岩井俊二監督が、自身の出身地・宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代
の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描いたラブストーリーです。
姉・未咲の葬儀に参列した裕里は、未咲の娘・鮎美から、未咲宛ての同窓会の案内状と未
咲が鮎美に遺した手紙の存在を告げられます。未咲の死を知らせるため同窓会へ行った裕
里でしたが、学校の人気者だった姉と勘違いされてしまうのです。そこで初恋の相手・鏡
史郎と再会した彼女は、未咲のふりをしたまま彼と文通することに。やがて、その手紙が
鮎美のもとへ届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎と未咲、そして裕里の学生時代の淡い
初恋の思い出をたどりはじめますが・・・。
主人公・裕里を松たか子、未咲の娘・鮎美と高校生時代の未咲を広瀬すず、鏡史郎を福山
雅治、高校生時代の鏡史郎を神木隆之介がそれぞれ演じています。
最近の邦画の中では大人っぽくて感心する点がいくつかあると思います。それはややこし
いお話を上手く纏めていることです。と言っても肝心の手紙のやり取りはいかにも作り話
的で浮いていますが、現在になっての描写で携帯メールに関する挿話は納得です。代筆と
いう話は根本的に感心しませんが、演技陣は健闘ですね。松たか子の熟練した演技は褒め
てやりたいし、広瀬すずも若手陣の中ではトップを走っていると思います。