創作絵本「テリーとまほうのつえ」

テリーとまほうのつえ
さく　てるいまさくに




あるところに、テリーというまほうつかいがいました。
そこはようせいのむらでした




「ボクのつえがない！」
テリーは、だいじなまほうのつえをなくしてしまいました。
「あのつえがなかったら、なにもできないよ」




もりのようせいがテリーのいえにやってきました。
「テリーさん、かわりにワタシのつえはいかが？」
それは、きのつえでした。




「ありがとう。でも、これでは、みずにぬれたらくさってしまうよ」
テリーはそういうと、いえにとじこもってしまいました。




ゆきのようせいも、テリーのいえにやってきました。
「テリーさん、かわりにワタシのつえはいかが？」
それは、こおりのつえでした。




「ありがとう。でも、これでは、ひにちかづけたらとけてしまうよ」
テリーはそういうと、またいえにとじこもってしまいました。




つちのようせいも、テリーのいえにやってきました。
「テリーさん、かわりにワタシのつえはいかが？」
それは、てつのつえでした。




「ありがとう。でも、これでは、あめのひにふりかざしたらカミナリがおちてしまうよ」
テリーはそういうと、またいえにとじこもってしまいました。




はなのようせいも、テリーのいえにやってきました。
「テリーさん、かわりにワタシのつえはいかが？」
それは、はなのつえでした。




「ありがとう。でも、これでは、しばらくたったらかれてしまうよ」
テリーはそういうと、またいえにとじこもってしまいました。




そのあとも、ひのようせい、みずのようせい、かぜのようせい、ちいさなようせい、おおきなようせいが、つえをもってやってきました。
でも、まほうのつえのかわりになるものはありません。




さいごにおじいさんのようせいが、テリーのいえにやってきました。
「テリーどの、かわりにワタシのつえはいかが？」
それは、つかいふるされた、ただのつえでした。




「ありがとう。でも、それでは、おじいさんがあるけなくなってしまうよ」
テリーはそういうと、またいえにとじこもってしまいました。




ようせいたちは、おほしさまにおねがいしました。
「テリーさんのつえが、はやくみつかりますように」




そのよるのことです。
テリーのいえが、ふしぎなひかりにつつまれました。



テリーは、とつぜんいえをとびだしてみんなにいいました。
「みんなありがとう！あたらしいつえがみつかったよ」
それは、みんなにはみえないふしぎなつえでした。




テリーは、すっかりげんきになり、ようせいたちとなかよくくらしました。

テリーは、なによりもだいじなつえをてにいれたのです。


（おわり）



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