kintyre's Diary 新館

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映画『偽りの人生』を観て

2013-07-20 17:15:53 | 映画・ドラマ、アクション

13-60.偽りの人生
■原題:Todos Tenemos Un Plan
■製作年、国:2012年、アルゼンチン・スペイン・ドイツ
■上映時間:117分
■料金:0円(観賞ポイント使用)
■観賞日:7月20日、TOHOシネマズシャンテ



□監督・脚本:アナ・ピターバーグ
◆ヴィゴ・モーテンセン
◆ソレダ・ビジャミル
◆ダニエル・ファネゴ
◆ハヴィエル・ゴディーノ
◆ソフィア・ガラ・カスティリオーネ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『イースタン・プロミス』などで知られる演技派俳優ヴィゴ・モーテンセンが主演と初プロデュースを務めたサスペンスドラマ。ブエノスアイレスで妻と暮らすリッチな医師アグスティンは、誰もが憧れる生活を送るも空虚な気持ちを抱えていた。そんな中、長年会っていなかった一卵性双生児の兄ペドロがやって来るが、アグスティンは兄を殺害してしまう。アグスティンは殺害した兄と入れ替わり、新たな人生を歩もうとするのだが、生前ペドロが手を染めていた犯罪に関与することに……。

デンマークの血が流れるヴィゴは幼少時代にアルゼンチンで生活したことがあるそうで、英語は勿論スペイン語も堪能らしく、第2の故郷と言っているアルゼンチンの映画に出演している。彼は、「一応」アメリカ人だが、他のハリウッド俳優とは異なり大作や話題作は極力避けて?欧州系の映画にも沢山出演する稀有な存在だ。
妻との間に子供の居ない医師のアグスティンは妻のたっての希望で養子をもらうことになるがドタキャンしたことで妻の怒りを買い別居中だ。そんな時に音信不通だった一卵性双生児の兄ペドロが何の予告も無くふらりと訪ねて来る。この兄の来訪、偶然だろうがまるで妻不在を知っているかのようなタイミングで来たのだから不思議だ。その兄の告白は衝撃的だった、何しろ本人は末期がんを患っていて殺してくれと頼むのだから、いきなり現れてこれでは弟も驚いた筈だが、何故か、ここでアグスティンの脳裏には「兄と入れ替わる」計画がよぎり、実際に行動に移してしまうのだが、そんなに簡単に医師としての生活を捨てて、成りきれるものだろうか?と疑問になった。

誤算だったのは兄が犯罪組織と関わっていたことで、これは予想外だったに違いない。それでも何とかなり済ましに懸命だったが、やはり不自然さは否めず、兄の死体検視の際に妻に見破られる。兄の養蜂を手伝っていたロサとも恋仲になり、妻との生活では見出せなかった安らぎを親子ほど年下の女性に見出して行く。
ラストは、ロサの為に立ち向かうアグスティンでしたが、アドリアンに銃で撃たれてしまい、しかもアドリアンはルーベンに撃たれて共に亡くなる。アグスティンは若いロサに見守られながら息を引き取る。彼は幸せだったのかな?

医師としての職業を持ちながらの妻との人生は「偽りの人生」なのだろうか?原題の「誰もが計画(或いは人生プラン)を持っている」は、兄と入れ替わる事を「計画」を指しているのか?セリフでの説明が少ない作品だけに考えさせられた。

この映画、ヴィゴ・モーテンセンの一人二役は見事だったが、ストーリー的には幼少時代や兄と疎遠になった訳が描かれていないので、いきなり訪れてきたシーンは唐突に思えた。ストーリーを検証すれば、あちこちに空白部分を感じるが、その辺は観客の想像に委ねているのだろう。ヴィゴ・モーテンセンの演技力と共に、ブエノス・アイレス郊外で撮影された映像は暗く重苦しさを醸しだし、このストーリーに見事にはまっていたと言える。



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