くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「15歳の日本語上達法」金田一秀穂

2015-01-06 03:34:39 | 言語
 講談社「15歳の寺子屋」シリーズの一冊です。「15歳の日本語上達法」。著者は国語研究の大家金田一秀穂先生。
 わたし、先日お祖父様にあたる京介さんが啄木について書いた文章も読みました。盛岡の学校に入学したときのやんちゃぶりを描いています。わたしは「文人悪食」を読んで以来、京介さんは啄木にたかられているイメージがあって(笑)。
 ああ、でも同じ本にアイヌ語についての文章もあったのですが、わたしが中学生のときに読んだ記憶のある場面が見つかりませんでした。アイヌの女の子が坐っていた座布団にすぐ坐ると自分の運命が移ってしまうから、と気を使うようなエピソードがあったと思っていたのです。違う本なのかな?
 すみません、横道にそれてしまいました。
 秀穂先生は国語一家に生まれたものの、それほど勉強は好きではなかった。出席確認が終わると、バスで新宿まで行って、喫茶店で本を読む。そして、帰りの会には間に合うように学校に戻っていたそうてす。
 この本は、言葉とは何かをテーマに、中学生にもわかるよう具体的に説明してくださいます。「伝える道具としての言葉」をどう活用するか。言葉の意味を知って、きちんと理解することは、世の中を正確に理解することにつながり、自分の心を整理することができるようになる。たとえばデジカメだって、画素数が多い方が被写体を美しく捉えることができるように。
 秀穂先生は、自分が何をしたいのかがわからない時期を振り返って、そのときは最終的に行きたい道が見えていなかったのだと気づいたそうです。きっかけは、「アリス」のチェシャ猫の言葉。どこに行きたいのかわからないなら、どっちに行っても同じ。
 ゆっくり大人になっていい、という先生の言葉に励まされる生徒はいると思います。

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