最近感じること(ブログ版)

粕井貫次の書き下ろし個人エッセイ

「人体の不思議展」を見て

2007年09月30日 | 感じること
 大阪梅田の新梅田シティミュージアムで行われている「人体の不思議展
」を見てきました。一番に驚いたことは、展示されている167の標本の
全てが本物であることでした。
 説明によりますと、生前から献体を申し出ていた人からプラトミック(
プラスチックとアナトミックの複合語)という方法で、生きた状態に近い
形で保存されているのでした。
 全身の標本や血管(動脈が赤、静脈が青に)神経(黄色)に色つけ、見
やすくしたり、骨や筋肉のみの標本、各部位の輪切りなどすごく多数でし
た。この保存法は非常に優れており、半永久的に状態が変わらないとのこ
とです。
 標本といえば、かつてはホルマリン漬けが常識でしたが、こうした技術
の開発はすごいと思いました。「人体の不思議展」ということで、生体の
機能や遺伝子の働きなども期待していたのでしたが、プラトミック技術
公開のデモストレーションともとれる展示でした。
 標本によっては触ることができるものもありましたが、私はどうもその
気にはなれませんでした。
 なお会場には有料ですが、「脳年齢の測定」と「骨密度の測定」のコー
ナーがあり、トライをしてみました。
 「脳年齢の測定」は画面につぎつぎ出てくる数字の群から、番号の若い
順にボタンを押していくゲームのようなものでした。結果は「今日のあな
たの脳年齢は73です」で、10歳若く出ました。
 内わけは「すばやさ」・・・情報処理能力は同年齢(以下略)29に対し
39(高いほどよい)、「脳の元気度」・・・疲れにくいかの目安は32に
対し44、「有好活用度」・・・36に対し47。
 この規準は1000名以上の実験ダデータを多変量解析して算出したも
のとのことで、「何事にも興味を持っていまの元気度を維持向上させまし
ょう」などのコメントがありました。
 次に「骨密度の測定」ですが、これは以前にも他で計った時も非常によ
い結果でしたが、今回もそうでした。
 つまり「あなたの骨密度指数(スティフネス値)は、105です。骨の
丈夫な20歳の平均値に比較して101%に相当します。同年齢の平均値
に比較すると137%に相当します。」と。
 そういえば私は歯にインプラントを入れておりますが、定期検診のたび
に先生が「骨がしっかりして異常ありません」で、いつもルンルンです。
 なおこの催しは大阪では12月2日まで開催されており、ネットでも紹
介されています。
             
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語学は若いうちに学ぶもの

2007年09月29日 | 感じること
 放送大学の任意授業で「映画に学ぶ中級英語」の授業があり、
参加しました。題名は「Guess Who’s Coning To Dinner」
で、英文のプリントを渡されましたが、映画のセリフがとても
早口でとてもついて行けませんでした。
 私は若い頃から英語が苦手で、これを何とか克服しょうと、
8年前に仏教大学英文科の通信課程の3年に編入学し、一応は
卒業できたのでした。そのお陰で、3年前の放送大学大学院を
受験したとき、入試問題が英語での出題でしたが、何とか合格
できたのでした。
 そして仏教大学にいたときはハワイ大学、ノッティンガム大
学(イギリス)にも短期留学し、そのときはそれなりに現地の
先生や学生と英語でしゃべって楽しみました。
 でもそれから6年半、その間ほとんど英語には接しする機会
がありませんでした。そのせいか、映画での会話の単語のとこ
ろどころはわかるのですが、連続したセンテンスがなななか理
解できないのです。
 教材のプリントをゆっくり読むと、大体の意味が判るのです
が、聞く方は全くお手上げでした。
 かつて英会話学校のNOVAに通っていたとき、初級の上か
らスタートし、短期に中級の中まで短期間にレベルアップ。そ
のコンテストに優秀とかで、東京の会場に招待されて表彰を受
けたこともありました。
 でも仏教大学では、英文和訳や文学論などの単位は落とした
ことはなかったのですが、ECCと英文法の試験は一回ずつ落
し、追試でやっと単位が取れたのでした。
 英語に限らず何でも、若いうちに徹底して習得得するること
が大切と思います。ところで放送大学ではもっと他に学びたい
科目がたくさんありますので、課外授業の英語復習は残念なが
ら断念することしました。
コメント (11)
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「言葉再発見」を聞いて

