映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (36) 仁木多鶴子さん、高 毬子さん

2014年10月20日 | 日記

         

     

     今回はもっと大映にいて活躍してもらいたかった二人、仁木多鶴子と高毬子を
     取り上げます。

     まず仁木多鶴子は、以前に弓恵子を書いた時に、当時東京撮影所の若手三人
     娘として売り出したこともある、宮川和子、仁木多鶴子と一緒に取り上げようと
     思ったのですが、みんなユニークな個性の持ち主で、それぞれが一本立ちして
     活躍する場の方が多かったし、敢えて引き離したのです。昭和32年(1957)に国
     立音楽大学を中退して大映に入った仁木多鶴子は、順調に出演作をこなし、フ
     ァンも付いて人気が出た時に、当時のプロ野球・小野正一選手と結婚し、すっ
     ぱり映画界を去ってしまいました。

     私は撮影所で何回か会いましたが、はっきりモノを言うしっかりした女性と言う印
     象が残っています。
     デビュー作は「十七才の断崖」(1957)で、彼女の最後になった「第二の性」(1968)
     まで41本に出演していますが、代表作はなんと言っても「猫は知っていた」(1958)
     でしょう。
     昭和58年に44歳という若さで他界しましたが、生きていれば今年74歳です。



  

           

     一方、丹波哲郎さんの紹介で昭和41年(1966)に大映に入ってきた高毬子は、宝
     塚歌劇団の出身で梓みちよは同期生です。
     私も何回か会いましたが、宝塚出身の独特な雰囲気を持った大柄の女性で、使
     い方次第で面白いと感じました。

     田宮二郎との共演作が多かった彼女でしたが、大映での出演作は7本だけに終
     わり、どうやら大映の水が合わなかった感じです。昭和43年(1968)に大映を去り、
     主な活躍の場をテレビに移しましたが、中でも「プレイガール」の庭ルナ子が大ヒ
     ットし、覚えている方も多いと思います。
     彼女は昭和19年(1944)の生れですから今年70歳、元気だそうです。

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奈河彰輔さん・・・知人がまた一人逝きました、悲しいです。

2014年10月18日 | 日記

        

     主要各紙で報道されたので、ご存知の方も多いと思いますが、歌舞伎の演出
     家、脚本家てもある奈河彰輔(ながわ しょうすけ)さん83歳が、13日に肺炎で
     で亡くなられた報道に接し、驚き悲しんでいる私です。
     奈河さんは本名を中川芳三さんといい、大阪府の生れで、昭和32年(1957)松
     竹に入社、関西で歌舞伎を中心とした演劇に携わり、古典歌舞伎の復活を手
     掛けられました。
     昭和39年(1964)から復活狂言の台本を書かれるなど、目覚ましい活動をされ
     ていますが、3代目市川猿之助と組んで「伊達の十役」「小笠原騒動」などを
     制作、更にスーパー歌舞伎の監修もされています。

     現場では、京都南座の支配人をされたのち、松竹の常務取締役をされました。
     加えて文筆活動も活発でしたが、平成13年に出された私家版は、古い俳優さ
     んとの交流、芸談、歌舞伎制作にまつわる話、復活狂言上演されるまでの過
     程など、歌舞伎の裏側が詳しく楽しく綴られた本です。

     私の親友であるTとの付き合いが長く、いつしか私も仲間に入れて貰ったの
     ですが、博多座で中川さんが演出・監修する歌舞伎公演があるときは来福さ
     れていたので、一緒に食事をしたり、博多座で公演前の通し稽古を見せてい
     ただいたりしていました。

     律儀な方で年賀状をはじめよくお手紙をいただきましたが、長文も短文もす
     べてコンピュータで作成されていて、この方法で脚本なども書かれていたよ
     うです。
     博多でお聞きした歌舞伎の裏話は特に面白かったのですが、中でも歌舞伎
     で芽が出なかった雷蔵が、映画に移って成功し、人気スターになったことを、
     まるで自分の事のように喜んでおられたのが、今となっては強烈な思い出と
     なってしまいました。
     中川さん、どうかゆっくりお眠りください。 合掌
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映画 「蜩 ノ 記」

2014年10月17日 | 日記

   

     原作は、福岡県出身で現在も久留米市に在住する葉室麟で、第146回直木賞を
     受賞した小説の映画化です。

     ひょんな事から藩士の檀野庄三郎(岡田准一)は城内での刃傷沙汰になり、厳罰
     を免れた代わりに、郡奉行の戸田秋谷(役所広司)のお目付け役を命じられます。
     前代未聞の事件を起こしたとされる戸田秋谷は、10年後の夏に切腹すること、そ
     してその日までに藩の歴史である「家譜・蜩ノ記」を完成させることを命じられて
     いるのです。

