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福田総理辞任 海外・市場・野党・市民の反応は…。

2008-09-02 11:27:15 | Weblog
首相退陣表明:海外メディアも一斉に報道 2008年9月2日 毎日
http://mainichi.jp/select/world/news/20080902k0000m030145000c.html
 福田康夫首相が1日夜、辞任を表明すると、海外メディアは一斉に速報した。突然の辞任は一様に驚きをもって受け止められた。

◇中国◇
 中国の胡錦濤指導部は福田首相の突然の辞任に当惑している模様だ。首脳交流を通じて日本との長期的な関係構築の基礎固めを進めてきた中国は、相次ぐ日本の首相辞任に対日戦略の見直しを迫られる可能性もある。
 中国国営・新華社通信は辞任を速報した。
 胡指導部は今月下旬に日本で開かれる日中韓首脳会談など年末まで毎月予定されるアジア・太平洋地域の首脳級会合で、福田首相との個人的な信頼関係を築き、対日関係の安定化を図る思惑だった。
 中国の楊潔※外相は8月17日の高村正彦外相との会談で「日中の戦略的互恵関係は着実に具体化している。秋以降、たくさんの首脳往来の機会があるので信頼醸成に努めていきたい」と関係発展への期待を表明していた。
 懸案の中国製冷凍ギョーザの中毒事件では、中国国内での類似事件の発生を日本政府に伝え、捜査協力を加速していこうとした直後だった。また、東シナ海のガス田開発問題も解決まであと一歩までこぎ着けていた。日中間の外交交渉は福田首相辞任で停滞を余儀なくされそうだ。
 ※は竹かんむりに褫のつくり

◇米国◇
 米政府は、安倍晋三前首相に続き、福田政権も「短命」に終わったことで、不安定化を深める日本の政局に懸念を深めている。今後は最大野党・民主党の政権奪取も視野に入れた「同盟」管理を迫られそうだ。
 米政府は、福田政権が世界規模の対テロ戦争を進める米国を下支えしてきたと評価していた。また、小泉政権下でこじれた日中関係の改善に努めた点でも「アジアでの日本の影響力強化につながる」と歓迎していた。
 しかし、衆院と参院との「ねじれ国会」の出現は日本の政権の推進力を著しく低下させたと判断。いずれ総辞職か衆院解散・総選挙があるとみていただけに、首相退陣は織り込み済みともいえる。
 米政府は、強固な同盟国・日本が強い指導力と存在感を国際社会で示すことで、米国が国際政治で影響力を維持するとの戦略を描いている。米政府が懸念する「政権のたらい回し」が現実化していることに憂慮を深めるのは確実だ。

◇韓国◇
 韓国の聯合ニュースは、福田首相が辞意表明をする直前の1日午後9時20分すぎ、「福田首相、辞任を決断」と速報を流した。KBSテレビも同9時半すぎに福田首相の会見映像を報じるなど、「アジア重視派」首相の突然の辞任に高い関心を示している。
 ただ、韓国政府は「日本国内問題であり、コメントしない。次期首相の選出を見守る」(外交通商省当局者)と慎重な姿勢を見せている。韓国政府内には、朝鮮人が日本名を望んだという「創氏改名発言」(03年5月)で韓国で批判を浴びた麻生太郎自民党幹事長が次期首相に有力視されているだけに、「竹島問題で緊迫する中、日本は強硬姿勢に転じるのでは」(韓国政府高官)と警戒心も出ているようだ。
 韓国政府は現在、竹島問題で日本の善処が見られない中、9月下旬に日本で開催される日中韓首脳会談の出欠の回答を留保しているが、福田首相辞任により開催は困難になったとの見方が強まっている。


首相退陣表明:拉致被害者家族も戸惑い 今後を案じる声 2008年9月2日 毎日
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080902k0000e040001000c.html
 北朝鮮による拉致被害者家族の間では、「私の手で解決したい」と述べていた福田首相の突然の辞意表明に戸惑いが広がり、今後の拉致問題の進展を案じる声が上がった。
 家族会の飯塚繁雄代表(70)は「しょっちゅう首相が代わっていて、まともに他国に対応できるのかと思う」と不安を示す。政府の対応に再三期待を寄せていた横田滋前代表(75)も「この時期になぜ辞めるのかと疑問に思う。就任時の言葉を貫いてほしかった。首相が誰であっても政府には今まで通りの姿勢を引き継いでほしい」と語った。