2007年09月26日 | 感じること
 立命館大学の大阪オフイスでの講座が始まりました。この講座では主に
同大学の教授の話を聞けますが、この大学は多くの学部があるため、多方
面にわたる分野でのテーマが取り上げられ、とても興味津津です。
 今回は法学部の宇野木 洋教授の「言葉再発見」でした。先生のご専門
は中国現代文学、文化理論ですが、立命館大学に来られた頃は中国語を
教える人はこの先生を入れ、初めて2名だったとのこと。今では講師を含
め19名とかで、中国語への関心が20年余りのうちにずいぶん高まりま
した。
 そこで感じたこと。( )は私の意見。
・「雪」はイヌイト語では30以上ある。(その国の風土、文化によって
 こうした例は多く、日本では雨、魚などがそう)
・太陽の色は日本や東欧は赤、西欧は黄、中国はむかしは白で今は紅(
 日本の朝日と夕日は黄かかった赤に近いですが、サハラ砂漠で見た朝日
 は真白でした)
・日本では水は冷たいものだが、英語や中国語では必ずしもそうでない
・一つの国にいくつもの言語があるのが常識(日本では1億2千万が同じ
 言葉であることは、コミュニケーション、学術の修得、文化面などにお 
 いての利点がたいそうすごい)
・世界人権宣言にある「選びようがない人間の属性」について差別を受け
 ることはなく、権利と自由を享有することができる」(日本民族の多い
 人口に感謝するとともに、少数民族への理解の必要を痛感)
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「航空ショー」を見て

2007年09月23日 | 感じること
 石川県の航空自衛隊小松基地での「航空ショー」を家内と見学に行きま
した。これは航空自衛隊の存在を多くの人々に知ってもらうための行事で、
アクロバット飛行の専門チーム、ブルーインパルスが行っているのです。
 飛行場について先ず驚いたのはその広さです。私は60数年前、海軍の
航空隊に2年間所属していましたが、その時いた陸上航空隊の国分、人吉、
観音寺の各飛行場の約8~10倍、司令部があった鹿屋、大分飛行場に比
較しても2~3倍という広い感じでした。
 航空ショーはF15戦闘機6機によって行われましたが、そのスピード、
ダイナミックさ、派手な演出の数々は見事でした。
 飛行場のエプロンの近くから見学しましたが、予想してたとはいえ、先
驚いたのは飛行速度の速さです。
 F15の最高速度はマッハ2.1とかで、ともかく爆音が聞こえてきた
かと思ったら、飛行機はすでに目の前の低空を矢のように(実際はその何
十倍早く)過ぎ去っていきました。ですからカメラを構えるひまもありま
せん。
 驚いたのはF15の上昇力です。低空飛行から2000メートルくらい
まで一気に3~4秒、しかも垂直の姿勢で上昇していくのです。しかもエ
ンジンだけの推進力なのです。
 アクロバット飛行では、2機で大空にハートを2つ画きました。また5
機で大空に大きな星の模様、これも煙で見事画かれました。
 圧巻は4機による編隊宙返りで、各機からの出された4筋の煙が大空に
素晴らしい航跡を画きました。むかし私もいろいろと特殊飛行をやりまし
たが編隊宙返りという経験はありません。
 当時の機種では宙返りの頂点においては速度が落ちるため、操縦が不安
定となり、空中接触の危険があるです。その点、最新のジェット戦闘機で
は出力にゆとりがあるためこうした離れ業ができると思います。
 このようなアクロバット飛行にはすごい性能の進歩、そして加えてパイ
ロットの卓抜した技量の結実だと思います。何分の1秒という瞬間の判断
力による操縦桿、フットバー、レバー、発煙筒操作など、しかも編隊での
操作の一致が前提です。そして何よりも安全の確保が重要です。私が操縦
した頃に比べ数倍の速度から、心技一体の素晴らしさに感服しました。
 このような運動性能のきわめて高い機体でありながら、航続距離が何と
4.400キロとはこれも驚きです。
 60年前との色んな水準の違いをまざまざと見るにつけ、時代の推移を
ひしひしと感じました。
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アロエと太極拳

2007年09月22日 | 感じること
 毎週土曜日、OCATで健康太極拳を「小宇宙会」の弓場篤子先生から
習っていますが、そのメンバーで三重県名張市へ行きくことになりました。
総員8人で現地の人達に太極拳の体験をして頂くためでした。
 先ず食新工房「福浦」でアロエ料理を賞味しました。ここの料理はNH
Kでも取り上げられ放映されたのでした。
 印象に残ったのはアロエの果肉。ちょっとイカの刺身のようで、それを
さらに透明にしてねばり気を出した口当たりでした。色んな料理が出まし
たが、とくに歯ざわりも味もよかったのはアロエの皮を使ったかき揚げで
した。また生ジュースも頂きましたが、癖がなく野菜ジュースよりは格段
に飲みやすかったです。
 アロエは昔からわが国では「医者いらず」といわれており、すごい数の
栄養素が含まれており、ひろく食されています。ハーモニーグリーンとい
う会社がアロエベラのジュースを広く販売しており、太極拳メンバーの5
人ほどが購買の申し込みをしたようです。
 私は他に色んな健康法やサプリメントを愛用中でしたから、申し込みは
しませんでした。
 食事が終ってから名張市梅が丘公民館で太極拳の演技を行い、その後に
見学の人達も加わり、「入静」「八段錦」「太極拳基本功」「二十四式」
「健康太極拳」なっどの実技をやりました。あとで感想を聞きましたが、
とてもいい経験をしたという感想が大部分でした。受講した人達の世代は
若かったですが、中には脚や腰に身が入ったという人もいました。
 私は平素からいろいろ体力つくりの運動をやっていますが、太極拳や気
功はその中では運動量の少ない部類です。歳をとっても積極的な生活習慣
によって、いつの間にか体力がついているものだと自信を深めました。
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将来は遺伝子治療か

