旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

朝の間欠泉めぐり

2011-09-09 17:52:20 | アメリカ西部

《手造の旅》イエローストーン国立公園の4日目。

 朝七時、明るくなってきたので朝食時間の前に間欠泉エリアを歩く事にした。人が少ない方がゆっくり歩けるし、なによりこの森の朝の風景は間欠泉がなくても歩いていて気持ちが良い。

 

オールドフェイスフル・ビジターセンターの説明版によると、「ビジターセンターからは世界の間欠泉の四分の一が見え、ガイザー(間欠泉)ヒル・トップは世界一間欠泉の密集している場所」なのだそうだ。向こうの丘全面から煙が噴出している。

間欠泉観光には大きな問題がある。間欠泉はその名前の通りいつも噴出しているわけではない。 「いつ」噴出するのか?どのぐらいの規模なのか?どのぐらいの時間続くのか?それを予想できる間欠泉はほとんど、ない。

 

ゆえにオールドフェイスフル間欠泉がほとんど定期的(一時間半置き)に噴出するのは貴重なのである。

 

 

 

一つ目の間欠泉密集エリアに近づいていくと、小さな噴火口から熱湯が時折しぶきを上げているのが見えた。テレビのクルーが機材を構えている。レンジャーも一緒にいる。「すると、もうすぐ噴出すのか」期待してしばらく待っていたが、思わせぶりな間欠泉の様子はかわらない。

 

少し林を抜けて、次の間欠泉密集エリアへ向かう。すると、おお、すでに熱水を吹き上げている間欠泉が見えてきた。高さは五六メートルだろうか。それでも我々が歩いている木道からすぐの場所なのでしぶきがかかるほどで迫力がある。時折虹にもなって美しい

十分以上は飽きずに眺めていたが、これはほんとうにラッキーである。

 

 

間欠泉めぐりの木道トレイルは全部あるくと半日はかかるだろう。今朝は「モーニング・グローリー(朝顔)」を終点としてかんがえている。ここまで一時間半はかかった。

 

こういう場所へコインや何かを投げ入れてみたくなるのが人間というものなのだろう。時々こうして洗っているのだそうだ。

 

二時間ほど歩いて、そろそろ朝九時をまわった。

朝の噴出が六時五十分頃だったから、次の次の噴出は多分九時半頃だと推察した。これから戻れば、ちょうどその頃に、この旅四回目のオールドフェイスフル間欠泉の見学が出来る。

 

 十時にホテルにて朝食

簡単なバッフェを済ませる手部屋へ戻り、十一時にちょうどにチェックアウト。ホテルのレセプションに表示してある次のオールドフェイスフルの噴出時間が十一時十分、もちろん見に行く。この旅五回目のオールドフェイスフル噴出見学である。

 

ビジターセンターで16分の映画を見てから正午を少し回って車に乗り込む。

***

 イエローストーンレイクへの道・林の中で明らかに最近山火事に遭ったとわかる焼け跡に遭遇。YSは半年間に渡って燃え続け、東京と以上の面積を焼失させた山火事が有名だが、小規模なものは毎年たくさん起きているのだ。

 

一時間半ほどでマッド・ヴォルケーノ地区へ到着。ここは名前の通り泥がぐつぐつ煮えたぎったようになっている。いつもの様に木道を歩き始めようとした時に、バッファローが一頭間近に入る事に気付いた。けっこうりっぱな雄で、何を考えているのか、つぶらな目をしばたたたかせてじっとしている。

 

マッドボルケーノ地区の木道を上がっていくと、巨木が根っこから倒れているのに出会った。竜巻かなにかでなければ、とてもこうはなるまい。周囲を見ると確かに似たような倒木が何本も目に入った。

 

★マッド・ゲイザー(泥の間欠泉)⇒ここは19世紀末には活発な間欠泉で、数時間おきに高さ17目0-取るにも及ぶ泥の噴水を吹き上げていた。それは1927年突然停止しいつしか周辺は林に覆われていたのだが、1978年に再び熱水の泥が口を開けて林ごと飲み込んで今のような状態になったのだという。また再び間欠泉が復活するのかもしれない。

 

**

 

二時半前にはイエローストーンレイクの近くに到着していたのだが、クルーズ船の乗場がよく分からなくて右往左往した。二時四十五分発の船に乗る。約一時間、静かな湖面をクルーズする。船内はしかしレンジャーガイドさんがにぎやかに解説してくれているので静かではない。このクルーズは景色というより解説を楽しむものなのだろう。

 

湖畔にレイク・イエローストーン・ホテル画見える。ここもまた百年以上の歴史を持つ代替のない場所で、ここに宿泊することによって朝夕の湖を堪能する事ができる。

 

本館の他にいくついくつもコテージがあり、我々はそのうちの五つのキャビンを使うことになった。ひと棟で二部屋または一部屋でひと棟というつくりである。

 

夕食は本館に予約を入れてもらっていた。この予約もホテルを予約するタイミングからしておいた方が良い。国立公園の中では、ホテルにしろレストランにしろ選択肢が限られているのですぐにいっぱいになってしまうそうだ。 さらに、アメリカ人たちの夕食時間は日本人並みに早いので六時ぐらいにはダイニングがいっぱいになっているのである。※フランスやイタリアなどのラテン諸国では夕食時間は早くても七時から。九時でも別に遅くない。

 

夕食を終えてもまだ七時。外はまだまだ明るい。ホテル前の湖は、少し傾いた太陽に照らされて金色になっている。湖畔から対岸を見ると、午後のクルーズから見えていた山火事がまだまだ燃え続けている。

もうもうとした煙を透かして時折赤い炎まで見える。

 

国立公園内では自然発生した山火事は、ホテルなどへの類焼を防ぐ以外人の手で消火はしな

ことになっているから。「大丈夫ですよ、あの火は今日にはここまできませんから」ドライバーガイドのYさんがそう言って笑った。

クルーズ船のガイドさんが話していたのだが、イエローストーン国立公園は今年もすでに14回自然発火の山火事が発生したとの事。松ぼっくりには、山火事でなくては開かない種類のものがあるのだそうで、火事でさえも自然のサイクルのひとつとして発生している事に驚かされる。


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