首相辞任、欧は関心薄 英紙「日本の政治、深く混迷」 2008年9月2日 朝日
http://www.asahi.com/special/08014/TKY200809020046.html
 福田首相の辞任表明があった際、欧州連合(EU、25カ国)の首脳はブリュッセルでグルジア情勢などを議論中。このためか、日本の首相辞任というニュースにもメディアの反応は鈍く、関心の薄さを示した。
 英BBCの国際ニュース専門番組は、辞任発表後数時間たっても報じることはなく、電子版で短く「12カ月持たずに辞めた」などと触れただけだった。
 英タイムズ紙は電子版で速報し、福田首相の辞任は、同様に不人気だった安倍前首相の辞任からちょうど1年後であることを指摘、「(小泉政権退陣後の)06年から日本の政治は深く混迷している」と評した。
 一方、ドイツのメディアは1日、福田首相の辞任について、「国会のねじれで政権運営で混乱した」などと一斉に報じた。フランクフルター・アルゲマイネ紙(電子版)は、福田氏の辞任をトップページに写真入りで掲示。在任期間は前任の安倍氏とほぼ同じで、背景として「ねじれ国会」による政権運営の混乱があったなどと分析するとともに、後任として麻生自民党幹事長を写真入りで紹介した。
 南ドイツ新聞や経済紙のハンデルスブラットは、内閣の支持率が30%以下に落ち込み、低迷していた状況を紹介した。


「福田首相は無責任」野党が一斉に批判 2008年9月2日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080901-OYT1T00754.htm
 福田首相が1日夜、辞任の意向を突然表明し、与野党に衝撃が走った。
 自民党の尾辻参院議員会長は「納得できないし、理解もできない。全力でぶち当たって、討ち死にしてほしかった」とぶぜん。笹川総務会長は「自分の理想通り国会を運営したかったのだろうが、国会日程にしても思うようにはいかなかった」と唇をかんだ。
 公明党の太田代表は「突然で驚いている。熟慮した判断の結果だと思っている。政治空白を作らない。新しい体制で課題にしっかり応えると言っていたから、首相の発言を重く受け止め、明日から対処したい」と述べた。
 首相辞任で衆院解散・総選挙が年内に行われる可能性が高まったとの見方も出ている。
 自民党関係者は「総裁選をやって、新総裁の鮮度が落ちないうちに、衆院解散・総選挙だ」という見通しを示した。
 一方、野党各党は一斉に批判した。
 民主党の菅代表代行は「安倍前首相に続く二代続けての政権放り出しによって、自公政権そのものが国民に責任を持てないことを自ら証明した。一日も早く国民に責任を持てる政権を作るため、衆院解散・総選挙を行って、民主党中心の政権を作っていきたい」と強調した。
 鳩山幹事長は「1年の間に2度も自民党が政権を投げ出した。信じられない。国会召集日まで決めておいて投げ出すのは極めて無責任だ。責任を民主党に向けているが、実際は公明党と自民党の間がぎくしゃくしていたからだろう」と述べた。
 渡部恒三最高顧問は「政策を決めたから、これで辞めますというのは、全く無責任極まりない辞め方だ。我々も批評しようがない。こんなことで、この国の政治がどうなるのか、本当に心配だ」と語った。
 共産党の志位委員長は「極めて無責任な政権の投げ出しだ。安倍前首相と二人続けて政権投げだしは、自公政治の行き詰まりが行き着くところまできた」と述べた。
 社民党の福島党首は「選挙のために福田首相を辞めさせる自民党、投げ出す首相。どちらも国民のことを考えていない。『国民投げ捨て内閣』だ」と批判。
 国民新党の亀井久興幹事長は「政権が思うようにいかなくなり、辞めるのは議会にも国民にも無責任だ。もはや自民党は政権政党としての資格や能力を失った」と語気を強めた。
 江田参院議長は「参院での問責決議を受けて、80日程度で行き詰まった。あまりにも唐突だ」と驚いた。
 一方、民主党は小沢代表が1日の記者会見で、代表選(8日告示)への立候補を正式に表明したばかり。民主党内には、自民党が総裁選で新総裁を選出し、衆院解散・総選挙に打って出ることへの警戒感も出ている。
 小沢氏周辺は「代表選が無投票になったから、自民党は開かれた総裁選をやるつもりなのだろう。自民党は危機感を持っているから、小池百合子元防衛相ら意外な人間が出てくる可能性がある。新総裁が選ばれれば、すぐに解散総選挙だろう。福田首相相手なら勝てる可能性は高いと見ていたが、これで分からなくなった」と警戒感を示した。


