東野圭吾の同名ベストセラーを映画化したヒューマンミステリーとも言うべき作品で、愛
する娘の悲劇に直面し、究極の選択を迫られた両親の苦悩を描き出す内容となってい
ます。
2人の子どもを持つ播磨薫子と夫・和昌は別居中で、娘の小学校受験が終わったら離
婚することになっていました。そんなある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明の状
態に陥入ります。回復の見込みがないと診断され、深く眠り続ける娘を前に、薫子と和
昌はある決断を下しますが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせて行き・・・。
篠原涼子と西島秀俊が夫婦役で映画初共演し、監督は「天空の蜂」などを撮った堤幸彦
です。
原作がいいし、大きな社会問題を含んでいるので、もっと問題作として取り上げられても
良かったと思います。社会問題作と篠原涼子熱演の母物の中間ぐらいの出来であり、佳
作になるものなのに寸足らずでとても残念です。
足を引っ張った一番の原因は脚本で、特に現在と過去の往復が不味いし、それをカバー
する監督の力量が不足でもあります。映画の狙いもピンボケだし、それぞれの人物の深
堀りが出来ていないので、作品が軽くなってしまいました。