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「天洋食品」回収ギョーザ、中国で中毒…現地混入が濃厚に

2008-08-07 20:24:47 | Weblog
「天洋食品」回収ギョーザ、中国で中毒…現地混入が濃厚に 2008年8月6日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080805-OYT1T00896.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080806AT2M0601606082008.html
 中国製冷凍ギョーザ(餃子)中毒事件で、製造元の中国河北省石家荘の「天洋食品」が事件後に中国国内で回収したギョーザが流通し、このギョーザを食べた中国人が有機リン系殺虫剤メタミドホスによる中毒症状を起こして、重大な健康被害が出ていたことがわかった。
 関係筋が5日明らかにした。これまで日中双方の警察当局がそれぞれ自国内でのメタミドホスの混入を否定してきたが、中国国内で同様の事件が発生したことにより、中国での混入の可能性が強まった。
 日本政府は今後、中国公安省に事実確認を要請するとみられ、日中両国の捜査協力がようやく本格化する可能性が出てきた。
 関係筋によると、中国側は7月初め、北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の直前に、外交ルートを通じて、日本側にこの新事実を通告、中国での混入の可能性を示唆したという。
 事件が起きたのは6月中旬。天洋食品が回収した冷凍ギョーザの一部を食べた中国人が中毒を起こし、重大な健康被害が出たという。被害者の人数や症状などは不明だが、千葉県などの事件と同様、ギョーザに含まれていたメタミドホスが原因と特定された。事件後、日本に輸出される前の商品は天洋食品が回収したことになっており、今回、中毒を引き起こした商品が流通した理由やその経路などはわからない。
 中国側の混入の可能性が強まったことで、中国の捜査当局は事故と故意による混入の両面で改めて捜査を急ぐ必要に迫られそうだ。
 冷凍ギョーザ中毒事件では、千葉、兵庫両県の3家族10人が昨年末から今年1月にかけ、天洋食品製造のギョーザで中毒症状になった。中国側は2月末、「原料、生産工程、輸送過程でメタミドホスが混入された状況は見つかっていない」との見方を表明。これに対し、警察庁は、メタミドホスの成分分析の結果、日本国内にはない不純物が検出されたことなどから、「日本で混入された可能性は極めて低い」との見解を示していた。

冷凍餃子中毒、日中首脳会談で捜査協力要請へ 2008年8月6日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080806-OYT1T00500.htm
 中国製冷凍ギョーザ(餃子)中毒事件で、製造元の「天洋食品」(河北省)が事件後に回収したギョーザが中国国内で流通し、有機リン系殺虫剤メタミドホスによる健康被害が出ていた問題で、日本政府は6日、中国政府に詳細な情報提供を求める方針を固めた。
 8日の北京五輪開会式に合わせ、北京で行われる福田首相と温家宝・中国首相の首脳会談でも捜査協力の強化を重ねて申し入れる考えだ。
 外務省幹部は6日午前、中国政府から同国内での被害発生情報の連絡を受けていたことを認めた上で、「(中国が国内でのメタミドホス混入を否定してきた)今までと違う話になってきた」と述べた。政府筋は同日午前、「(中国で混入したと)決め打ちするわけにはいかない。まずは情報提供を求める」と語った。

ギョーザ中毒事件、日中捜査協力の強化要請へ 8日に首脳会談 2008年8月7日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080807AT3S0600X06082008.html
 政府は6日、中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、中国側に捜査協力の強化を働きかける方針を決めた。製造元の天洋食品が回収したギョーザが中国内で流通し、6月中旬に複数の中国人が有機リン系殺虫剤「メタミドホス」の中毒を起こしたことが明らかになったためだ。福田康夫首相は8日に北京で中国の胡錦濤国家主席、温家宝首相とそれぞれ会う予定で、首脳会談を通じて協力強化と早期解決を促す。
 町村信孝官房長官は6日の記者会見で、日中首脳会談で捜査協力の強化を求めるかどうかについて「当然触れる」と述べた。中国外務省は6日、日本経済新聞の書面質問に「中国国内で6月中旬に中毒事件が発生した。公安省が全力で捜査しているところだ」と回答。中国側によると、事件を日本政府に伝えたのは主要国首脳会議(洞爺湖サミット)前の7月初旬という。

中国外務省、ギョーザ中毒認める 天洋食品かは回答せず 2008年8月7日 
朝日 http://www.asahi.com/international/update/0806/TKY200808060327.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080806-OYT1T00736.htm
 中国製冷凍ギョーザの中毒事件に関連して、中国国内で回収された製造元の天洋食品(中国河北省)のギョーザを食べた中国人に中毒症状が出たことについて、中国外務省は6日、朝日新聞の取材に対して、「中国内でも6月中旬、ギョーザによる中毒事件が発生していた」と認めた。しかし天洋食品の製品かどうかについての回答はなかった。
 中国外務省は「中国政府は事件を極めて重視しており、現在、中国公安省が全力を挙げて捜査している」と回答した。事件が発生した場所や被害者数については「捜査中」として答えなかった。
 公安省はこれまで「中国側での薬物の混入はない」として、事実上捜査を打ち切っていたが、真相解明に向けて動き出す可能性がある。しかし、外交筋は「北京五輪が終了するまでは、捜査の進展は期待できない」として、早期の解決には否定的な見方を示した。




 このままウヤムヤにされる可能性が高いのでは…と懸念されていた中国産冷凍餃子農薬混入騒動ですが、今度は『「天洋食品」が事件後に中国国内で回収したはずのギョーザが(一般向けに)流通して、このギョーザを食べた中国人が有機リン系殺虫剤メタミドホスによる中毒症状を起こして重大な健康被害が出ていたことが発覚する』という、全く予想外の形で、事件の続報が入ってきました。
 日本に搬入されていない餃子でも中毒患者が出たことで、メタミドホスの混入は(日本視点だけでなく、第三者の目から見ても)中国で製造されている間に行われた可能性が濃厚になりましたし、工場の生産体制に問題がある疑惑が高まったことで、ことは対日本だけでなく、近隣のアジア諸国の食卓にも深刻な影響と不安を与えることになると思いますが、中国当局は、(どうせ対策を打つとしても五輪の後になるのでしょうが)少しは真剣に動く気になるのでしょうか…。

 それにしても、日本ならば、この手の回収品は倉庫に鍵でもかけて、処分許可が出たら即刻焼却処分するなど、少なくとも横流し?されて、外部に流通するような恥さらしなことは余程のことがない限りまずありえないと信じたいのですが、こういった品物が従業員?あるいは部外者によって簡単に持ち出すことができること自体、会社の体質としてかなり問題があるように思います。
 さすがに天洋食品とまともに取引をしようとする会社は日本は勿論のこと、他の先進諸国や他のアジア諸国もかなり慎重になっていると思いますが、状況が十分に改善しないまま、会社名と経営者だけ変えて再び劣悪な労働環境を復活させる可能性だって否定できないでしょうし、少なくとも食の安全については、日本と中国がWIN-WINの関係になれるためにも、もう少し強く抗議しても良いのではないかと思うんですけどね…。


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