黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

吐き気や吐くことへの対処法

2012-12-18 14:46:11 | 健康・病気

      子 ど も が は い た 時            

               ど う す れ ば 良 い か 

☆こどもがはく原因は

1)よくあるのは、かぜなどで咳こんだ為にはく時で、たんがのどにからんで、舌の奥の押すとゲーッとなる場所に、たんがへばりついてうまく出せないのではく

のです。この場合は、はいた物を見れば、中にぬるぬるした、鼻汁のようなたんがまじっています。この場合は咳がおさまれば、はくのもおさまります。

)次は「おなかのかぜ」と言いますが、ウィルスによる胃腸炎です。この場合は、下痢や熱を伴うことが多いのですが、はくだけで終ることもあります。5才以下では、普通のかぜのウィルスでもなりますが、ロタウイルス、アストロウイルス、腸管アデノウイルスが多く、乳幼児ではロタウィルスなどではしばしばひどい嘔吐下痢症になり、水分補給を間違うと重症の脱水になり、死に到ることもあります。8才を過ぎると、大人でも嘔吐下痢を起こすような胃腸専門のウィルス(腸管ウィルス-例えばノロ・ウィルスなど)しか起こさなくなります。一年中ありますが、主に冬に多い。

☆嘔吐の合併症

 繰り返し、はくことによって、体力を消耗し、乳幼児では脱水になりやすいのです。はいた物を誤飲して、気管支に入り窒息する危険があります。はき気がある時は、顔を下か、横に向かせて、口の中からはいた物を、はき出すようにして下さい。4才すぎたら、めったにひどい脱水にはならなくなります。

☆はくのを止めるには

 胃腸炎ではく時には、胃腸に飲食物が入っていると、はきますので、飲んだり食べたりさせずに、お腹を休めてやることが第一です。(→食事療法、飢餓療法)この場合、はくことや下痢をするのは、身体の中にある悪い物を体外へ出してしまう為の、身体の自然の反応なのです。これを薬で止めることはできないのです。「はいても良いから飲ませなさい」というのは、間違いです。

 残念ながら吐き気を効果的に止める飲み薬はありません。吐き気止めの薬は、坐薬や飲み薬がありますが、余り効きません。あとは注射か点滴になります。

 ●胃の粘膜は変化がなく、胃の働きがおちて、胃の中に食べ物が残り小腸へ出て行くことがわかっています。だから飲食させずに、胃を休めることが大切です。

☆食事療法のやり方

)繰り返しはく時は、飲んだり食べたりするのを、すべてやめさせます。

○夕方はく時は、一晩寝てくれれば翌朝にはおさまることが多いのですが、朝起きてからはく時は、最低3~4時間、通常5~6時間(ひどい時は8時間)、飲んだり食べたりさせなければ、はき気は99%おさまります。

○はいた時に、脱水が始っていれば、のどが乾いて水を飲みたがりますが、飲ませてはいけません。どうしてもがまんができなければ、最低3時間以上たっていたら、氷の小さいかけらをなめさせて、がまんさせます。乳児は無理です。

○普通おなかはすかないことが多いのですが、すく時は硬いなめるあめをなめさせてがまんさせます。

)回復が始まると吐き気がおさまり、のどがかわきます。

はき気がおさまったら、まず飲み物から始めます。砂糖湯、お茶類、水などから始めますが、砂糖が5%くらい入っている方が、何故か吐きにくいようです。

 少しずつ時間をおいて、少量回数多く、ちびちび飲ませるのが吐かないで済むこつです。大人でも同じです。5~7歳くらいまでは、厳格にして下さい。その年齢を過ぎると、適当にしても吐かないことが多くなります。

吐き気が止まったら、

○コップに一口分だけ入れて飲ませ、20分位待ってはかないのを確かめて、まだ欲しがったら、次は二口分飲ませます。コップには必ず二口分だけにします。また20分位待って、はかなければ、次に欲しがったら三口分飲ませてもよいです。欲しがらない時はあげません。

