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混合診療の保険不給付は違法、東京地裁判決 厚生労働省は控訴?

2007-11-15 14:18:36 | Weblog
混合診療の保険不給付は違法、東京地裁判決 2007年11月7日
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071107AT1G0701U07112007.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071107it08.htm
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071107/trl0711071530014-n1.htm
 がん治療で保険対象外の治療も併用する「混合診療」を受けた男性が、本来は保険が利く治療分まで給付しないのは違法だとして、国に保険給付を受ける権利の確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁(定塚誠裁判長)は7日、「混合診療を理由に保険適用せず全額を自己負担としたのは違法」と指摘し、男性の請求を認めた。
 国は、保険対象の治療と対象外の治療を組み合わせる「混合診療」の場合、原則としてすべて保険対象外と取り扱っている。こうした運用を違法とする司法判断が出たことで、厚生労働省は混合診療への対応の見直しを迫られそうだ。
 訴えていたのは神奈川県在住の団体職員の男性(60)。男性は腎臓がんの治療のため、2001年9月以降、主治医の勧めで、保険対象の「インターフェロン療法」と保険対象外の「活性化自己リンパ球移入療法」を併用して受けた。

「混合診療」訴訟、舛添厚労相が控訴の方針明らかに 2007年11月9日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071109i204.htm
 健康保険が適用される保険診療と適用されない自由診療を併用した「混合診療」を原則禁止する国の政策を違法とした7日の東京地裁判決について、舛添厚生労働相は9日、閣議後の記者会見で、「基本的な原則は今のところ曲げない」とし、控訴する方針を明らかにした。
 訴訟は、混合診療を受けた場合、医療費が全額自己負担となるのは不当として、神奈川県のがん患者が保険適用の確認を求めたもので、東京地裁は「混合診療を禁止する法的な根拠はない」とする判決を下していた。
 舛添厚労相は、条件により保険適用を認めることを検討したいとの意向も示し、「ケース・バイ・ケースでこういう場合ならいいと判断することを考えてもいいと思う。広く審議会の場などで議論してもらいたい」と述べた。



 う~ん。私には混合診療の問題以前に、先進医療の対象となる治療法と、そうでない治療法の区別自体あまりよくわからない [特別料金部分は保険対象外となり、全額を患者が支払わなければなりません(高額療養費の計算に含めることもできません)が、診察や入院・投薬など通常の保険診療と共通する部分は3割の一部負担金だけで医療が受けられます。]
のですが、今回の裁判の判例だけで、保険適用に対する考え方が全面的に変わることはまずないでしょうし、今回の治療だって贅沢な治療ではなく、症例がガンで、もし他の部位に転移すれば、取り返しがつかなくなる病気だけに、『特例として控訴しない』という選択肢もあったのではないかと思うのですが、なんで厚労省は控訴したんでしょうかねぇ…???(やはり厚労省の意地というやつでしょうか…?)

 ちなみに医師会は、『もし混合診療が認められると、政府が財政難を理由に、現在健康保険で見ている療養までも保険外とする可能性がある』ことや、『もし混合診療が導入された場合には、保険外の診療費用は患者の負担となるため、お金のある人とない人との間で不公平が出る』事などを理由に、混合診療の導入には反対しているようですが、入院が長引けば、その基本部分である診療費だけでもバカにならないわけで…。
 さすがに、インプラントのような、本来の治療にプラスアルファーするものまで保険で面倒見てくれとはいいませんが、入院した時の基本部分くらいは保険で面倒見て欲しいと思うのは、贅沢なことなのでしょうか…。

日本医師会 混合診療Q&A はこちら http://www.med.or.jp/nichikara/kongouqa/qa/02.html


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