黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

免役の話2

2011-02-24 07:55:39 | 健康・病気

自然免疫

 健康な人にとって、毎日出会う微生物は目に見える病気をほんのまれにしか起こさない。多くの微生物は、短時間に発動される防御機構によって数分から数時間の間に感知され、撃退される。これが自然免疫の作用である。

 病原体(感染因子)は感染巣を形成するためには自然生体防御を打ち破らなければならない。

 体表面の上皮細胞は、感染に対する防御の最初の障壁である。これが第一に感染成立を阻止している。ここに人間と共棲している微生物が関与しているが、しばしばこれらの微生物が病原体化することがある。

 多くの病原体は、組織内に入り込むと食細胞によって認識され、貪食されて殺される。病原体の認識と組織傷害が炎症反応を起こす。

 自然免役は最前線の生体防御で、そのエフェクターメカニズムは、直接病原体と戦ったり、病原体と接触することによりすぐに作用するもので、同じ病原体やそれと違った病原体が次にやってきても、その対応は不変である。このメカニズムは、しばしば感染を成立するのをそしできる。

 体外から侵入した微生物は、まず自然応答を起こす細胞や分子に出会う。マクロファージは細菌を貪食し、ある種の信号物質(サイトカインとケモカイン)を放出する。これらは、炎症を起こす。サイトカインはその受容体(レセプター)を有するからだ中の細胞に影響を与えるし、ケモカインは白血球の好中球や単球を血中から遊走させる。この働きを手伝う「補体」が活性化し、微生物の表面について、マクロファージに認識される。しかし、この反応は宿主細胞上で起こることはない。サイトカインが炎症反応を起こす。サイトカインにより白血球が動員されマクロファージに分化する。感染後期には、リンパ球が関係する。

 炎症反応は、微生物とそれを貪食した細胞をもったリンパ液をリンパ組織へ流入させ、リンパ球を活性化する。細菌を貪食したマクロファージは、T細胞を活性化し、樹状細胞はT細胞に病原体(抗原)提示を行ない、適応免疫応答を起こす。                  続く。


免役の話1

2011-02-22 08:28:59 | 健康・病気

免役                                   「免疫生物学」よりと、私の改変

免疫には、自然免疫系と適応免疫系がある。

自然および適応免疫系は、ともにきわめて有効な生体防御システムを構築しているので、潜在的に病原性のある微生物に囲まれて生活しているのに、病気にかかることが比較的まれである。多くの感染症は、自然免疫系によって十分対処されるために病気を引き起こすまでにいたらないが、自然免疫で対処できない場合は、適応免疫系が発動して抑え込み、持続的な免疫記憶を獲得する。だから、自然免疫系で対処できている場合には、免疫記憶は獲得されない。つまり血液中の抗体はできない。よく診療の現場であることであるが、多くの患者さんに囲まれている医師を始めとする医療関係者が、その病気に(例えばインフルエンザ)にかからないで、抗体もできていないというのは、この例である。でもその人は抵抗力が落ちた時にはかかってしまう。抵抗力の落ちる原因は、環境に適応できない時である。

免疫系の細胞は、主に白血球の中のリンパ球で、Bリンパ球とTリンパ球がある。Bリンパ球は分化し、抗体を産生する。Tリンパ球には、細胞を傷害するT細胞と、別のB細胞やマクロファージなどの細胞を活性化するT細胞がある。

病原体はいろいろな場所から体内に侵入し、感染症を引き起こすが、最終的にはリンパ球が抹消リンパ組織(粘膜リンパ組織、リンパ節、脾臓)で、病原体に出会う。病原体は、まず感染巣から侵入するが、マクロファージや樹状細胞に捕えられ、リンパ球に提示される。そこで処理できると、感染は起きないか、そこの局所で終わる。マクロファージとマスト細胞が、防御の最前線で働き、炎症反応(発赤、発熱、腫脹)を起こす。マクロファージは細菌を貪食し、他の食細胞や好中球を動員する。

そこで処理できないと、樹状細胞やマクロファージなどが病原体を取り込み、リンパ管を通って、所属リンパ節へ送られる。そこで病原体はT細胞に認識され、T細胞はB細胞を活性化し、また信号を送って他の免疫系細胞を動員する。