2007年09月21日 | 感じること
 遺伝子解読の権威である村上和雄教授の特別講演会がありましたので
「ザ・リッツカルトン大阪」に行きました。演題は“心の持ち方であな
たのDNAは変わる”「遺伝子オンで生きる」です。講演開始の40分
前に会場に着きましたが既に満席の大盛況。聴衆は1500人とのこと
でした。私の横の女性二人はこの講演を聞くため、高松から朝の6時に
家を出て丸亀から集団でバスに乗ってきたとの事でした。
 村上先生のお話は前に船井メディアからのカセットテープで聞いていま
したが、今回のユーモアあふれる話ぶりでさらに理解が深まりました。主
なご講演の内容は・・・。
・西洋医学は薬とメスが基本だが、東洋医学には中国の漢方、インド医学
 のアーユルベーダーなど、病気を治す前に予防するつまり病気を起こさ
 ない考え方がある。
・村上先生は高血圧を起こす遺伝子レニンを発見された。
・実験の結果、現段階で遺伝子の働きがわかるのは2%くらい。
・笑いが遺伝子のスイッチをONにする。
・糖尿病患者を薬で治すのは難しい。集団実験で落語・漫才などの笑い
 血糖値が下 がった。まさに笑いセラピーである。
・アメリカでは薬の副作用で、年に10万人がおかしくなっている。笑
 いこけて死んだ人もいなければ、笑いすぎてアゴが外れた人もいない。
・「笑い学会」を発足、現在会員が1000名。
・笑いに関する遺伝子が活発化すると、NK(ナチュラルキラー)細胞が
 いききしてくる。
・心が生きている状態、つまり陽気、楽しい、活動、深い祈りといった環
 境が大切。
・サムシング・グレートの偉大なる存在を知ること。
・人間にはみな60兆の細胞ががあるがこれは地球人口の1万倍。
その他いろいろと話されましたが、先生の著書『生命の暗号』を買いまし
た。まだ拾い読みの段階ですが、その中から・・・上記の他に。
・遺伝子の働きを阻害するのは否定的な心である。
・わるい遺伝子をOFFにし、よい遺伝子をONにする方法として、どん
 な境遇や条件を抱えた人にでもで切るのは「心の持ち方」をプラスにす
 ることである。これが遺伝子に大きな影響を及ぼすと考えられる。
ともかくこれ以外の先生の著書も早急に読んでみたいと思います。科学を
極められたところに哲学の境地があると感じることしきりです。
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電子辞書

2007年09月17日 | 川柳
 「いこま番傘」10月号近詠に次の句を投句しました。
二度三度同じ単語を電子辞書
 辞書よりも簡単に引けるのでつい意味を覚える気が緩み勝ちです。
電子辞書使えば苦労せぬ漢字
 電子辞書とパソコンで簡単に字が出てくるので、書くほうはおろそかに。
英語なら字引もあるが分子式
 いま履修している「食物と健康」にはふんだんに分子式。これには閉口。
先生のポロリ本音に親しみが
 ある教授が放送大学はお金さえだせば入学できると。大学院は別だが。
引出しの底にひそんでいた記憶
 英語の訳など、正確な意味はわからなくても、ほぼ想像がつきます。
レポートと試験を何で八十路から
 選科履修生として入学したからには関門があり、さてどうなるやら。
秋の空研究室をそっと出る
 ビデオでの履修は疲れます。ときどきは戸外の空気にふれリフレッシュ。

当日の句会での私の入選句は
席題「指輪」         私と葉さんの共選
 指輪交換ふるえ止らぬ僕の指(私の軸吟でも)
以下宿題「渋い」
 本店の審査が渋い板挟み      喜太郎 選
「鱗」
遭いにきた鬼女が好みの鱗柄     完次  選
「過ぎる」             
吸い過ぎに注意わかっておりますが  有行  選
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血圧をなだめすかせて

