時です。
▽解熱剤は、絶対に使ってはいけません。免疫を低下させます。総合感冒薬も解熱剤入りです。内科医は対症療法と称して解熱剤を出すし、小児科でも出す医者がいます。薬剤師に聞いて処方されても飲まないこと。解熱剤が氾濫しているのは、先進国の中で日本だけです。▽ウイルスに効く薬はありません。心配なら受け入れ病院へ電話して指示を仰いで下さい。2月1日から「指定感染症」になり、診断されたら行動制限されるようになりました。
(2020年3月5日)

  
  ヒトと感染症の歴史


〇 2009年メキシコ発の新型インフルエンザの時には、最初に集団感染した大阪の中高一貫校で全生徒教職員647人の血液検査をし、102人(16%)の人しか抗体を検出せず、典型的な症状が出たのは44人(45%)で、軽症36人(37%)、無症状18人(19%)でした。残り84%は抗体を検出せず。きっと侵入経路の鼻や咽頭の粘膜細胞で闘って勝ったので血液中に入らず、抗体ができなかったのです。それが細胞免疫です。
〇 今の感染症専門家たちは人間と病気との関係を、人間の側は同じと見て、ウイルスの病原性が高いか低いかと言いますが、ルネ・デュボスは結核の重症者と軽症者の結核菌を調べたが違いが見つけられず、その結果病気の重症度は結核菌にあるのではなく、人間の抵抗力つまり免疫の働きが落ちているかいないかによると結論したのです。
過去のデータですが兄弟への感染率は、麻疹99%、風疹90%、水痘80%、おたふくかぜ67%とありました。いずれも潜伏期間は私の経験ではすべて最大21日間でした。
〇 ヒトゲノム計画で判ったことは、人のゲノムには人間の病気の歴史が書き込まれていたのです。過去の病原体のゲノムの一部が取り込まれていたのです。それで発病する人が出なくなったのです。ヨーロッパを蹂躙したペストも人口の四分の一を失って消えて行きました。
〇 公衆衛生学者のシゲリストは、「医学は社会が病気と闘う武器の一つに過ぎない」と言い、「医学は社会科学である」と言い、東大闘争時の東大医学部長だった白木博次さんもそう言いました。今の検疫制度
はペストの時にできたといい、現代の航空機時代には全く用をなしません。昔、インフルエンザが流行した時に、パナマの港から1km以上離れていた沖に停泊していた船上で感染者が出たといわれています。晴れた日には1m離れれば感染しないのですが、曇っていると風に乗って遠くまで飛んでいくようです。新型コロナウイルスもその可能性があります。停泊を拒否しても、近づいたら感染することもあり得ます。


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2 コメント

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Unknown (質問)
2020-03-28 11:16:39
bcg接種が免疫に作用してコロナウィルスを重症化させないという説が出てきたようですが、先生はどうお考えですか?
Unknown (谷山あかね)
2020-03-28 20:00:31
ペストは菌が原因で、ウィルスでは無いから、比較する対象に入れるのはおかしいのでは?

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