週末に、九段である全国大会のお手伝い
古くからの友人たちと一年ぶりにお会いすることができた
「富士山通信、いつもありがとう」
「しばらく送られてこない時は、源太郎が死んだと思ったよ」
「いいよなぁ、富士山を毎日見ることができて」
「身体は調子いいのかい」
「俺は糖尿が出てさ、薬飲んでいる」
「源太郎なんてまた若いよ、俺なんてかぁちゃんが逝ってしまって寂しいもんさ」
「呑めなくなったら終わりだなぁ」
「まだシャンソン聴いているのか」
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こんなたわいもない会話だが、全国から集まった仲間たちが若い人たちに混じって昔を懐かしみ語らう
健康のことと、近況報告
まるで老人集会だが、源太郎は若い研究員たちに悪友を紹介するためあいさつ方々連れて歩いた
「君も大変だなぁ、こんな先輩のところは大変だろうね」
「こいつは、キツイからさぞ大変だろう、困った時はなんでもいってこいよ」
「どうせ、相変わらず考えろなんて言われているんだろ、ツライだろ」
全く口の悪いメンバーだ
若い研究員たちは「こんなに名刺が必要だと思いませんでした」と空になりそうな名刺入れの枚数を気にしていた
300人ほどのメンバーのほとんどが、先代からの付き合い
そんな中で、若い連中は1割ほどしかいない
でも、どこかでお世話になるかもしれない
そんな思いで、彼らと回った
「源太郎さん、松本にいつきますか、いやいや長野市の方でいっぱいやりますか」
「でも、Hさんは松本でしょ、だからそっちでやらないと怒られまっせ」
「そうだった、そうそう松本になるかなやっぱり」
「また、来年ですね、皆さんお元気で」
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九段から神保町は歩いても10分ほど、小川町もそんなに遠くない
昼休みに「ちょっと俺は買い物に行ってくるよ、時間までには戻ってくるから」と神保町の古い店に出向いた
所狭しとSPレコードが(LPではない)並ぶ店先のガラスケースの上に、7インチのテープが2箱置かれていた
普通気付かないのに、偶然何かを感じ、それに気づく経験がある
本屋でも、レコード屋でも、偶然に探していたものが見つかる不思議さ
それと同様に、すでに製造されていないテープを発見した
しかもだ、それは未開封で、未使用の新品、TDK SD150-7
7インチテープが二本ということは、10インチのテープ一本に相当する
くたびれたテープではないので、一本2500円だったが、これを二箱購入
もちろん、重たいがこれもよし
・・・
自宅に戻りってから、開封すると懐かしいものが、綺麗に収められている
このハガキを見ると、個人情報保護法のない時代物
郵便番号の桁数も少なく、切手不要の返信期限も昭和47年8月31年
リールに貼るシールも昔のまま
そして箱に記載している説明書きもアナログ時代そのものだ
・・・
早速10インチの空リールに巻き直し、一本にして、音を聴く
ノイズもなく、新品そのもののテープ
何か嬉しい、そんな気持ちになった
一本1800ftだから10インチリールにして3600ft、このテープの長さは1110mになる
だから38cm/secで録音すると45分の容量がある
これで、大好きな古いレコード一枚が収まり、レコードの傷みを気にせず、聞くことができる
古い友人たちに出会い、新品だが古いテープに出会った最高の1日になった
Mihoちゃんの胡蝶蘭も4輪脇で咲いている