①30日未明発生の地震の震央位置図 気象庁HPより引用
きょう30日02時48分ころ地震がありました。
震源地は、南太平洋(南緯15.3度、西経171.0度)で、地震の規模
(マグニチュード)は8.3と推定されます。
この地震で、サモア等アピア で 0・7m 米領サモア パゴパゴ で1・6mの津波を観測した模様で、日本でも、30日午前9時、気象庁より、北海道太平洋沿岸東部、北海道太平洋沿岸中部、北海道太平洋沿岸西部、青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県九十九里・外房、千葉県内房、伊豆諸島、小笠原諸島、相模湾・三浦半島、静岡県、愛知県外海、三重県南部、淡路島南部、和歌山県、徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県東部、
種子島・屋久島地方、奄美諸島・トカラ列島、沖縄本島地方、大東島地方、宮古島・八重山地方 の各海岸に 津波注意報が出されました。(引用図②)
②30日9時気象庁発表の津波注意報発表図 気象庁HPより引用
津波は高いところで約50㎝程度と予想されましたが、30日昼過ぎに、宮城県石巻で22cmを観測した程度で済み、被害も皆無でした。
波と呼ばれるもの(海の波ばかりでなく、地震波や音波なども同様ですが) その周期が増すほど波としてのエネルギーは大きくなり、減衰しにくく、遠方まで伝播するようになるものですが、津波は、海底で地震発生時に海底が変動することで、発生します。そして、その海底の変動がゆっくりした変動で、かつ、広範囲に及ぶほど(地震発生の地殻の変動がゆっくりであり、かつ、広範囲に及ぶほど と言い換えられますが)、当該地震で発生する津波の周期は長いものとなり、かつ、より遠方まで、減衰せずに伝播するようになるものです。その結果、地震発生時の地殻変動で、地形や建造物に影響をおよぼせにくい、非常に周期の長い地震波が卓越しても、当該地震発生を受けての震央付近の海底の変動は広範囲であれば、凄い波高の津波が広範囲に伝播するようになってしまいます。発生する津波の周期も非常に長いものとなるからです。
こういう、非常に波高の高い津波を発生させるが、地震動の被害が比較的少ない地震を、津波地震 と呼んでいます。
通常の津波でも、およそ1000km程度伝播しても、ほとんど減衰しないもので、波としての周期が大きい分、波の立ち上がりは高く、波が崩れて陸に押し寄せる距離(遡上高)も、一般の波と比較すると大変に長いものとなります。
ですから、津波は、波高が高くなくても、油断は禁物! 波としてのエネルギーが大きい分、その継続時間も長く、繰り返し何波も海岸に押し寄せてくるものです。