◎自然免疫系                                                        マクロファージと好中球が感染防御の第一線で働く。最初に働く。そこで好中球が増えていることを確認する為、血液中の白血球数を検査する。しかし、ウイルスは感染しても、好中球は増えないので白血球数は増えないことが多い。しかし、一部の病原体は自然免疫により認識されないので、適応免疫系にバトンタッチされ、適応免疫応答が始まるが、始まるまでに4~7日かかる。

今まで書いて来た生体防御の話は、自然免疫系が働く前の段階で、そこを突破された時に、自然免疫系が働き、さらにそこで止まらない時に、適応免役系が働く。適応免疫系が働くと、勝てば抗体ができる。ワクチンはその抗体を産生する為に作られている。だから、いくら生ワクチンと言えども100%の効果は期待できない。その前の段階で処理されてしまえば、免役はできないし、逆に適応免疫系で生ワクチンを処理できないと、副作用が出たり、弱っている人は死に到ることもある。だから弱い人にワクチンを打つことも慎重にしなければいけないし、全く健康な人にワクチンを打っても免疫ができないこともある。               続く。

      


日本脳炎のワクチンをやめよう

2011-02-14 10:55:38 | 健康・病気

 日本脳炎はもう日本人には滅多にかかる病気ではなくなりました。詳細は、遺伝子学、免疫学に関係しますから省略しますが、少なくとも言えることは、もうワクチンは必要ありません。

日本脳炎は、1992年以降、年間かかる人は10人以下で、2008年、2009年とも3人でした。しかし、7歳以下および20歳以上のワクチン接種率は50%以下です。しかし、日本脳炎ウイルスはまだ存在しているのです。でもかからないのです。むしろ、ワクチンの副作用が出る子どもの数が、日本脳炎にかかる子どもの数を超えてしまいました。しかも、かかるのはほとんど免疫の落ちた高齢者です。こどもの日本脳炎は、この10年間で、1~2人だったと思いますが、今日の感染情報センターの統計には出ていませんでした。

 新しいワクチンが、副作用が少ないという根拠もありません。これから受ける人は、人体実験の対象になっているのです。厚労省は、何万人という実験をしていませんから、今後の動向を見るとしか言っていません。受ける方も、様子を見た方が安心ではないでしょうか。私は、理論的根拠から、する必要のないワクチンと思います。

 また例年、南から始まり、北進するのですが、昨年か一昨年の調査では、沖縄の日本脳炎のウイルスの発見ができなかったようです。私は、もう日本人は、日本脳炎ウイルスと適応関係をつくり、滅多に発病しない病気になったと考えております。詳細略。

 それが、医学史での過去の病気の歴史なのです。だから、遺伝子学では、ヒトゲノムを調べると、ヒトの病気の歴史がゲノムに書き込まれていると言います。感染性の病気は、人と病原体の適応によって変化していくのです。それを逃れようと、インフルエンザとノロウイルスは、変異を繰り返し、感染しているのですが、感染性は強くとも、病原性は落ちて、一昨年の新型インフルエンザ騒ぎでも、結局は例年の従来型よりも病原性は弱いものでした。


4月から、堀ノ内病院の診察時間が変更になります。

2011-02-06 07:54:22 | 健康・病気

 4月から、堀ノ内病院の小児科外来の担当が変更になります。正確には、3月になって決まりますが、予定としては、月曜午後、火曜午後、水曜日午前と午後(不確定ですが)の一日、木曜はなくなり、金曜の午後(不確定)、土曜の午前となる方向です。土曜日の午前は、確保できそうです。その替わりに、吹上診療所の土曜日の午前の外来は、3月で終了する見込みです。

 吹上の皆様、また吹上にわざわざ来て頂いた皆様、今までごひいき頂きありがとうございました。4月からは、堀ノ内病院へ、御出で下さい。外来は、カルテは一つで科別ではありませんし、私に診療を受けたいと、受付で指名して下されば、大丈夫だと思います。

