8月なのに雨が続きます。気温も低く梅雨に戻った様な感じです。しかし仕事場では除湿のために冷房を入れている事も多いそうです。
雨の日や湿度の高い日に、古傷が痛むと言う話しをよく聞きますがそこに更に冷房の冷えも加わります。
東洋医学的には、気象状態の、風・暑・湿・寒・燥・火は六淫とも呼ばれ、病因を構成する物とされています。
今月の様な天気の時は風寒湿の三邪が同時に体を襲い、「気」の循環が悪くなります。このとき発生する病を東洋医学では庳(ひ)と呼び、湿による痛み痺れを「湿庳(ひ)」と呼びます。
「湿邪」は陰性の邪気で体の下部を犯しやすく、重く停滞し陽気を損傷し「気」を阻害します。症状としては頭や体が重く、手足に倦怠感がでたり、湿邪が関節に滞ると痛みや腫れがおこります。
今日の患者さんは「湿庳」の典型的な症状でした。
頭が重怠く痛み、頸肩が凝り・腰が痛く・職場の冷房で冷えが足から昇ってくる等様々な症状を訴えられましたが、原因が「湿庳」であるならそれを取り除けば痛みなどの症状は改善されるわけです。
四診した結果「腎虚証」として治療する事とし「体重節痛=体がだるい、関節が痛む」の改善と「温補補腎」を治療方針としました。
治療方法は澤田流太極療法を用い、お灸を主として用い、鍼は補助的に使用しました。
治療前は冷たかった足底も、徐々に暖かくなりそれに伴い頭痛・頸凝り・肩凝りも和らいできました。
今回は行気を促し痛庳を鎮めるため「四関穴」と虚労の治療ため「五華の灸」を使用しましたが。
治療を終えた患者様は「すっかり痛みが取れました。」と喜んで帰られました。