首相退陣表明:財界に批判と失望の声相次ぐ  2008年9月2日 毎日
http://mainichi.jp/select/photo/archive/news/2008/09/02/20080902k0000m020168000c.html
 福田康夫首相が1日夜、辞任を表明したことに対し、経済界からは批判や失望の声が相次いだ。日本経済の先行きに「閉塞(へいそく)感が広がっている」(日本経団連の御手洗冨士夫会長)との危機感が強まっている時期だけに、政治空白への懸念が強まっている。
 日本商工会議所の岡村正会頭は「突然の辞任に驚きを禁じえない。諸改革の実行がこれからというときだけに残念だ」とコメント。「自民党は挙党態勢を組み、山積している課題解決に全力をあげるべきだ」と注文した。
 経団連の幹部は「何のために内閣改造をしたのか。無責任はもちろんだが、情けない。経済対策をまとめるだけでは区切りにならず、法案を通す義務がある」と語り、首相の突然の「政権投げ出し」を強く批判した。そして「早く総選挙を行い、新しい政治の秩序をつくったほうがいい」と抜本的な刷新を求めた。


首相退陣表明:「トリプル安も」市場関係者に懸念広がる 2008年9月2日 読売
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080902k0000m020131000c.html
 福田康夫首相が1日夜、突然、辞任を表明したことを受けて、市場関係者の間では、「財政再建路線が後退し、株、円、債券が同時に売られるトリプル安もあり得る」といった懸念が広がっている。
 野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストは、「定額減税を主張した公明党の関係で財政再建路線が貫けなくなったということで、見切りを付けた、あるいは辞めさせられたのだろう」と背景を分析。その上で、「(市場参加者から)財政再建路線、改革路線の後退とみなされ、『トリプル安』になりやすくなる」と予測した。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストも「目先の選挙のことを考え、バラマキの政治になってしまわないか心配だ」と先行きへの不安を隠さない。
 リーマン・ブラザーズ証券の川崎研一チーフエコノミストは、後継者の最有力候補とされる自民党の麻生太郎幹事長について、「景気対策で財政出動をバンバンするようなことを言っているが、海外投資家には、更なるバラマキと映り、いいイメージではない」と市場への悪影響を懸念している。
 一方、クレディ・スイス証券の市川真一チーフストラテジストは「もともと現政権で選挙は戦えないと思われていたので、市場への大きなインパクトはない」と見ている。次期首相については「若くて、民間活力を十分に活用できる人材がいい」と希望を語った。


