二次発酵をさせないサイレージ作り
サイレージは牛の保存食です。良い品質のものを牛に食べさせたいものです。
そのためには、
「開封後に二次発酵させないこと」が重要です。
そこで、今回は二次発酵させない方法に焦点をあててみましょう。
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二次発酵したサイレージは?
二次発酵は、サイレージが空気にさらされて、カビなどの好気性微生物が動き出すことでおこります。
二次発酵が起こると、
発熱、
養分ロス、
嗜好性の低下、そして
採食量の低下をもたらします。
また、変敗した部分を取り除くにもかなりの労力を費やすことになります。ですから、なるべく二次発酵をさせない管理が重要です。
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二次発酵させないポイント
二次発酵を防ぐためには、空気にさらされる時間をできるだけ短くすることがポイントです。
二次発酵防止はサイレージ調整から始まります。
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早期密封
原料草が空気にさらされている時間が長いほど、好気性微生物の数は増えていきます。ですから、開封後に二次発酵が起こりやすくなります。
原料草の詰め始めから密封までの作業は、一日で終わらせるようにしましょう。
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十分なサイレージ密度を保つ
密度が低い部分は、空気が通りやすくなります。特に壁際や肩の部分は密度が低くなりやすいので、十分に踏圧しましょう。
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取り出しスピードを確保する
サイレージの取り出し幅は夏場は十五cm以上、冬場は五cm以上確保出来るサイロの断面積が必要です。
暑い時期や二本以上取り出す場合を想定して、サイロの大きさを決めましょう。
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取り出し時に空気を入れない
下から上にあおるようにしてサイレージを取り出すと、中に空気が入りやすくなります。取り出し作業をする際には、少しずつ崩し落とすようにしましょう。
蟻酸を添加したサイレージは、原料に糖分が保持されるため、二次発酵が起こりやすい特徴があります。ですので、特に留意が必要です。
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二次発酵してしまった場合
二次発酵が見られた場合は、ロールなど重しをのせて空気を遮断する(写真三)、取り出し後に二次発酵防止材(プロピオン酸など)を散布すること等で対応します。
ですが、あくまで対処療法であり、こうした手間やコストはできればかけたくありません。
ですから是非四つのポイントに留意し、今年のサイレージ作業に臨みましょう。
(平成二十二年四月作成)