首都圏→岡山 移住相談会に希望者続々
「原発から遠い」「災害少ない」
首都圏から岡山県へ移住を希望する人を対象にした県主催の相談会が21日、東京都内で開かれた。80人を超える相談者が詰めかけ、開催時間を急きょ延長して対応した。東日本大震災、福島第1原発事故を受け、安全な土地への移住を望む子育て世代が目立った。
会場では県と、笠岡、瀬戸内、高梁市、久米南、吉備中央町が相談ブースを設営。住宅や就職、移住支援制度の相談に応じた。
正午の開始間もなく来場者が殺到し、一時は30分待ちに。終了予定の午後4時を過ぎても相談者が途切れず、1時間延長した。県が昨年1月、東京で試行開催した際の参加は7組だったが、この日は計57組82人に上った。
妻、3歳の長男と来場した浅井克俊さん(37)=東京都世田谷区=は原発事故以降、水はミネラルウオーター、食べ物は西日本産などに徹底する生活。「水道水も安心して飲めず子育てに困る。仕事さえ見つかれば今日にでも移住したい。岡山は原発からも遠い。移住の第一候補」と話した。
夫婦で訪れた会社員男性(42)=相模原市=は「見えない放射線は怖い。老後の田舎暮らしを考えていたが、震災を機にすぐにでもと考えた。岡山は災害が少なく、大阪など都会に近い」と語った。
神奈川県の会社員男性(26)や30代女性もそれぞれ、幼い子どもの放射線被害を心配しての来場だった。
岡山県への移住希望者は関西圏に多く、県の相談会も大阪府で年5回開催してきた。震災以来、首都圏からの移住の問い合わせが増え、東京で初めて本格開催した。今回の反響に県中山間・地域振興課は「来場者の多さに驚いた。来年度は東京開催をさらに増やすよう検討する」と話した。