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日航OB「年金強制減額なら提訴も」 調整大詰め

2009-11-08 08:22:32 | Weblog
日航OB「年金強制減額なら提訴も」 調整大詰め 2009年11月6日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/1105/TKY200911050540.html
 日本航空の再建を巡り、日航退職者の年金削減問題が大詰めを迎えている。政府が検討している年金減額に、退職者らは強く反発。強制減額には訴訟も辞さない姿勢だ。
 退職者らがつくる「JAL企業年金の改定について考える会」の15人は5日、厚生労働省を訪れ、強制的な年金減額に反対する要請文を長妻昭厚労相あてに提出した。客室乗務員OBの福島隆宏さん(67)は記者会見し、「(政府が強制減額に踏み切るなど)一般的に不当なことが行われた場合は提訴もやむを得ない、というのは常識的な考え方だ」と述べた。
 会が退職者に対し、ウェブサイトで「減額反対」の署名を募ったところ、5日現在で対象者約9千人中4割を超える3740人分の署名が集まったという。
 現行法で日航の年金給付を引き下げるには、現役、退職者それぞれの3分の2以上の同意が必要。さらに引き下げが成立しても、希望する退職者には条件変更前の水準で一括支給しなければならない。政府内では、現行法に基づく限り大幅な年金減額は困難とみて、強制減額できる特別立法の道を探っている。
 日航は事業継続のために11月中に、政府が全額出資する日本政策投資銀行からつなぎ融資を得たい考え。ただ財務省などは4.5%の給付利率を約束する日航の年金には「国民の理解が得られない」として年金減額を求めている。
 5日は関連省庁の副大臣が国土交通省に集まり、日航再建対策本部の第2回会合を開催。さらに国会近くに場所を移し、前原誠司国交相も加わって話し合いを続けた。辻元清美国交副大臣は記者団に対し、来週中に対策本部の方向性を出す考えを表明した。
 また、日航は4日付で最大労組のJAL労働組合に対し、今春にいったん決めた冬の一時金(ボーナス)の減額について協議入りを申し入れた。

日本航空:年金支給額のモデルケース 月額最大48万円 2009年11月6日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091106k0000m010144000c.html
 経営危機に陥った日本航空の年金の支給額がモデルケースで月額最大48万円と、同業の全日本空輸の同31万円を大幅に上回っていることが5日、政府の内部資料で分かった。日航は官民共同出資の「企業再生支援機構」の管理下に入り、公的資金投入を含めた資本増強などによる再建を目指しているが、手厚い年金支給を受けたまま公的資金を投入することに対しては国民の反発も強く、年金減額への圧力が強まりそうだ。
 日航の年金支給額が最大の48万円(うち5万円は本人が掛け金を負担)になるのは、退職金1700万円を選択した場合で、内訳は企業年金が25万円、国民年金・厚生年金が計23万円だった。退職金を最大の3650万円受け取った場合は、年金は公的年金の月額計23万円のみとなる。
 日航の企業年金には現役約1万6000人、OB約8500人が加入しており、年金・退職金債務の積み立て不足が3042億円発生している。
 公的資金投入の前提として、日航は給付引き下げを目指すが、確定給付企業年金法の施行規則では全受給者の3分の2以上の同意が必要で、OBらの説得は難航するとみられる。政府は年金を削減できる特別立法を検討しているが、憲法に保障された財産権を侵すとの見方もあり、ハードルは高い。

日航再建「年金減額が不可欠」 国交相が認識 2009年11月6日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091106AT3S0600F06112009.html
 前原誠司国土交通相は6日の閣議後の記者会見で、日本航空の企業年金の減額に同社OBらが反対していることについて「年金などのレガシーコスト(負の遺産)がカットされなければ会社の存続が非常に厳しい状況であることをトータルに判断してOBの方々も行動してもらいたい」と述べた。日航の経営再建には企業年金の減額が不可欠との認識を示したものだ。
 一方、政府の日本航空再建対策本部は同日朝、日本政策投資銀行など日航の取引金融機関を国土交通省に呼び、つなぎ融資を要請した。
 国交相は記者会見で「憲法で様々な権利を保障されているので、OBの方々が年金(の受給権)を主張されるのは正当な権利」としながらも「会社が大変な状況にあり、現在働いている方々や路線がリストラを余儀なくされる。給料も下がる」と指摘した。日航は5日に国内外16路線の廃止を発表し、大幅な人員削減も検討している。

日航再建、年金減額条件に公的資金 国交省検討 2009年11月7日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091107NT000Y00507112009.html
 国土交通省は6日、日本航空の経営再建を促すための特別立法の概要を固めた。まず日航が企業年金の積立不足相当分を支給額から減額することなどを軸とした経営再建計画を策定。これを強制的に実行できるような特別立法をつくり、同計画を政府が認定したうえで資本増強などで公的資金を投入することを検討する。政府は同法の成立を前提に、当面のつなぎ融資にも応じる見込みだ。
 関係閣僚らが来週初にも調整した上で、来週中にも方針を表明する見通しだ。

