カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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16日昼過ぎ 関東で強い地震 最大震度5弱を観測!

2014-09-16 23:59:11 | 日記

引用図は、9月16日12時28分に茨城県南部で発生した地震の震央と関東地方周辺各観測地点震度分布図です。地震予知振興会HPより引用

16日12時28分頃、震源地は茨城県南部(北緯36.1度、東経139.9度)で、 震源の深さは約50km、地震の規模(マグニチュード)は5.6と推定される地震がありました。

この地震で、 震度5弱を

<栃木県>佐野市亀井町 佐野市葛生東 下野市田中

<群馬県>前橋市粕川町 伊勢崎市西久保町 太田市西本町 千代田町赤岩 大泉町日の出 邑楽町中野 みどり市大間々町

<埼玉県>熊谷市江南 加須市下三俣 加須市騎西 加須市大利根 本庄市児玉町 深谷市岡部 久喜市下早見 埼玉美里町木部 で観測し、

他、関東地方1都6県と、山梨県、長野県までの、広範囲に及ぶ所々で、震度4を観測しています。

この地震は、関東平野の地下では、関東平野が載っている北米プレートの下側に、伊豆諸島や伊豆半島などが載っているフイリピン海プレートが沈み込み、さらにその下側に、太平洋プレートが沈み込んでいますが、この、北米プレートの下側に沈み込むフイリピン海プレートとの境界部分で発生した地震であると思われます。

今回、地震が発生した、茨城県南部地域の地下での、北米プレートの下側に沈み込むフイリピン海プレートとの境界部分(地下およそ50㌔〜60㌔程度)では、過去にも、今回の地震と同程度の規模の地震は頻繁に発生しており、いわば、地震の巣といえる地域でもありますが、18年前の、平成8年12月には、マグニチュード6・0のやや大きな地震も発生しており、この時の地震では、茨城県や栃木県、群馬県の一部で、震度5弱以上を観測しています。

さらに、今回の地震のような、茨城県南部地域の地下での、北米プレートの下側に沈み込むフイリピン海プレートとの境界部分で発生する地震は、北米プレートとフイリピン海プレートとの境界部分出の地形的特性を受けて、当該地震に伴う揺れは、震源から北西方向へ強い揺れが広がる特性があり、今回の地震でも、このことが如実に表れていますね。


各地で記録的豪雨 水蒸気画像の形状に注目!

2014-09-11 12:44:40 | インポート

?9月11日9時の天気図 気象庁HPより引用

②9月11日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用 ・加工

③9月11日9時の日本付近 日本付近レーダーアメダス合成図 気象庁HPより引用 ・加工

日本海北部をゆっくりと東進する上空に寒気を伴った低気圧と、暖湿流との影響で、昨日より、北海道から南西諸島までの所々で、雷を伴った 激しい雨に見舞われています 。

特に、北海道南部の胆振地方では、一昨日夜遅くから昨日にかけて、所によっては600㍉を超す降水量を観測していますし、昨日は、東京23区などでも、夕方から夜にかけて、一時間に70㍉~100㍉もの、猛烈な雨に見舞われました。

更に、昨日夜遅くから今日朝にかけて北海道胆振地方や石狩地方、空知地方では、所によっては1時間に90㍉をこす 猛烈な雨に見舞われ、他、宮城県沿岸部や大阪府北部でも、本日未明に、1時間に90㍉から100㍉もの猛烈な雨が降りました。

このため、11日9時現在、北海道の 石狩地方 胆振地方全域や、空知地方の一部には、大雨特別警報が発表されております。

こういった局地的に降る豪雨ですが、ピンポイント的に正確に予測することは、現在でも非常に難しいものですが、こういった豪雨が降りやすいと推測される地域については、私自身、水蒸気雲画像の画像の形状に注目しております。

水蒸気画像上で、白く、糸状に反映される画像域に沿って、雨雲が発達しやすいと。さらに、当該糸状画像域が合流している地域では、雨雲が一層発達しやすいといえますね。この根拠ですが、水蒸気画像上の糸状画像域は、中層(上空およそ3000mあたり)で上昇流(周辺より特に湿っている)となっている地域であり、この地域の下層で、地形的特性などの影響で気流が収束し上昇した気流を、中層で引っ張りあげる働きをするためですね。

それでは、引用図②をご覧ください。

引用図②内、記録的な豪雨に見舞われている、北海道胆振地方や石狩地方周辺では、水蒸気画像で、糸状画像域が幾重にも南東~北西方向と、南~北方向へ連なって双方が合流した地域に当たります。

ほか、本州上には、記号A B C D の顕著な糸状の画像域が見られますが、引用図②③比較すると、引用図②の記号A B C D の顕著な糸状の画像域に対応して、レーダーエコー合成図上では、所々に発達したエコー(雨雲)が見られます。

私自身、本ブログ内で、雲画像図は気象のレントゲン写真と呼んでおりますが、大雨時には、水蒸気画像が頼りですよね。さしあたり、水蒸気画像は、大雨時のCT画像になりうるといっても過言ではないと思いますよね