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妊婦搬送:大阪でも19病院拒否、自宅で出産

2007-09-08 13:16:49 | Weblog
妊婦搬送:大阪でも19病院拒否、自宅で出産 06年7月 2007年9月6日
毎日夕刊 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070908k0000m040133000c.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070907i307.htm
産経夕刊 http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070907/jkn070907022.htm
 奈良県橿原市の妊婦(38)が同県と大阪府の計9病院に搬送を断られて死産した問題と同様、大阪市でも06年7月、産気づいた妊婦が19病院に受け入れを断られていたことが7日、分かった。妊婦は、かかりつけの産科がなく、搬送先を探している最中に自宅で出産。母体と新生児は20カ所目の同府内の病院に運ばれ、母子の命に別条はなかった。
 通常のお産では、妊婦は健診のため産科に通い、陣痛が始まった時に運ばれる医療機関は決まっている。橿原市のケースでも妊婦は産科にかかっておらず、消防が受け入れ病院を探した。
 大阪市消防局によると、今回の妊婦は30代。昨年7月24日夜、陣痛が始まり、午後8時11分ごろ、119番通報した。救急隊が駆けつけたが、かかりつけの病院がなかったため、その場で待機し、府内の病院に次々と受け入れを求めた。しかし、19病院に断られた。
 その間、妊婦は救急車内で待機したが、トイレに行くため自宅に戻った際に出産してしまったという。医師や助産師はおらず、救急隊員が介助したという。その後、搬送を受け入れる病院が見つかり、午後10時12分に自宅を出発。16分後に病院に到着した。
 同消防局によると、昨年1年間で産科に搬送されたのは2673人。このうち、かかりつけ病院など搬送先が決まっておらず、119番通報後、受け入れ病院を探したケースは135件あった。同消防局は「約9割は1~3回の依頼で受け入れ先は見つかり、平均すると2・3回。19件も断られたのは特異なケース」と話している。


 自宅出産と病院出産の比率は1955年頃を境に逆転して、今では(自宅出産を強く希望する人を別にすれば)病院等での出産が当たり前になっていますが、1940年代~60年代と異なり、自宅で出産する方法を周囲の家族も知らなければ、近所に産婆さんもいない、しかもかかりつけの産科医がいないために、(逆子になっていないかなど)基本的な診療データーもない中、いきなりの出産では 妊婦さんもそうですが、赤ちゃんを取り上げた救急隊員も冷や汗ものだったのではないでしょうか。
 たまたま正常分娩だったからよかったものの、もしおへそが絡まっていたり、逆子だったりしたら、母子の安全を図ることができたのか、今更ながらにぞっとしますね。

 それはそうと、気になるのは、『かかりつけの病院(産科)がなかった』というくだり。どうも最近はお産のリスクが軽視されているのか、(この妊婦さんがそうだったのかどうかは紙面を読むだけではわかりませんが)最近は、妊産婦検診を受けずに陣痛が来てはじめて救急車で病院に搬送される「飛び込み出産」が増えているのだとか…。
 出産時における母子の死亡率が世界一低くなったのも、勿論出産する時の医療技術の向上もありますが、それ以上に定期診断時の異常の早期発見・治療が大きいと思いますし、おそらくは健康保険が使えずに全額自腹を切らなければならないことから、目先の費用をケチっているのかな…とは思いますが、もっと母体のことを気にかけて欲しいな…などとどうしても考えてしまいます。

 近くでお産ができる権利は勿論重要ですし、これだけ長時間病院をたらい回しにされるのは困りますが、その一方で妊婦さんの方も妊産婦検診に定期的に通って、かかりつけ医に情報を残して出産に備えるという意識(というより自分の身を守る本能)をもっと持って欲しいと言ったら、言い過ぎになるでしょうか……。

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http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007090601000277.html


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