     幽閉されたまま家譜の編纂を続け、切腹の日まであと3年となった時に、檀野庄
     三郎が秋谷の監視役としてやってきます。
     庄三郎は家老から秋谷が7年前の事件を、家譜にどのように記しているかを確
     認して報告し、また、逃亡するようであれば、家族もろとも斬り捨てよとの密命を
     帯びていました。

     庄三郎は秋谷のそばで過ごし、その人柄や妻(原田美枝子)と娘(堀北真希)と息
     子(吉田晴登)ら一家とともに暮らすようになるうちに、秋谷が事件を起こしたこと
     が信じられなくなり、7年前の事件の真相を探り始めます・・・。

     小泉堯史監督は、黒沢明監督の助監督を長く勤めていたこともあり、今作には
     黒沢組ゆかりのスタッフが多いこと、配役と俳優の使い方の上手さに感心する
     と同時に、本格的に時代劇を撮ったという感じもいいし、しかもデジタル撮影の
     昨今に、敢えてフイルムで撮影していますが、これらが成功して全体的に凛と
     した雰囲気に包まれた仕上がりです。

     更に良かったのは、この前の「柘榴坂の仇討」然りですが、二人の主人公の
     衿持ある言動に再び私は感激で、絶対お薦めの一本です。
     余談ですが、原作者の葉室麟さんが福岡の出身だと最初に書きましたが、私
     が大映時代に交流があった「フクニチ新聞」文化部で、ラテ担当(ラジオ・テレビ
     の略)を担当されていて、直接存じ上げませんが何故か親しみが湧きます。

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楽しかった旅の一コマ (53) ドン・キホーテ ゆかりの村・コンスエグラ

2014年10月16日 | 日記

 

     

     この時のスペイン旅行で絶対に行こうと考えていたのが、まずバルセロナの
     サクラダ・ファミリアとグエル公園、そして古都トレド、マドリッドにあるプラド美
     術館ですが、加えて地方のユニークな村をのんびり歩くことでした。

     先月に書いた地中海に面した白い村・ミハスもそうでしたが、今回もドン・キホ
     ーテゆかりのコンスエグラという村で、セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の
     舞台としてよく知られている所です。

     マドリッドからは南の方角約130キロで、アラビア語で「乾いた土地」という意味
     のラ・マンチャ地方には、物語の中でドン・キホーテが戦いを挑んだとされる白
     い円筒状の建物に、黒い三角屋根が印象的な風車が、山の尾根伝いに美しく
     立ち並ぶ景色はとても素敵です。

     風車群の中には、風車の内部を改造して土産物店にしている所が数軒ありま
     すが、観光バスが登って行くのを見て、店の主人がオートバイで下から上がっ
     てくるとは、如何にも商売が不熱心なスペイン人らしいと笑って迎えました。
     麓の町はどこに行ってもドン・キホーテ一色で微笑ましい限りでした。

  

  

  

     

         

     

 

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映画 「ミリオンダラー・アーム」

2014年10月15日 | 日記

   

     インドで初めてのメジャーリーガーを発掘したスポーツエージェントの実話を
     映画化したドラマです。

     仕事が上手く行かず、崖っぷちの危機に陥ったスポーツエージェントのバー
     ンスタインは、一発逆転を狙い、野球未開の地インドでコンテスト形式のショ
     ー番組を製作し、剛腕投手の原石を見つけようと計画します。
     番組で勝ち残った2人の青年を連れてアメリカに帰国したバーンスタインは、
     彼らに野球を教え込んでメジャーリーガーに育てあげようとしますが・・・。

     バーンスタイン役をテレビシリーズ「マッドメン」のジョン・ハムが、メジャーリ
     ーグに挑む2人のインド青年役を「ライフ・オブ・パイ」のスラージ・シャルマと
     「スラムドッグ$ミリオネア」のマドゥル・ミッタルがそれぞれ演じています。
     「扉をたたく人」の監督、「カールじいさんの空飛ぶ家」脚本などで知られるト
     ーマス・マッカーシーが脚本を書き、監督は、「ラースと、その彼女」のクレイ
     グ・ギレスピーです。

     インドで最も盛んなスポーツはクリケット、そこに野球など全く知らない青年
     を相手にボールの投打を競わせるという前半の内容は、全く喜劇タッチで
     進行して行きます。

     私も数年前にインドに行きましたが、街に出るのが億劫になるくらい綺麗と
     は言えない不衛生的な街が多いのですが、これでも優秀な人材が輩出し、
     核保有国でもありスマートに映画を世界に送り出しているインドの二面性が
     この映画からも伺えます。

     メジャーリーグのレベルは、そんなに簡単ではないことを、今の人は誰でも
     知っているもので、この肝心なところに物語の弱さ、演出の浅さが露呈する
     のが残念です。そこだけを除くと、よく出来た楽しい映画なのですが・・・。
     あっ、因みにこの作品はインド映画ではなく、アメリカ映画です。

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