○こうして少しずつ飲ませながら、はかないのを確かめて進めて行きます。

○もし又はいたら、また3時間飲ませずにいて、始めの一口からやり直します。

)少しずつ飲む量をふやして、コップ1/4杯までふやします。それ以上はふやさずに、欲しがれば20分位おいては繰り返しチョコチョコ飲ませます。

)コップ 1/4杯飲ませても、はかないようなら、リンゴジュース、みそ汁の汁だけ、乳酸菌飲料など、サラサラッとした飲み物を飲ませてもよいですが、量はふやさずにコップ1/4杯までとします。(丸一日はかなければ、飲む量の制限は解除してよいです。) ただしコーラや合成飲料や炭酸飲料、つぶつぶジュースなどはさけて下さい。高濃度の糖分と脂肪がよくないようです。

 それで、はかなければ、オレンジジュースや牛乳を飲んでも良いですが、量はコップ 1/4杯を守り、牛乳はふっとうさせたものを、膜を取って飲ませて下さい。ふっとうさせたあと、冷たく冷やしてもよいです。生ぬるい牛乳の方がはきやすいものです。また脂肪が吐き気をもよおします。砂糖を入れてもよい。

)おなかが回復してくると、食欲が出て、おなかがすきます。始めはあめでもなめさせて、がまんをさせるのですが、本格的におなかが回復してくると、あめをなめた位ではがまんが出来なくなりますから、固形食に進めます。

◇固形食の中では、消化の良い順は、欧米式の離乳食の順で考えて行きます。

①果物、特にバナナ、リンゴが良く、その他ジャムになるような果物や、メロンや西瓜のようにやわらかくつぶれるものがよく、みかん類、柿やパイナップルなどは、さけて下さい。みかん類の汁だけ飲むのは構いません。

②次が野菜類で、やわらかく煮えて、煮つぶしができる野菜、例えば人参、大根、ほうれん草、いも類などがよく、ごぼう、れんこん、きのこやたけのこなど、煮ても硬さがとれないものは避けて下さい。乳幼児ではねぎ類も避けて下さい。

果物や野菜は、お腹がすいてがまんできなくなってから与えます。

③第三が米、麦などの穀類です。おかゆ、おじや、パン、うどん、カステラなどがここに入ります。おも湯を作ることはありません。焼き立てのふかふかしたパンならそのまま食べてもかまいません。バターやジャムを使ってよいです。

 はき気がおさまったばかりですぐ穀類を食べると、またはいてしまうことがしばしばあります。消化に時間がかかる為、回復が長引くことが多いので、果物で満足できなくなってから与えます。でも本当にお腹が回復すると、穀類を食べないと、おなかがもたないです。

④もうここまで来たら適当にして大丈夫です。でも、うまくいかない時は、様子を見ずに、電話または来院して下さい。                            

☆脱水症状の見分け方

 子どもは、まず尿量が減り、それから尿回数が減ります。一番の目安は体重で、はき始めたらすぐ体重を量り、体重で判断するのが正確です。脱水で体重が減りますが、5%以下なら軽症、7~8%は中等症、10%で重症で、10%を超えると死亡する危険があります。中等症以上で点滴が必要です。

 症状としては、意識がうとうとして刺激があると目をあけますが、すぐうとうとし(眠いのではありません)、涙や唾液がでなくなり、唇や舌がかわいて、尿も出ず、手足も冷たくなります。うとうとするのを眠いのと間違えないこと。

どうしても、はき続ける時は、小児科医がいる病院へ行くことです。

私のやり方を守ってくだされば、99%大丈夫ですが、まれに、うまく行かなければ脱水が進行します。若い時に、点滴が間に合わなくて、死んだ子どもを沢山見ていますが、皆、はいてもはいても、飲み物を飲ましていたのです。吐くと、飲んだ分以上に、自分の唾液や胃液、逆流した十二指腸液(黄色や緑の液)をはき、飲まないよりも脱水の進行がはやいのです。吐き気が止まらず、様子がおかしければ、必ず受診して下さい。繰り返して言いますが、うとうとしているのは、脱水の中等度の症状で、眠いわけではないので、ぐったりしてうとうとしていたら、あわてて下さい。起きるのを待ってはいけません。 私の経験で、朝、吐き出してから、夕方にひどい脱水になった子どもは、皆3歳以下で、数え切れないくらいの嘔吐と、水様の下痢と、38.5℃以上の発熱がありました。4歳過ぎたら、すぐにはひどい脱水にはなりません。 吐き始めたら、胃を休めること。これをすることが、ポイントです。              小児科黒部信一