 私の古い友人が理事長ですから、私の思い通りにさせてくれると思います。一応、出発点は4月と考えていて下さい。変更がありましたら、このブログでお知らせします。


自然治癒力と生体防御の話 5

2011-02-06 07:23:43 | 健康・病気

前回の続き

12.これらの人間の体の中の常在微生物、つまり人の体の中に常に住んでいて(常在していて)、人と共存、共棲している細菌やウイルスやかびなどの微生物は、年齢によっても変化するし、家族ごとによっても変化します。普通、同じ家族は、同じ菌をもっています。人は成長し、それによっても変化するし、結婚すると相手と錠剤細菌が混合して変化し、平衡状態になり、落ち着きます。そして子どもたちは、親と同じになります。複数のセックスパートナーを持っていると、また変化します。しかし、同じ家族でも、年齢によって変化し、特に年をとり高齢になるとまた変化していきます。

13.最近、話題になってきた、ヒブ(インフルエンザ桿菌b型菌)、肺炎球菌も、溶連菌も、100%ではありませんが、一部の人や子どもが持っている常在菌の一種ですから、それに対応して、すべての人にワクチンを接種することに疑問があります。抵抗力が落ちた時に悪さをするので、健康に生活している人には、病気を起こしません。ヒブや肺炎球菌は、スペインかぜと言われるインフルエンザ大流行の時の死亡原因の主な原因で、インフルエンザウイルスそのものによって死んだのは、僅かと言えます。それに関連しているのは、詳細は省きますが、第一次世界大戦の直後の疲弊と、スペイン内戦へのヨーロッパ中からの義勇軍の若者たちが、塹壕などで犠牲になったのです。だから、この時のインフルエンザの犠牲者は、ほとんど若い世代で、乳幼児や高齢者ではなかったのです。また、ワクチンをしていても(BCG、DPT)ソ連邦の崩壊した時に、結核やジフテリアが旧ソ連邦で流行したのです。

 ワクチンよりも、平和が大切です。戦争のない社会を、世界的に作らなければならないのですが、取り敢えず日本国内の戦争勢力と闘わなければなりません。それと同時に、社会経済的な混乱を起こす勢力とも、病気を無くす為に、闘いましょう。この話題は、きりがないので、これで打ち切ります。

14.インフルエンザウイルスや、胃腸炎を起こすノロウイルスは常在菌ではありませんが、自己保存の本能からか、自己規制ウイルスと言われていて、ある程度繁殖すると繁殖を止めてしまいますから、かかった人を死なせずに、次から次へと観戦して、繁栄し、子孫を残していくのです。それで、流行するのです。そして、毎年少しずつ変化して、人の抗体をかわして、感染するのです。高齢者は別にして、普通の人や子どもは、かかっても発病するのは10~20%以下です。多くの人は、発病しても、軽いかぜで済んだり、一過性の下痢で済んだりしているのです。新型インフルエンザの話は、またにします。

15.帯状疱疹も水痘ヘルペスウイルスが、水痘に感染後、人に棲みついて起こす病気ですし、口唇や外陰部のヘルペスも同じです。体調の悪い時に発病するのです。その他、一人一人違うと言われますが、麻疹やおたふくかぜ、風疹や水痘が、ある時流行するのも、人にしか感染しない病気は、健康な誰かが、健康保菌者(キャリヤー)でいて、抵抗力の落ちた人に感染させているのではないかと推定されています。

16.子宮がんを起こすのは、パピローマウイルスで、これは、人のいぼ(水いぼではない)を起こすウイルスの一種で、種特異性があり、性器に特異的に感染するのです。感染は、いぼと同じく接触感染で、いぼと同じく自然に消退治癒します。一般的に、いぼは半年から1~2年で消褪しますから、しばらく常在し、消えていきます。自然治癒するウイルスですから、普通の人は問題になりません。また皮膚、粘膜に感染するので、本当に血液中の抗体を作っても防御できるかと言うと、ポリオワクチンの時のように、血液中の抗体では防御できず、侵入門戸の粘膜に免疫をつけなければ防御できないでしょう。その証明は、まだありません。だから、ワクチンをしても、子宮がん健診は不可欠です。とすれば、高い値段のワクチンの必要があるのでしょうか。がん発病には、C型がん性格という本も出ていますが、その人の遺伝的要因と性格や、環境にもよるのです。ワクチンで防げるというのは、少なくとも子宮がんワクチンに関しては、根拠もないし、今の所、幻想としか言えません。

一応、この項目については、終わります。