こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

赤城山、長い層雲で包まれて(2月)

2024-02-25 | 山を眺める
昨日は、何時か撮ってみたい思っていた景色に出会った。明るくなりはじめて、前夜の小雪による山並みでの雪化粧が視界に飛び込んできたとき、市内を流れる渡良瀬川で「赤城山」を撮りたいとの衝動に、わたくしは駆られた。路面がところどころで凍結していたので、その状態がなくなる時間帯を待って目的地に向かった。
 
 
河川敷で眺めた赤城山
高さ1,000 m から1,300 m ゾーンの山体を包む層雲(長さは約 12 km )層雲上に姿を現す冠雪の山頂、上空に伸びる帯状の薄い雲、そして穏やか色合いの青空。これらが、見事にマッチしてこの時季ならではの美しい景色を構成している。


 
層雲が長く伸びていることは、高さ1,500 m付近に温度での逆転層が生じていることを物語っている。


日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そしてその山を眺めながら育ち、成人としてふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている。どんなに世相が変わっても、その山だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎えてくれる。(深田久弥、「日本百名山」、新潮社、1991年)

赤城山は、縁あって定住した桐生を第二の故郷としているわたくしにとって「ふるさとの山」である。渡良瀬川の流れと市街地中心部の彼方に悠然と構えている山容に、わたくしは安心感を与えるバックボーンを想い抱き、惹かれる。赤城山を構成する黒檜山(最高峰)から鍋割山に至る稜線において、どの山頂も穏やかにどっしりとしてその存在を示している。そして、国内で富士山に次いで広い裾野も視界に入ってくる(以前の記事を部分的に引用)。


眺められる「赤城山の範囲」 (地図の出典)「国土地理院」https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
 
 
 
部分的クローズアップ 
(左から)荒山(1,572 m)、雲の右側に地蔵岳(1,673 m)、長七郎山、小黒檜山、篭山(僅かに写っている)、駒ヶ岳、黒檜山(最高峰、1,828 m)
 


 
 「100 mほど先の橋」と「20 km 以上離れた赤城山」との距離を、望遠(300 mm)で圧縮してみた。余談ながら、橋には融雪剤(塩化カルシウム)がまかれていた。
 
 駒ヶ岳と黒檜山に焦点を合わせて


 
地蔵岳に焦点を合わせて


 

約1時間後、赤城山は見馴れた姿に戻った。
日差しで山腹が暖めれたためであろう。層雲の大部分が消え去った。


 

 市街地奥の山並みでの雪化粧(橋の歩道にて)


 

 
 
*****
撮影:2月24日午前8時半頃から、桐生市、渡良瀬川にて
 
 
 


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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2024-02-27 20:03:29
こんにちは
2月なのに25℃の新記録になり、このまま春本番?と思いきや、雨が続いたり暴風になってみたりと荒れた天気が続きますね。その雨が山では雪となり赤城をまた美しい姿に変えてくれたわけですが・・・

この層雲、既視感があると思いましたら私も撮ってました! 但しこつなぎさんが撮られたより1h遅れなので少し形が変わってるような気もします。全面に雪が載ってる姿も好きですが層雲を従えてる?姿も神々しいと言いますか良いものですよね。
それではまた!

パス azxc
https://tadaup.jp/654ffa200.jpg
Unknown (はにゃ)
2024-02-27 20:05:02
ごめんなさい、また名前忘れてました m(__)m
赤城山と層雲 (Kotsunagi(こつなぎ))
2024-02-28 14:06:43
はにゃさん、こんにちは。
日毎の変化が大きない天気に当方も振り回されています。
このときは、もしかするとの期待感を持って渡良瀬川に向かいました。普段とは雰囲気が異なる赤城山の姿を、河川敷きに下りたり橋の上で往復したりして楽しんでみました。もっと早い時間帯ならば、霧の中から現れている姿が撮れたかもと思っていますが。
はにゃさんの画像を拝見しました。絶好のビュースポットでの画像に感服しています。はにゃさんは、ときに撮り鉄派になられるようですね。層雲漂う赤城山を背景とする211系編成の姿がJR両毛線ならではものとして印象的です。
コメントありがとうございました。

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