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年末年始の予定

2012-12-18 14:23:35 | 日記・エッセイ・コラム

2012年末から、2013年始の予定

すずしろ診療所は、2012年12月29日から、2013年1月3日まで休診です。

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ノロウイルスとはどんな病気?

2012-12-18 13:53:27 | 健康・病気

ノロウイルスって何?

今、報道されているノロウイルスによる集団感染は、どんな病気だろうか。

1.昔からある病気で、新聞報道以外でも、学校や幼稚園、保育所などで今流行しているウイルス性胃腸炎の一種です。ロタウイルスと共にウイルス性胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。検査法の進歩により、短時間で検査できるようになったため、すぐ判り、感染力が強いため、騒がれているのですが、重症化することは少ないです。

2.特徴は、インフルエンザと同じく、自己規制的なウイルスで、ある程度体内で繁殖すると、繁殖を止めてしまうため、滅多に重症化せず、治ってしまうのですが、その為、かかった人がウイルスをまき散らすため、感染が広がるのです。吐き続け、脱水にならない限りと、余程免疫力が低下していない限り、死んだり、重症化することはありません。(嘔吐下痢対策は別紙) その理由は、生存本能から、かかった人が死ぬと自らも死んでしまい、子孫を残せないから、適度に繁殖を止めて次の人へ移って、効率的に種族を増やしていくのです。最近は、変異しているとも言われています。

3.ロタウイルスとは違い、ノロウイルスは、幼児期には軽度から中等度の下痢を起こし、乳児には重症の病気を起こさないと言います。主として年長児と成人に集団発生の胃腸炎を起こす最も一般的な原因です。集団の約三分の一がかかることが多いようです。免疫が2年以上は持続しないので、効果がなくなり、再感染します。それはインフルエンザと同じく、変異と関係あるようです。

4.症状は

 ノロウイルスは潜伏期間が短く(12時間)(別説では18~72時間)、嘔吐(吐くこと)と嘔気(はきけ)と腹痛が主症状であることが多い。下痢は起きる時も起きない(約半分くらい)ない時もある。嘔吐は成人より小児に多く、半数は37.5℃以上の微熱が出る。頭痛、筋痛も一般的。病気の期間も短く、普通は1~3日間(24~48時間)で一過性です。その為、症状や発生の仕方が食中毒によく似ているため間違えられることも多い。食中毒ではなく、ウイルス性胃腸炎です。症状と流行状況によって、ウイルス性胃腸炎は診断できます。効く薬はなく、治療には関係ないので検査は希望でします。

5.治療

 第一は脱水症の予防と治療が目的です。栄養状態の悪い人は、第二が栄養状態の維持です。普通の健康な子どもや成人は、嘔吐下痢の治療で、重症の脱水を防ぐことで十分です。

 ノロウイルスに効く抗ウイルス剤はないし、抗生物質も効果がありません。吐き気止めの薬や下痢止めの薬は、有効と証明されていないし、副作用の危険もあります。乳酸菌製剤類(ビオフェルミン、ミヤBMなど)は、重症度を軽くし、病気の期間を短くすることが認められています。

6.食事療法

 嘔吐や下痢が始まったら、何も飲ませずに、すぐに胃をからっぽにし、最低3~4時間から、吐き気がおさまらなければ5~6時間、胃を休ませること。

それによってほとんどの人(99%)は、吐き気がおさまり、口から水分を飲むことができるようになります。吐き気がおさまらなければ、おさまるまで待ちましょう。のどが渇いても飲ませてはいけません。適量のナトリウムとグルコースを含む経口補液剤OS-1(病院と一部の薬局にある)により、腸からの水分吸収が促進されると言いますが、軽い場合は水(子どもは湯冷ましがよい)やお茶類で充分です。

