先日から「黒猫はへそ天しない」という源太郎の仮説(都市伝説)に支持や反論、そしてご意見などコメントやメールをいただいた。
支持派は「確かにしない」、「見たことがないのでそうかもしれない」、「うちの黒猫はしない」とのご意見。
反論派は「うちの毛足の長い黒猫はする」、「飼い主にまだ心を許していない」といったご意見。
そこで源太郎、一晩寝ながら仮説の立証について、あれこれ文献を読んでみてこれからその理由を記述してみたい。
「お父さん、大丈夫? まぁ、また夢物語じゃないの」
「大丈夫、かなりの確信で立証できるよ」
「じゃ、聞かせてみてよ」
「寝ながら聞いているよ」
さぁ、ここから立証です。(このブログを見てくださっている方で獣医さんがいて支持してくれるとありがたい)
与条件
・飼っていた白猫(LAURA)、三毛猫(Emma)、黒猫(PIANO)の経験から色の白い猫や淡い色の猫はへそ天するが黒猫はしない。
・三匹とも保護猫である。Emmaは生後すぐに保護、LAURAは幼稚園で園長先生に保護された、ピアノはピアノの先生のお宅で生まれた外猫。
・EmmaとLAURAはテレビに映る猫たちに興味を示すがPIANOは全く興味がない。
・EmmaとLAURAは、白い犬(Jerry)と暮らしたことがあるが、ピアノは一人っ子(お母さんも、兄弟も黒猫)だが我が家に来るまでお母さんと一緒に暮らしていた。
・毛足の長い黒猫さんはへそ天するとのご指摘あり
仮説(正確に)
・黒猫のうち毛足が極端に長くない黒猫はへそ天しない。なぜならば、熱平衡状態において色による熱吸収と熱放射が等しく、「キルヒホフの放射法則」によって、黒猫は赤外線エネルギーの熱放射度合いが高く、へそ天してまで熱放射をする必要がない。
立証
・色の違いは、人間が見える可視光の反射率でかわる。白猫は反射率が高く、黒猫は反射率が低い。したがって、太陽光などの可視光の波長によるエネルギーを白猫は反射し、黒猫は吸収するので体温は黒猫が高くなる。ところが熱エネルギーは可視光の波長だけではなく、赤外線(波長が可視光線より長くマイクロ波よりも短い)はいずれの色であっても吸収する。
・この時、吸収した熱量もった猫からの放射は温度が高いほど多く、放射される赤外線エネルギーの量は温度の4乗に比例する。猫たちは赤外線を吸収すると温度が上昇し、放射すると温度が低下するが、温度が一定の「熱平衡状態」では、赤外線の放射と吸収は同じ量となり、「放射=吸収」である「キルヒホフの放射法則」が適用できる。
・スペースシャトルは、太陽光が当たる背中面は白色で、お腹側は黒色である。入射エネルギーは反射されず、すべて吸収されるからいつも太陽の反対を向いている。一方、反射する白色や鏡面の背中側は反射率が高くエネルギーをできる限り吸収することを避けている。
・炊飯器のお釜は黒色が多い。
・暑いに日に服を選ぶ時、涼しく感じる色として白色系と黒色系のどちらを選ぶかは当然白色である。
・どちらかといえば、これはらすべて熱吸収に目が向いている指摘で、現象で空冷バイクの熱を逃がすためのラジエターは空気に触れる面積が大きいフィンを有し、黒色塗装が使われていることにはその理由の説明になっていない。ここで再び「放射=吸収」である「キルヒホフの放射法則」を思い返すと、熱を放射する能力は黒色の方が白色より優っていることが思い出される。
・さらに猫たちは、生命維持のため自ら熱を作り出しているが、体温が上昇した場合、この熱量を放出しないといけない。すると、熱放射しやすい黒猫の方が優位となる。これでスペースシャトルのツートンの意味が理解できる。内部にある機器の熱を放出するためには、反射ばかり考えず、放射能力の高い黒色を配置してこれに対処していることで説明がつく。
・毛足の長い黒猫は、一種の断熱層(空気層)を体の表面と外界の間に有している。セーターを着ているのと同じだ。せっかくの黒色の毛で覆われていても、断熱効果が高い層を有しているため、お腹の側の毛の短い箇所から熱放射をするようになっている。
結論
・黒猫は「キルヒホフの放射法則」によって、へそ天をしなくても過剰な熱量を素早く放射できる。
・なお、同じ素材で黒いコップと白いコップにお湯を入れて温度がどちらが早く下がるか検証すればこの立証は確実に成り立つ。(休日に実験してみよう)
はたして、この考え方は正しいのだろうか。