旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

サムスンからアマスィアへ

2013-04-26 12:48:34 | トルコ
サムスンは(2013年に日本が輸出する原子力発電所が建設される)黒海沿のシノペの街から、東へ少しいったところにある。
けっこう大きな港湾都市。
ビジネス都市なのでアメリカンスタイルのホテルも多い。

午前中サムスンの見どころを二か所。ひとつ目はトルコ建国の父アタチュルクさんがイスタンブルから乗船してきた船。
彼がサムスンに上陸した1919年5月5日がトルコ救国革命のスタートとされる。イスタンブルからの船中で、彼はスルタン制度をなくして共和国にするまでのプランを考えていたといわれる。蝋人形、真ん中がアタチュルクさん、当時はまだケマル・パシャ(将軍)

この船はスコットランドで造られた、当時としてもかなり古い船だった。黒海の荒波に沈没していたら、現代のトルコはなかったかもしれない。彼の成し遂げた事が余人に可能だったとは思えない

地下の船倉は写真がたくさん展示されている。女性の権利向上のために、彼は意識して女性たちとの写真を撮っていたそうだが(※イスラム諸国では今もって公共の場所では顔さえ出せない女性たちが多い現実がある)、目が留まったのがこの写真

養女サビッハ・ギョクチェンは、トルコはじめての女性パイロットになり、現在イスタンブルのアジア側の空港の名前になっている。※ヨーロッパ側はアタチュルク空港
★この船バンダルマ号のある敷地への入場は1トルコリラ。チューリップが花盛りの庭に、いろいろな兵器も展示されている

展示はほとんどトルコ語だけの解説しかありません。
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サムスンもうひとつの見どころ(と、小松が判断したのは)、考古学博物館の「アミソスの宝」。
2008年にやってきたときには閉まっていて入れなかったが、今回やっと見学できた(^^)







解説をこちらに載せました。
小松の好きな古代ブロンズ作品も一体あります

売店はこの程度…この博物館ならではのものは絵葉書ぐらいしかないのが残念。

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内陸の街、アマスィアへ向け一時間半程度のドライブ

険しい岩山に囲まれた、川の流れる美しい街がアマスィア

アレクサンダー大王の死後を継いだポントス王国の墳墓が岸壁に穿たれて街を見下ろしている。思えば、この写真をトルコ航空で見たのが、ここへ来る《手造の旅》をつくるきっかけだった。

今日はこの町に泊まる。この写真の、道を挟んだ両方の建物が民宿程度だが今晩の宿になる
郊外の立派なアメリカンスタイルのホテルに泊まるよりも、こういう場所でその土地を歩き・食べ・感じる事こそが、旅する喜びである筈だ。裏に電車の線路はあるし、すぐ隣のモスク(写真にミナレットが写っています)は夜明けに礼拝を告げるけれど、それは我慢してもらいましょう(笑)

近くに地元料理を食べさせる店があるというので、お昼はそこで。
●ヒヨコマメのカセロール●ドルマ(「詰める」という意味で、ミンチした肉を調理したものを葡萄の葉に詰めてある)白いのはもちろんヨーグルト●マントゥはトルコ風の餃子
●オクラの煮込み~アマスィアの名産なのだとはじめて知った※偶然にも2013年4月のトルコ航空機内誌にアマスィアの特集ページがあって
ところが、オクラはどこにあるの?というほど小さい。拡大していただくと分かるとお思いますが…。
アマスィアのオクラはこんなんなんだ、と思っていたら・・・こちらに夕食に出された、美味しいと言えるトルコのオクラ料理載せました。

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アマスィアの博物館の目玉のひとつ、金属製のヒッタイトの神像

2008年には一般ショーケースにあって、一方からしか見られなかったが、今は独立したショーケースに移され360度から見られるように変わっていた。※この博物館にはまだまだ面白いものがあります

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シナン建築以前の古いモスクは暗いが落ち着いた雰囲気


そして、いよいよ、あの岸壁にあるポントス王墓へ登っていこう

固い岩をくりぬいて作られた道、二千年以上もこうしてあったのかと思うと感慨深い

眼下にはアマスィアの古い町並み。

五年前に比べて、修復された屋根が増えた。

たどりつくと、その巨大さに圧倒される墳墓。アマスィア周辺にこのようなものが十八基あるのだそうだ。

紀元前一世紀に「地理史」17巻を書いたストラボンはアマスィアの出身。この墓の事も書いている。彼の銅像が川のそばに、地球をもって立っていた

夕食後、夕景のアマシィア散策は、岩山の墳墓や城塞がライトアップされて素晴らしい。近頃はしかしやりすぎかも…色なんか変えなくても良いのにね


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