コーラ、ソーダ類、清涼飲料、果汁、スポーツドリンク、イオン飲料などの高濃度の糖分などは、嘔吐下痢がひどい子どもには飲ませてはいけません。

吐き気がおさまったら、水分補給は、6~8時間かけてゆっくり行ないます。少量を、回数を多く飲ませると吐かずにすみます。初期に点滴をすると、飲まないでいる時間をとれ、飲むことができるようになります。しかし、水分だけやうすめたミルク(私はうすめることを勧めません)だけを12時間以上続けると、ある程度の塩分や糖分が必要になるからよくありません。母乳は、吐かなければ飲ませてよいです。回復すると、まずのどが渇きますが、回復していなくても、脱水があるとのどが渇きますから、それで脱水がある程度あれば、点滴をします。嘔吐がなく、下痢がある程度おさまってきたら、お腹がすきます。始めは、甘い飲み物やあめをなめさせて我慢させるのですが、もっと回復すると我慢できなくなりますから、食事へ進めます。固形食は、果物特にリンゴやバナナから始め、ヨーグルト、野菜などへ進め、さらに炭水化物(おかゆやおじや、パン、うどん、じゃがいも、)や赤身の肉などへ進めます。脂肪を含む食品や単糖の多い食品(市販のジュースや炭酸飲料)は避けた方がよいです。

7.予防

 適切な手洗い(水か石鹸で十分)と隔離により、集団発生を防ぐことができます。胃腸炎ウイルスは効率よく感染するために変化していて、衛生的な社会でも感染します。

 家では、隔離することはありません。抵抗力の落ちた人だけが感染します。赤ちゃんは、別室に隔離して下さい。

便や吐いた物を扱う時は、病院や保育所、幼稚園、学校、飲食業などの場合は、手袋で処理した方が安全です。家では、処理後よく手洗いをすること。幼小児や高齢者では、適切な手洗いをしないことも多いし、その手で直接食べ物をつかんで食べたり、手や指をしゃぶったりすることで、感染しやすい。

 消毒は効果なく、吐いた物や下痢便がついたものは、よく洗い流すこと。消毒液の効果はないので、洗って日に干すことがよい。日光消毒が、一番効果があります。

8.感染経路

 便に汚染された食物や水の摂取を介して、人から人への感染です。汚染された手からもうつります。水を介した感染性胃腸炎の一般的な原因であり、養護ホーム、観光船、学校やサマーキャンプなどの施設での流行の原因である。

原因は、汚染された水、氷、氷菓子、貝(特にカキ)や甲殻類、サラダ(緑黄野菜)類、粉砂糖をかけたケーキやチョコレート菓子などが多いようです。

便へのウイルスの排泄は、発病後2~3日間で終わります。下痢が治るまでは、保育所、幼稚園、学校に行ってはいけません。空気感染は、文献上はありません。しかし、便からのウイルスの排泄も、下痢がおさまってからも1~3週間続くと言う報告もあります。

9.胃腸炎と呼ばれていますが、胃の粘膜の変化はなく、胃の働きが落ちて胃の中に食べ物が残り、小腸へ出て行くことが遅れることは判っています。そのために吐きます。結腸(大腸)の粘膜の変化も観察されていません。

 小腸では、主として小腸上部がおかされ、小腸の絨毛の粘膜細胞が消化と吸収の働きをしているのですが、この細胞が選択的に破壊されて、腸管の水分と電解質を分泌する細胞が残り、その結果、水分の吸収と分泌のバランスがくずれて下痢となります。二次的には乳糖の吸収不良や炭水化物の吸収障害も生じます。だから嘔吐さえ止まれば、水分を飲むことによって脱水を防ぐことができます。(ネルソン小児科学、ハリソン内科書より)

総合小児科 黒部信一

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