お絵描き日記~イラストレーター照井正邦

職人、照井正邦の似顔絵、意匠など。画力の向上を目的に練習しています。

「2DCGイラストの描き方」所ジョージ(似顔絵)

2016-11-25 23:53:47 | ・お笑い、落語
所ジョージさんをモデルに、2DCG似顔絵を描きます。

Photoshop,cs4です。エレメンツでもできると思います。

1)下描き

設計図です。この段階でトーンをのっけておきます。紙の白が一番明るい部分になるので、残さないようにしています。

2)支配色を決める

全体にどんな色にするのか、決めます。ここでは「乗算」という機能を使っています。
一番明るい白をなくすためでもあります。

3)一番暗いところと、明るいところを作る

作業用「パス」というペンツールで、ベジェ曲線というものを使って描きます。
私の場合は、大学でロゴをベジェ曲線でトレースして、鍛えられました。
レイヤーを上手く利用して、塗ってください。慣れてくると、レイヤーの数が少なくても描けるようになります。
塗るのは、エアブラシツールではなく、ただのブラシツールのサイズを変えて塗っています。

4)肌をつくる

肌の部分を作っていきます。陰の部分のキワは、反射光という若干明るい部分を作ります。

5)他の部分もつくる

白というものは存在しない、くらいのつもりで塗ってください。ハイライトは限られた場所に使います。

6)バランスを整えて完成!!

陰影が少しキツくなりすぎたので、明度と彩度をあげました。

以上のように描くと、エアブラシで描いたような2DCGのイラストレーションが描けるようになります。

※こういったデジタルでの描き方は、似顔絵講座では教えません。(聞かれた場合は答えますが)

最初のラフスケッチで、トーンバランスをしっかりと設計するとよいです。


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「駄文」似顔絵の話(雑記)

2016-11-24 04:05:02 | 雑記
 似顔絵を描こうと思うのは、どんなときでしょうか。

 私の場合は、プロレスラーのファンアートがきっかけでした。
プロレス雑誌に投稿したりしていました。
似顔絵と言っても、似せることにそんなにこだわらず、好き勝手に描いていました。
最初はコミカルだったのですが、写実的にも描くようになり、棚橋選手からサインを頂いたりもしました。
おそらくこの段階が、一般的な似顔絵を楽しむ趣味の領域だと思います。

 転機は、週刊朝日「山藤章二の似顔絵塾」への投稿です。
いっこうに載らない!!
仕方がないので、山藤塾長の「似顔絵/岩波新書」を読んで研究することに。
そこには、聞き慣れない「風刺精神」という言葉がありました。
「似顔絵に風刺なんて必要なのかいな?」
最初はそう思っていました。
似顔絵を描いた相手には喜んでもらいたいですし、よく言う「悪意のある似顔絵」というのは描きたくなかったのです。
 けれど、「似顔絵塾」というのが週刊誌というメディアだということに気付きました。
新聞や週刊誌に描かれている似顔絵とは、好意的に描くポートレート(肖像画)ではなく、カリカチュア(風刺画)なんですね。
そのあたりを理解していないと、「悪意がある」などと受け取ってしまうと思います。
もちろん「似顔絵塾」では、ポートレートも掲載されます。
最近は、特にその傾向が強く「毒絵」と呼ばれるものは、逆に載らなくなっています。
 少しずつ掲載されるようになり、嬉しくなってきたのですが、大きな壁を感じるようになりました。
「顔を似せて描けない」という致命的な欠点を感じるようになったのです。
一般の方からは、「似ている」と思われるかもしれませんし、実際に似顔絵塾にも掲載されていたので、合格点はもらえるレベルではあったと思うのですが、自分の中で「似てないなぁー」というコンプレックスが生まれてきました。
 そこで、似顔絵塾の特待生のノリック先生の教室に通うことにしました。
それは劇的な変化でした。自分では無意識に妥協していた「似せる」という行為を、ミリ単位で指摘してくださいますし、まわりの生徒も独創的な似顔絵を描かれていました。
 「似せる」という行為は、先生に頼って、それ以外の要素をのばすように、目標が変わっていきました。
その中で、「風刺精神」や、その対極にある「美化する」「盛る」というようなことも覚えてきました。
 それと同時に、「他の似顔絵の先生はどんな教え方をするのだろう?」ということに興味が湧いてきました。
そして、似顔絵の一日体験講座をはしごするようになり、「配置」で似せる方法、「図形化」して似せる方法、パターンを作って似せる方法など、様々な似せる方法があるのを知ったのです。
 ここまでくると、似顔絵を見ただけで、誰の影響を受けているのか分かるようになりました。
 また、「山藤章二の似顔絵塾」もストックするようになり、「今までに載っていない画風の似顔絵を描く」ということを続けていたら、グランプリを受賞するまでなりました。
 そして、似顔絵塾では全く評価されなかった「ワルメン」に描くという画風が、名刺印刷屋さんの工房 風里花さんの目にとまり、「ちょいとワル名刺」として商品になるようになったのです。
 ここにきて、「色々な画風で描く」「自分のスタイルがない」という欠点が、新商品を生み続けるという長所にかわりました。
 似顔絵教室の講師のお誘いも頂けるようになりました。
順風満帆のように思われるかもしれませんが、私にも悩みは当然あります。
 「山藤章二の似顔絵塾」、「工房 風里花の似顔絵名刺」、「似顔絵講師としての似顔絵」が解離してしまっていることです。
特に似顔絵講師としての似顔絵には、悩みを持っています。

