1890年の今日。教育勅語が発布された。父は良くこれを暗唱していたことを覚えている。意味は大体こんな感じだろう。何処かの組合はこの文章がお嫌いらしい。皇室は日本そのものであるから、日本国と読んだら、こんなに人間的教えに反論があるのだろうか。
陛下が思うには、我が皇室(日本国と読んだらわかりやすい)の先祖が国を始められたのは、はるかに遠い昔のことで、代々築かれてきた徳は深く厚い。我が国民は忠義と孝行を尽くし、全国民が心を一つにして、世々にわたって立派な行いをしてきたことは、わが国のすぐれたところであり、教育の根源もまたそこにある。
国民は、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は仲むつまじく、友達とは互いに信じあい、行動は慎み深く、他人に博愛の手を差し伸べ、学問を修め、仕事を習い、それによって知能をさらに開き起こし、徳と才能を磨き上げ、進んで公共の利益や世間の務めに尽力し、いつも憲法を重んじ、法律に従いなさい。そしてもし危急の事態が生じたら、正義心から勇気を持って公のために奉仕し、それによって永遠に続く皇室(日本国)の運命を助けるようにしなさい。これらのことは、単にあなた方が忠義心あつく善良な国民であるということだけではなく、あなた方の祖先が残した良い風習を褒め称えることでもあります。
このような道は、実にわが皇室(日本国)の祖先が残された教訓であり、その子孫と国民が共に守っていかねばならぬことで、昔も今も変わらず、国の内外をも問わず、間違いのない道理です。私はあなた方国民と共にこの教えを胸中に銘記して守り、皆一致して立派な行いをしてゆくことを切に願っています。
明治二十三年十月三十日