2007年09月15日 | 川柳
 「川柳番傘」11月号の近詠に下記を投句しました。
血圧をなだめすかせてサウナ風呂
  高温サウナにいきなり入ると血圧に悪いようです。最初は岩風呂で
  10分くらいした後で低温しかも下の席に座るようにします。
頂きますいのち私の血と肉に
  トムの柳田先生からむかし教わったのですが、動物、植物によらず
  そのいのちを頂くことによって生かされていることへの感謝です。
太極拳終えアルファー波しんしんと
  体操の講習中は緊張をしてベーター波がでるようです。その点、太
  極拳と気功ではアルファー波がでるため終ったあと壮快です。
この通り前屈床に届く指
  私は若いときから体が固く運動には自信がありませんでした。でも
  太極拳、気功、熟年体操を続けているお蔭で老化は遅いようです。
もてあます学び甲斐ある科目だが
  いま放送大学で履修中の科目の一つに「食と健康」がありますが、
  その中にふんだんに食物を構成する分子式がでてきて閉口します。
肩の荷がだんだん軽くいい八十路
  確かに個人としての存在感は薄れてきましたが、余生をたのしむ、
  迷惑をかけない、少しでも役立てばでいくつもりです。
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感動の「海遊館」

2007年09月14日 | 感じること
 「ロートテック展」を見た後、隣の「海遊館」を久しぶりに見に行きま
した。北はアリューシャン列島から環太平洋の色んな海、そして南極大陸
に至るまでの各地の海を中心にした生き物は正に圧巻でした。
 いくつか印象の深かったことを・・・。
・先ず展示水槽が1万1千トンという巨大な容量。もしも大地震でも起き
 水槽が壊れたら?
・ラッコって忙しい動物。絶えずくるくる運動で静止などしたことがない。
 一日に体重の何割とかすごい貝を食べるはず。
・呼び物の巨大ジンベイザメは5代目とか。ゆうゆうと泳ぐ姿はさすが。
・それにも増してひらりひらりとエイの優雅な泳ぐ姿も見もの。
・ペンギンの部屋はもちろん氷点下、でもちょっと狭苦しいのでは?
・イルカが小魚の群れを絶えず追いかけまわしていたが、小魚はいつ休め
 るのだろうか。
・日本海峡のタカアシガニはどうしてこんな形に進化したのか、長すぎる
 脚もときに不便では?
・珊瑚を食料にしているオニヒトデの醜い姿、そしてすることも憎い。
・クラゲの傘の直径がたいてい15センチくらいだが、中に1センチにも
 満たないものがありる。そういえば魚でもジンベイザメからジャコまで
 あると納得。
地球の生命の神秘に触れた数時間でした。
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ロートレック展を見て

2007年09月13日 | 感じること
 昨日のテレビ番組、ためしてガッテンの「美術館での鑑賞の仕方」を
見て早速大阪天保山のサントリーミュージアムへ行きました。9月11日
から11月4日まで、「ロートレック展」が催されているからです。
 でも昨日学んだ鑑賞の仕方は見事に吹っ飛んでしまいました。と言う
のは多くの作家の絵が一堂に集められている場合は、最初にさっと全体を
見てその後、自分が気に入った作品をじっくり鑑賞することには大賛成で
す。しかし、一人の作家、特に亡くなった人の生涯の作品の一代記を鑑賞
するとなると、また違った見方になります。
 実は入場とともに音声ガイドのイヤホーンを借り出し、その解説に従っ
て会場をまわったのでした。その前に10分間でしたが、「鑑賞の仕方」
の解説があり、ロートレックの生い立ち、画を学び始めた動悸、ムーラン
ルージュ近辺での生活や交友、他の画家からの影響、ポスターが人気を呼
んだ経過、36歳で亡くなる前後の様子などを予備知識として知りました。
 その上で、音声ガイドによって一つひとつの作品ごとの解説を聞くので
すから、前もってストーリーが出来上がっていました。
 ところでロートレックが愛したモンマルトルへは私は3回ばかり行きま
したし、時代は違いますがムーランルージュにおいてもショーを鑑賞した
ことがありました。
 彼は油絵とともにリトグラフ(石版画)をこなし、多くのポスターを
手がけています。彼とは2周りほど若い私の父(雅号は豊誠)は石版画を
家業としていましたので、ロートレックに他の画家とは違った親しみを
感じます。ポスター作家と芸術家が一体となっているからです。私の父も
家業のかたわら日本画をものにしていたからです。
 私は父と家業の雰囲気から子供の頃から画が好きで、小学校では一番
得意な学科は図画でした。商業学校では高学年になってから才能を買われ
たのか先生から絵画部に無理に入れさされ、デッサンの修行と油絵を描き
ました。
 でも父はいくら家業が忙しくても、一切絵を描く仕事を手伝わせません
でした。石版画がやがて写真版になるという技術革新を見通していたの
と思います。ある腕のいい弟子が「写真製版に移りたいからヒマを下さい」
と申し出た時、悲しい顔をしたことを思い出します。
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