日航、年金基金解散も…特別立法で減額 2009年11月7日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091107-OYT1T00174.htm
 公的管理下で再建中の日本航空の企業年金削減を巡り、政府の日航再建対策本部(本部長・前原国土交通相)は来週にも、特別立法などによる年金削減への取り組みを正式に表明する。
 月内に必要とされる最大1800億円のつなぎ融資実行に向け、日航OBを含む「公平な負担」の実現に政府が強く関与する姿勢を打ち出す。
 政府内では、立法措置により企業年金基金を解散させる案などが浮上している。この場合、日航を破綻(はたん)状態と見なし、積み立て不足を穴埋めしなくてもよい条項を盛り込む方向だ。
 基金を解散するには、経営側と労組側で構成する代議員会で4分の3以上の賛成を取り付けるか、基金の継続が困難と判断した厚生労働大臣の命令により行うことができ、OBの同意を得る必要がない。

日航:年金減額、特別立法で 通常国会に提出 国交省方針 2009年11月7日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091107k0000m020132000c.html
 日本航空の再建をめぐり、国土交通省は企業年金の支給額を強制的に減額できるようにする特別立法を目指す方針を固めた。来週開かれる政府の日本航空再建対策本部で提案し、合意を得られれば、10年の通常国会に法案を提出する。
 日航は年金・退職金債務の積み立て不足が3042億円あり大きな負担になっている。支給減額で債務を圧縮したい考えだが、確定給付企業年金法の施行規則では全受給者の3分の2以上の同意がないと実施できない。
 OBなどの反対が強く、同意取り付けのめどが立たない中、「再建に公的資金を使うなら、年金を減額しないと国民の理解が得られない」として特別立法を求める声が政府内で強まっていた。
 年金の減額は憲法で保障された財産権を侵害するとの見方もある。このため、法案では、減額できるのは航空ネットワーク維持という公共目的があり、公的資金を投入する場合に限るなどの厳しい条件を付けるとみられる。また、法案には日航への融資に政府保証を付けられる内容も盛り込む方針。日航は11月中に1000億円近いつなぎ融資が必要で、日本政策投資銀行が政府保証なしでも融資に応じる方向で検討しているが、特別立法が実現すれば、この融資にも政府保証をつける。
 対策本部は、前原誠司国交相を本部長に、内閣府、総務、法務、財務、厚生労働、経済産業、国交省の副大臣で構成。日航再建のため財政支出の判断を求められる財務省が特別立法に積極的だが、年金の受給権を守る立場の厚労省は慎重姿勢で、省庁間の調整は難航しそうだ。





 う~ん。日本航空の年金支給額はモデルケースでも月額最大48万円ですか…(唖然
 ちなみに、生命保険文化センターが発表している、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は23万円、ゆとりある老後の生活費は38万円程度。
 日航OBは『引退した私達の収入は年金だけなんです』とお涙頂戴の会見をやっていましたが、(通常の大企業と比べても高水準と思われる)全日空の31万円と比べて1.5倍以上ならば、全日空レベルまでの引き下げは、たとえ裁判になったとしても(引き下げは)合法とされる可能性が高いと思いますし、場合によっては従業員数百人レベルの大企業並みへの退職金水準への引き下げを検討(但し、本人が拠出した分は当然ながら減額すべきではないと考えます)してもよく、予定利率も2~2.5%(現在の個人年金の利率を考慮すれば、個人的には2%でも高過ぎると思いますが、激変緩和の意味合いと裁判で確実に勝つためにも、まあこのあたりが妥当かと…)程度への減額ならば十分可能ではないでしょうか…。
 国際航空会社の場合は、仮に法的整理となっても会社そのものが消滅することはなく、当面の間飛行機は飛び続け、リストラ計画を打ち出した後、規模を縮小するのが常だけに、OBに対しては『会社が潰れれば、自社年金そのものがなくなるが、それでもいいのか?』という現実を突き付け、最大限の譲歩を引き出すのが、国民の大切な税金を預かる政府としての当然の義務ではないかと思いますし、どうしてもOBの抵抗が激しいのならば、プリパッケージ型破綻といった強硬措置も真剣に検討して良いと思います。

 それにしても、月に48万円も貰っていて、会社が潰れそうだというのに、減額にこれだけ大騒ぎするなんて…。
 退職金も満足に貰えずに解雇された中小零細企業の元従業員や、退職金や賞与さえ貰える保証のない非正規労働者、『1・2万円程度の雀の涙でもいいから、普段から仕事を一生懸命こなしている従業員に賞与を払ってあげたい』と切望していのに、その資金の手当てもできずに頭を抱えている中小零細企業の経営者が聞いたら、本気でブチ切れそうな話だと思います。


1 コメント

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これがJALの正体 (鶴退治)
2009-11-08 11:50:13
昭和40年ごろおやじの給料が5万円の時に知り合いのJALのパイロットが50万円の給料もらっていた。
もちろん、大勢の命を預かっているからという理由がだ。ただし、「会社の命」は二の次ということだったわけだ。

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