生まれたばかりの仔牛は、とても病気にかかりやすい存在です。
特に、下痢になるとほかの病気にもかかりやすくなり、その後の発育にも影響します。
ほ乳期の仔牛の飼養管理に注意を払い、下痢を予防して丈夫な仔牛を育てていきましょう。
初乳給与で免疫強化
仔牛の下痢を予防するには、生まれた直後に、初乳をタイミング良く飲ませることが重要です。
◆給与のタイミング
免疫グロブリンの吸収率は、時間が経過するにつれて低下します。
分娩後6時間以内に飲ませましょう。
◆良質な初乳をたっぷり飲ませる
「初乳」と呼べるのは、分娩直後に搾った乳だけです。2回目の搾乳以降は、免疫グロブリンが極端に減ってしまいます。3~4リットルを目安に、飲めるだけ飲ませてあげましょう。
ただし、分娩前に漏乳した場合や、血乳・乳房炎乳の初乳の給与は避けてください。
衛生的な管理をしよう
これからは、気温が高くなり、下痢の原因となる菌などが増えやすくなる時期です。
仔牛の施設は、
通気性が良く乾いている事が必要です。
◆親牛との同居は絶対ダメ
成牛舎は親牛の糞尿が飛び散り、ほこりや湿気なども多く、哺育牛にとっては厳しい環境です。
画像のように、仔牛を通路で飼うと、下痢や肺炎を起こす危険も高まります。親牛と離し、換気の良い乾いた場所で飼ってあげましょう。
◆ペンやハッチを活用しよう
仔牛がお互い舐めあうと、病気が移ってしまうことがあります。仔牛が接触しないよう、ペンやカーフハッチを使って一棟ごとに管理してあげましょう。特に、カーフハッチは仔牛にとって最も大事な新鮮な空気を与えることができる優れた管理方法の一つです。
◆牛体を汚さない
下痢の予防には、乾いた清潔な環境を維持することも大事です。
・ペンやハッチののエサ場回りは、糞尿や水などで汚れやすいので、頻繁に除糞してきれいにしてあげましょう。
・寝床には、乾いた敷料をたっぷり敷いて、体を汚さないようにしてあげます。仔牛の前膝が黒いのは、敷料が汚れてきた証拠です。速やかに交換しましょう。
◆使用後は施設の洗浄・消毒を
使用後のハッチ・ペンは、床や壁の除糞・洗浄を行い、日光消毒をして乾かし、石灰乳を塗っておきます。
より詳しい仔牛の下痢対策については普及センターまでお問い合わせ下さい。