 実は、似せる方法は一つではないのです。一人一人違うのです。
それが分かったのは、私自身がたくさんの画風で描いてきたからです。
それぞれの画風にあった似せ方があるのです。
 でも、それを似顔絵教室でやってしまうと、受講生を混乱させてしまうと思います。
O先生のように「ポジション式」とか、カリカチュアアートの先生のように「図形化する」といった一つの型を教えた方が分かりやすく、個々にバラバラの似せ方を教えてしまうのは難しい。
 そして、私自身もまだ発展途上で、このブログに載せている似顔絵の多くが、似顔絵教室用ではなく、アバンギャルド(前衛的)な実験似顔絵です。

 こういった解離は、当分続きそうです。「山藤章二の似顔絵塾」では新しいスタイルの発見を、「工房 風里花」では「一般の方に受け入れられる」新しい似顔絵を、「似顔絵教室」では、混乱させない分かりやすい指導を目指します。

 不思議なもので、新しい似顔絵を考えるには、似顔絵を描いているだけではダメなのです。
似顔絵師であり漫画家のS先生の言葉で、「漫画を描くのに、漫画ばかり読んでいてもダメ」というものが響きます。

 風呂敷のパターンデザイン、文字のデザインなど色々やっていると、新しい似顔絵のアイデアが生まれてきます。
ところが、それを実践する時間配分が上手くいっていない!!
のんびりしていないと、今風に言うとフローの状態を作らないと、新しいものはできません。

 山藤先生のブラックアングルが休載なのも心配です。似顔絵塾もどうなるか分かりません。一刻も早く、革新的な似顔絵を投稿せねば、とあせります。

ぐだぐだと書いてしまいましたが、このブログは主に、実験、習作の似顔絵がほとんどです。
「ギョッ!!」とする似顔絵も描くと思いますが、単純に楽しんで見てもらえれば嬉しいです。

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文字デザインと似顔絵との共通点(雑記)

2016-11-23 06:02:54 | 雑記
今、loftworkの地名タイポグラフィーのオープンコンペに参加しているのですが、似顔絵との共通点も見えてきました。

文字デザインでは、新しい書体を作ることが重要になってきます。
そのためには、似通った発想を連続的、連想的に作ることによって、新しい発想を生むことが大事です。
けれど、それがフォントファミリーではダメなんです。
同じ書体なら、ウエイト(太さ)を変えても、イタリック風に斜体をかけても、同じなのです。

似顔絵にも言えます。新しいスタイルを作るとは、ファミリーをつくることではない。
しかし、ファミリーに見えても、少しずつでも「連続」「連想」によって、発展させていく。

そうやって左右の時間軸を動き(創作し)続けることによって、上から何かが降りてくる。

その「上から何かが降りてくる」のが何なのかは分かりませんが、下の方向が関係しているように思えます。
「下の方向」とは何なのかというと、ネガティブ、否定などです。
左右に動くファミリーを作るような行為のなかで、それよりも劣る(と自分は判断してしまう)作品ができることがあります。
当然、落ち込みます。下の方向です。
でも、その位置からしか見えない新しいものも、発見できるのです。

「ポジティブ思考」「ネガティブ思考」などと言われていますが、どちらも使いようだと思います。

左右の時間軸に、上下の振れ幅がある。それを安定させれば、ファミリーができる。
振れ幅を大きくすれば、あたらしいスタイルができるのかもしれません。

二次元的な画像思考ではなく、三次元的な思考のほうが分かりやすいかもしれません。


私の画像として見えるのは、「球体」です。左右に動いてるように思えて、実はその端はつながっている。
上下というのも、その「球体」そのものが時代、歴史という力によって転がっていて、天地が反転する。
(若い頃は「砂時計」が回転しているイメージでした。けれど、それは時間軸はあるのですが二次元的で破綻しました)

文字のデザイン、似顔絵に限らず、一見関係性がないように見えるものでも、同じ軌道を描いていたりする。

ものを作るということは、作れば作るほどわけが分からなくなり、面白いものです。

【追記】
デッサンがなぜ必要と言われるかは、実は立体的に見る力を養うためではなく、立体的な思考を身につけるためなのかもしれません。
立体把握です。
自分の今の(作品の)座標を立体的に把握することができれば、無限の方向性が見えてくる気がします。
・・・少し、テンションが高過ぎるのかもしれません。何でもできそうな気がします。


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