日本時間で22日9時過ぎ(現地時間で22日午後)に、南半球にある、ニュージーランド、クライストチャーチ付近で発生した地震(震源地はクライストチャーチ付近で、震源の深さ約5㎞、地震のマグニチュードは6・3)ですが、時間が経つにつれて、被害は深刻なものであることが判明しつつあります。
ニュージーランドは、日本列島と酷似する地形で、火山、温泉もあり、風光明媚なことから、日本からの観光客や、留学される方々も多く、現地では、日本人の多数の方の安否が確認されていないとのこと。大変、心配に思いますよね。同じ日本人として。
さて、今日の昼のNHKニュースで、地震発生時のクライストチャーチのとあるコンビニの画像が映し出されていましたが、よく見ると、まず、最初の大揺れが来て、商品の陳列物が一部落下しましたのち、その大きな揺れが2秒ほど続いた後、まるで、振り子が共振すごとく、凄まじい揺れとなり、商品陳列物がほぼ落下し、店内が停電した様子を目にしました。
この揺れ方、16年前の、あの、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)発生時の、とある神戸市内のコンビニの映像に極めて似ていましたね。
今回のニュージーランド地震でも、震源地のほぼ真上にある、クライストチャーチでは、地形的に軟弱層が堆積している地盤の悪い地域であるため、地震波が増幅したとこと、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の神戸市内と同様に、地震の揺れ方(地震波の周期)が建造物と共鳴(共振現象と言います)して、揺れが凄まじくなり、大被害に結びついたと言えそうです。
地震のマグニチュード6・3で、震源の深さ約5㎞と言うと、震源の真上の地域では、東京都内山手の台地の地盤の堅さであり、地震の固有周期(地震で一番多く発生した地震波の周期のことです。平たく言えば自身の揺れ方といえるでしょう。)地震の固有周期が大きい(小さい)程、当該地震の揺れ方はユッタリとした(ガタガタと小刻みに)揺れ方となります。)が0・3秒程度の場合、地震の加速度(瞬間的な揺れの強さ)415ガル程度で、おおむね6弱程度の揺れとなりますが、 ※ここからNHKニュースより引用 今回の地震では、ニュージーランドのクライストチャーチ近郊で起きた地震では、クライストチャーチの市街地にある観測点では、揺れの強さを示す「加速度」は、水平方向で400ガルから最大でおよそ680ガルに達していて、はじめに周期が0・5秒程度の小刻みな揺れが到達したあと、1秒から1・5秒程度の揺れが続いたということです。※ここまでNHKニュースより引用
地震波の周期がおおむね0.7秒以上になると、建造物の固有周期と共鳴(共振現象)となりやすく、特に、周期1秒程度の地震波が持続すると、建造物の共振現象は一層顕著となり、大きな被害を引き起こします。
この、地震波の、周期1秒程度の部分を、建造物にダメージを及ぼしやすいことから、キラーパルス(殺人的な地震波の周期の幅と言うのが直訳になりますかね)と呼ばれています。
過去に大きな人的被害をもたらした地震ですが、1995年兵庫県南部地震の神戸市内や、2004年新潟県中越地震の川口町や長岡市、それに、2005年の福岡県西方地震の福岡市内等で、顕著な キラーパルスが確認されています。
キラーパルスが顕著になるか否かですが、地震発生時の地殻の変動が比較的ゆっくりとしたものであったり、複数個所で地殻変動があって、一つの地震を発生させる場合(兵庫県南部地震が典型的なものです)に、キラーパルスが顕著になりますね。
さらに、地震の規模が大きくなるほど、より複数個所で地殻変動があって周期の長い地震波を発生させやすくなりますから、キラーパルスも顕著となり易くなります。
また、軟弱な地層が地層が厚く堆積されている地域であったり、地形的に谷間になっている地域、山地の斜面の堆積物が堆積している箇所では、地震波の伝播速度が低下したり、地震波同士が屈折したりして、地震波が増幅しやすくなり、地震の卓越周期や継続時間も長くなる傾向がありますから、より、顕著に、キラーパルスが発生しやすいと言えますね
来るべき東海地震や、宮城県沖地震も、複数の地殻変動で一つの地震を発生させるメカニズムと考えられますから、この、キラーパルス発生には、充分に警戒しなければなりません。