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AIGがサブプライムで1.58兆円の損失 シティは41兆円の資産売却

2008-05-10 17:26:11 | Weblog
米AIG、1-3月最終赤字8100億円・サブプライムで1兆5800億円損失 2008年5月9日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080509AT2M0900G09052008.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080509k0000e020027000c.html
 米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が8日発表した1―3月決算は、最終損益が78億500万ドル(約8100億円)の赤字(前年同期は41億3000万ドルの黒字)だった。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連で152億ドル(約1兆5800億円)の損失を計上したことが響いた。125億ドル(約1兆3000億円)規模の緊急増資の実施も決めた。信用収縮の広がりは銀行大手のほか、保険会社の経営も揺るがしている。
 サブプライムローンの証券化商品が債務不履行(デフォルト)となった場合に投資家に元本を保証する金融保証業務で91億ドルの損失が発生した。運用していた住宅ローン担保証券などの評価損61億ドルも計上。いずれも、担保となる住宅価格の下落が響いた。
 赤字は2・四半期連続。損害保険、生命保険などの本業も不振で、4つある事業部門のすべてが営業損益段階で赤字または減益だった。多額の損失計上を受け、普通株と株式転換権付き証券を合計で125億ドル分発行、自己資本を積み増す。

米シティ:資産41兆円売却へ サブプライム損失受け 2008年5月10日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080510k0000m020163000c.html
 米金融大手シティグループは9日、ニューヨーク市内で投資家向けの説明会を開き、今後2~3年で非採算部門を中心に約4000億ドル(約41兆円)の資産を売却する方針を明らかにした。個人向け金融事業や投資銀行部門など中核業務を除く不採算部門が売却対象になる。
 シティによると、売却対象となる非中核部門の資産は総額5000億ドルで、このうち4000億ドル超を売却し、1000億ドル弱まで圧縮する。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡み損失の膨らんでいる住宅ローン担保証券などの証券化商品のほか、採算の悪化していたリース事業、一部の消費者金融事業など、事業の一部が売却対象となる。日本やメキシコなどの事業も含まれるという。
 3月末時点のシティの総資産は約2兆2000億ドルで、売却する資産はその約2割にあたる。不動産担保融資や消費者金融の貸出残高を大幅に圧縮するほか、事業そのものからの撤退も視野に入れる。従来の多角化路線を転換し、事業の絞り込みとスリム化で生き残りを図る。
 シティはサブプライム問題に絡み、欧米金融機関では最大規模の438億ドル(約4兆4700億円)の累積損失を計上した。2四半期連続で最終赤字に転落しており、株主から抜本的な経営改革を求められていた。
 シティグループは子会社を通じ日本で消費者金融「ディック」を展開している。だが、貸金業法改正に伴う収益環境の悪化を懸念し、昨年1月に有人店舗の約8割に当たる270店の閉鎖など大幅なリストラを表明した。今回の資産圧縮の対象となる可能性がある。




 AIGグループが発表した1―3月決算ですが、最終損益が78億500万ドル(約8100億円)の赤字に転落し、サブプライム関連損失だけで、152億ドル(約1兆5800億円)の損失を計上したことが判明しました。
 1兆円を超えるサブプライム損失といっても、それが米国のサブプライム損失御三家によるものならば、それ程驚かないのですが、さすがに保険会社がこれだけの損失を抱えているというのはショッキングな話ですし、市場が動揺してしまったのも無理ないと思います。
 まあ 日本でも、本業の保険料収入が伸び悩んでいるため、他部門での収益拡大を焦った一部の損保会社で、サブプライム損失が原因で赤字に転落するところが出てきていますが、AIGグループの場合は、その赤字の規模も桁違いですし、アメリカの場合、元々損失を一気に計上する傾向があるとはいえ、さすがにこの規模の損失は、想定外だったのではないでしょうか。
 一方、シティグループも不採算事業を中心に、総資産の約2割程度を売却することを発表。正直私は、こちらの報道については『あ~ シティだし、やっぱりこの程度のリストラはあるだろうな』と見ていたので、それ程の驚きないのですが、これでディックなど日本の消費者金融事業の売却は、余程価格が折り合わないなどの事情でもない限り、確定でしょうか。
 もっとも市場では、約4000億ドル(約41兆円)という売却額の大きさに、改めて信用収縮の大きさを感じているようです。


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