何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

シリンダーの取り付けが完了しました        - V4エンジンの小排気量化を目指して -

2014-06-17 06:38:01 | エンジン工作
2014/06/16(月曜日) 晴れ


水面上を、白波を蹴立てて軽快に動き回るスチームエンジンボートを作りたいとの思いで
小型のスチームエンジン、小型のガス焚ボイラーの工作を続けているが、なかなか思うようにはいかない。
エンジンはボアー13mm ストローク15mmのV型4気筒で今までの工作の中では一番、小型に作った。
ボイラーも定格容積は500cc、バーナーまで自作して出来る限り小型にした。
ところがこのボイラーとエンジンでは思うようなパワーがでない。
小型DCモーターを発電機代わりにして発電させたが0.3W程度のパワーしか出せないのだ。
試しに同じ仕様のシリンダー、ピストンを使った水平型2気筒エンジンに変えてテストしてみたところ、
パワーは0.6Wに上昇した。
うーん、このエンジンの方がパワーがでる。  V4エンジンも片側系列の蒸気供給を止めて2気筒で
動かして見たところパワーはアップした。
パワー不足はエンジンの蒸気消費量が多過ぎるからだろう。 小型のボイラーでは回し切れないのだ。
エンジンを自己起動させるのには単動式では3気筒以上にする必要がある。
2気筒では特別なメカを付加しない限り自己起動はできないのだ。
そこで、このV4エンジンのシリンダーのボアーを11mmに縮小して蒸気消費量を少なくするように
改造した。
しかし「改造」というものは思ったより大変だ。 たかだかシリンダー4個、ピストン4個を新しく作って
取り付けるだけだ・・・と高をくくって取り掛かったのだが思わぬ手間が掛かってしまた。
難行苦行の末、やっと今日シリンダーの取り付けが完了した。


↓ 先に取り付けてあるピストンに位置に合わせてシリンダーを取り付ける。



↓ クランク軸を指で摘んで回しながらピストンが最もスムーズに動く位置に調整する。



↓ その位置に合わせてシリンダーのフランジに穴を開けてクランクケースに固定する。



↓ 1気筒分ずつ同じことを繰り返して4気筒を取り付けた。





クランク軸をモーターで回して慣らし運転をしてみた。
シリンダーにはさらさらとした軽いオイル(手元にあった切削油)を注いでみた。
その様子を動画でご覧ください。





このシリンダーとピストンは市販の真鍮パイプを使っている。
シリンダーは12φ真鍮パイプ。 ピストンは11φ真鍮パイプ。 どちらも肉厚は0.5mmだ。
このパイプ同士はとてもスムーズに嵌り合う。
シリンダー用のパイプは公差が大きい方に、ピストンのパイプは公差が小さい方に入っているんだろう。
摺り合わせを行う必要は全く無い。 むしろ漏れが大きいのでは?と心配になるほどだ。
案の定、漏れは大きそうだ。 そこで簡易な方法で確認して見た。


その時の様子を動画でご覧ください。





比較として元のボアーが13mmのピストンの漏れを確認して見た。
こちらはほとんど漏れがないように思われる。
摺り合わせではとても苦労したからそれだけの効果はあったということだろう。

その様子を動画でご覧ください。





そんなわけで新しく作ったボアー11mmのシリンダーとピストンはちょっと心配だが、その分だけ
軽く回ってくれるかもしれない。 先へ行こう。


↓ シリンダーを取り外して頭部を整形した。 そして更に蓋を被せた。



↓ 蓋には蒸気パイプを嵌める口も付けてある。 周囲をグラインダーで削って整形した。



↓ 出来上がったシリンダー。



↓ 最終組立が終わったV4エンジン。 



クランク軸を指で摘んで回してみた。
ちょっと重いがスムーズに回る。
バルブ装置が負荷になっているから重いのかもしれない。

その様子を動画でご覧ください。





何はともあれやっと改造・組立が完了した。
残るは配管作業だ。 ガンバローっと。
コメント (4)
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