JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

Hi L同調回路

2014年08月22日 | ゲルマラジオ


 前稿の無電源ラジオ。ループアンテナ等と比べコンパクトなコイルながら感度、分離が良好なこと、その理由として5つの要因が考えられることを書きました。実際、他のゲルマラジオと聞き比べてみると、同調点の山がつかみやすく、分離の切れが際立っています。これについて、もう一つの要因に思い至りましたので書いてみます。

 我が家の環境で無電源ラジオから聞こえてくるのは、いくらがんばってもNHK仙台第一、仙台第二、東北放送の3局です。仙台第一が891KHz、第二が1089KHz、東北放送が1260KHz。なので、中波帯の上の方だけ同調できれば良いわけです。下は不要。ということでコイルは170μH前後で十分です。単連のポリバリコンを使った場合、仙台第一がバリコンを回したときに中央から少し左の位置になります。右に回すと仙台第二、さらに回すと東北放送。こんな感じです。そして今回、コイルのインダクタンスが303μHもあるにもかかわらず、ほぼ同じ位置で仙台第一と第二が受信できるのです。これは如何に?


2連ポリバリコン



 実は手元に単連ポリバリコンの持ち合わせがなく、仕方なくスーパー用の2連ポリバリコンを使ってみたのです。これを1連で使うと150pFしかありません。一般的な単連ポリバリコンは260pF程。

 つまり
 1)これまで作製の同調回路  170μH+260pF
 2)今回の同調回路      303μH+150pF

 どちらもほぼ同じ周波数帯に同調します。では1)と2)は同じなのでしょうか?

 ものの本によると、共振周波数は、コイルのインダクタンスLとコンデンサー(バリコン)の容量Cの積で決まります。コイル巻数を少なくして容量の大きいバリコンとの組み合わせでも、コイル巻数を多くして容量の少ないバリコンの組み合わせでも積が同じなら同じ周波数に同調します。前者は1)、後者は2)。後者の組み合わせはHi L同調回路といわれ、前者に比べて感度のピークが鋭くなり、隣接信号との差が明確で分離が良い、という特徴があるそうです。つまり同調回路としてのQが高まるということ。実際に受信した印象もまさしくその通りで、これまでとの違いに思い至った次第です。

 たまたま単連バリコンがなかったことから、小容量バリコンを使ってみるという思わぬ拾い物をしました。それにしてもコイルとバリコンの組み合わせ方で、ずいぶん変わるものです。興味の尽きない無電源ラジオ、またいろいろ試してみたくなりました。



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