最近感じること(ブログ版)

粕井貫次の書き下ろし個人エッセイ

「航空ショー」を見て

2007年09月23日 | 感じること
 石川県の航空自衛隊小松基地での「航空ショー」を家内と見学に行きま
した。これは航空自衛隊の存在を多くの人々に知ってもらうための行事で、
アクロバット飛行の専門チーム、ブルーインパルスが行っているのです。
 飛行場について先ず驚いたのはその広さです。私は60数年前、海軍の
航空隊に2年間所属していましたが、その時いた陸上航空隊の国分、人吉、
観音寺の各飛行場の約8~10倍、司令部があった鹿屋、大分飛行場に比
較しても2~3倍という広い感じでした。
 航空ショーはF15戦闘機6機によって行われましたが、そのスピード、
ダイナミックさ、派手な演出の数々は見事でした。
 飛行場のエプロンの近くから見学しましたが、予想してたとはいえ、先
驚いたのは飛行速度の速さです。
 F15の最高速度はマッハ2.1とかで、ともかく爆音が聞こえてきた
かと思ったら、飛行機はすでに目の前の低空を矢のように(実際はその何
十倍早く)過ぎ去っていきました。ですからカメラを構えるひまもありま
せん。
 驚いたのはF15の上昇力です。低空飛行から2000メートルくらい
まで一気に3~4秒、しかも垂直の姿勢で上昇していくのです。しかもエ
ンジンだけの推進力なのです。
 アクロバット飛行では、2機で大空にハートを2つ画きました。また5
機で大空に大きな星の模様、これも煙で見事画かれました。
 圧巻は4機による編隊宙返りで、各機からの出された4筋の煙が大空に
素晴らしい航跡を画きました。むかし私もいろいろと特殊飛行をやりまし
たが編隊宙返りという経験はありません。
 当時の機種では宙返りの頂点においては速度が落ちるため、操縦が不安
定となり、空中接触の危険があるです。その点、最新のジェット戦闘機で
は出力にゆとりがあるためこうした離れ業ができると思います。
 このようなアクロバット飛行にはすごい性能の進歩、そして加えてパイ
ロットの卓抜した技量の結実だと思います。何分の1秒という瞬間の判断
力による操縦桿、フットバー、レバー、発煙筒操作など、しかも編隊での
操作の一致が前提です。そして何よりも安全の確保が重要です。私が操縦
した頃に比べ数倍の速度から、心技一体の素晴らしさに感服しました。
 このような運動性能のきわめて高い機体でありながら、航続距離が何と
4.400キロとはこれも驚きです。
 60年前との色んな水準の違いをまざまざと見るにつけ、時代の推移を
ひしひしと感じました。

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