首相退陣表明:「またか」「無責任」市民あきれ、怒り 2008年9月2日 毎日
http://mainichi.jp/select/seiji/fukuda/news/20080902k0000m040132000c.html
 「またか」「あまりに無責任」。安倍晋三前首相に続く突然の政権投げ出しに、市民たちはあきれ、怒りをあらわにした。一方、次期首相との声もある麻生太郎幹事長への期待の声も聞かれた。
 夜のにぎわいが続くJR池袋駅前。「携帯サイトで知り、またか、と思った」。港区でIT企業を営む小林正臣さん(32)はあきれ顔だ。「政策で何かをしたという印象はないですね」
 横浜市中区で客待ちをしていたタクシー運転手、服部民雄さん(67)は「もう少し我慢してほしかった。このままでは外国から責任を取れない国だと思われてしまう」
 JR中央線阿佐ケ谷駅。帰宅途中の杉並区の派遣社員、佐藤健さん(55)は「物価が高騰しただけで具体的な対策もなく、生活は好転しなかった」
 帰宅客でごった返す東京都練馬区の小竹向原駅前。同区の会社員、臼井毅さん(32)は「安倍前首相と同じ投げ出し。責任を持った人にやってもらわないと困る。選挙をして国民の声を聞かないといけない」と怒りをあらわにした。
 上りの東京メトロ東西線の車中。「首相の在任期間が短すぎてどうにもならない」と、神奈川県藤沢市の男性会社員(54)は驚いた表情で言った。「小泉さん(純一郎元総理)には強力なリーダーシップがあった」
 西新宿のオフィス街で、帰宅途中の会社員、金山早希さん(23)は「前首相以上に無責任。安倍がだめ、福田もだめなら、大見えを切って実行してくれそうなのは麻生さんぐらいだ。いま解散総選挙すべきだ」。川崎市の自宅へ帰る途中の会社員、海老根義則さん(45)は「泥にまみれる覚悟でやってほしかった。後に残される国民のことも考えてほしい」
 酔客でにぎわう福岡市中央区天神。「何かしたこともない。やり遂げたこともない。しょうがない」と、男性会社員(37)はあきれた。女性会社員(67)は「気骨を感じなかった。退陣表明ですぐ逃げるなんて前首相と同じでひきょうだと思う」。麻生幹事長が後継と目されていることについて、40代の女性会社員は「外交経験もあり、同じ県民として期待したい」と期待感をにじませた。
 一方で同情論も。JR大阪駅で帰宅途中の神戸市西区、会社員、横浜義則さん(44)は「問題山積のまま首相を引き継ぎ、ある意味気の毒。もうちょっと長くやっても良かった。残念だ」と話した。





 福田総理辞任に対する各国や周囲の反応ですが、アメリカや中国・韓国は懸念を表明するも、まるで辞任することを前もって予測していたかのような、テキストを読み上げたようなコメント。
 他には拉致家族被害者家族がその後の交渉の進展に真剣な懸念を示したのと、野党が猛反発したことまでは予想通りでしたが、ヨーロッパはグルジア情勢のことでそれどころではないのか、実にあっさりしたコメントしか残していませんし、他のアジア諸国もタイの非常事態宣言やパキスタンのムシャラフ大統領の突然の辞任の余波などで、他国の政治問題に関心を持つ余裕もないのか、こちらもとりわけ目立ったコメントはなし。
 まあ、そのアメリカも大型ハリケーンのグスタフの問題に専念しなければならないのに『なんでこのクソ忙しい時に、同盟国の首相の辞任問題が…』とホンネではかなり迷惑していると思うのですが、こういった世界の国々の反応を見ていると、つくづく日本の政治的プレゼンスの低下というものをつくづく感じてしまいますね…。
 一方、財界は不満と失望の声が相次ぎ、市場関係者はトリプル安につながりかねないと懸念を表明。そして国民は『あ~またか』と無関心状態…。先進国に上り詰めてから、これ程までに辞任会見に内外から注目を集めなかった内閣総理大臣はこれまでいたでしょうか…。

 まあ、5年間の長期政権を担った小泉元総理とリリーフ前提の福田総理を比較すること自体酷な話ですし、在任中にも年金不信問題など想定外のトラブルが続出したといった同情する面もなかったわけではありませんが、だからといって今のタイミングで政権を放り投げるというのはどうかと思いますし、二代続けて改造内閣がほとんど機能しないまま再びメンバーが入れ替わることで、各省庁の現場の最前線も更なる混乱を招きかねないように思います。
 まあ、辞任してしまったものは仕方がありませんが、少なくとも他国にも迷惑をかけて、日本発世界経済恐慌を起こすことだけは勘弁してもらいたいものだと思いますね。


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