あけましておめでとうございます
「黒武御神火御殿」(毎日新聞出版)。「三島屋変調百物語」の六冊目です。
聞き手を「小旦那」の富次郎に替えての幕が開きます。
「泣きぼくろ」は、富次郎の幼なじみだった豆腐屋の一家に起きた惨劇。
わたしも、あります。泣きぼくろ。複雑。
次の「姑の墓」は、禁忌を破る悲劇が描かれています。なぜ、この家の女たちは花見に行けないのか。
近づいてくる展開が想像できるだけに、不安が高まります。
姑になるのは怖い気がします。
「同行二人」は、病で妻子を失った飛脚についてくる幽霊。のっぺらぼうです。でも、嘆き悲しんでいるのは分かる。
何故彼は泣くのか。雷で焼け落ちた茶店との関係はあるのか。
そして、表題作「黒武御神火御殿」です。
ご禁制の耶蘇教に関わるらしき半纏が持ち込まれ、大金を払ってでも聞いてほしいとやってきた札差しの息子。
神隠しにあった女中とその男とは、見知らぬ屋敷に捕らわれていたことがあるというのです。
重くて、怖い物語でした。彼らの背負う過去と、座敷で燃え続ける火山。逆恨みに近い執念。
そこに捕らわれた六人のうち、助かって現世に帰れるのはたった一人。意地の悪い嫌がらせをしてくる屋敷と、陰に隠れているらしき甲冑姿の主人。
恐ろしい家のモチーフ、宮部さんよく描かれますよね。「おそろし」も、そうだった。
怖い中にも軽妙な短編を差し込むようにしている、と以前おっしゃってましたが、今回は今までと毛色が違う気がしました。
やはり聞き手が変わったからか。おちかのところでは話さないような内容でしたね。
「黒武御神火御殿」(毎日新聞出版)。「三島屋変調百物語」の六冊目です。
聞き手を「小旦那」の富次郎に替えての幕が開きます。
「泣きぼくろ」は、富次郎の幼なじみだった豆腐屋の一家に起きた惨劇。
わたしも、あります。泣きぼくろ。複雑。
次の「姑の墓」は、禁忌を破る悲劇が描かれています。なぜ、この家の女たちは花見に行けないのか。
近づいてくる展開が想像できるだけに、不安が高まります。
姑になるのは怖い気がします。
「同行二人」は、病で妻子を失った飛脚についてくる幽霊。のっぺらぼうです。でも、嘆き悲しんでいるのは分かる。
何故彼は泣くのか。雷で焼け落ちた茶店との関係はあるのか。
そして、表題作「黒武御神火御殿」です。
ご禁制の耶蘇教に関わるらしき半纏が持ち込まれ、大金を払ってでも聞いてほしいとやってきた札差しの息子。
神隠しにあった女中とその男とは、見知らぬ屋敷に捕らわれていたことがあるというのです。
重くて、怖い物語でした。彼らの背負う過去と、座敷で燃え続ける火山。逆恨みに近い執念。
そこに捕らわれた六人のうち、助かって現世に帰れるのはたった一人。意地の悪い嫌がらせをしてくる屋敷と、陰に隠れているらしき甲冑姿の主人。
恐ろしい家のモチーフ、宮部さんよく描かれますよね。「おそろし」も、そうだった。
怖い中にも軽妙な短編を差し込むようにしている、と以前おっしゃってましたが、今回は今までと毛色が違う気がしました。
やはり聞き手が変わったからか。おちかのところでは話さないような内容でしたね。