①8月23日6時の天気図 気象庁HPより引用
23日は、前線が本州上を南下し、上空には寒気も流れ込んできたため、本州の所々で雷を伴なった強い雨が降りました。
特に、23日5時から9時頃にかけて、近畿中部では雨雲が非常に発達し、23日7時までの1時間に、大阪府や奈良県の一部では、100ミリ以上と推定(レーダーアメダス解析雨量図の解析によります)される、局地的豪雨となりました。
この豪雨のため、大阪府や奈良県の一部では、鉄道のダイヤの乱れ等が生じました。
この豪雨は、
1・本州上にかかる前線の伴う雨雲の一部が、大阪平野周辺の地形的特性により、大阪平野上では北西~北~北東の風向になっている反面、大阪湾沖合いでは南西風となっていたため、この、相異なる風向同士がぶつかり合う、気流のシアーライン(不連続線)が発生しているところへ差し掛かり、当該雨雲自体、その活動を活発化させしめられたこと
と
2・大阪府と和歌山県境にある和泉山地や奈良県の紀伊山地北縁で、前線南側の暖湿流が収束(この収束は、暖湿流が、山地の風上から山地に吹き付けて、強制上昇することのみではありません、当該、和泉山地北縁や奈良県の紀伊山地北縁を暖質流が通過する際に、気流同士が収束したことも含まれています。暖湿流は地表付近のみに分布している訳ではありませんよね。上空数百メートル辺りまで暖湿流が及んでいるはずです。)して、帯状に雨雲が活発化したこと であると思われます。
まず、
②8月23日6時のアメダス近畿地方周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用
と
レーダーアメダス解析雨量図③8月23日6時 ④8月23日6時30分 ⑤8月23日7時 ③④⑤とも、気象舎(長野県軽井沢在住気象予報士、西村隆 さん主宰)ホームページより引用
③8月23日6時
④8月23日6時30分
⑤8月23日7時
をご覧ください。
引用図②より、23日6時現在、前記したシアーラインが大阪平野中央部かた大阪湾へ延びていることが解ります。
そして、引用図③より、兵庫県南西部にある発達した雨雲に注目です。この雨雲は東進していますが、引用図④⑤より、23日6時30分には、前記した大阪平野方大阪湾のシアーライン上に差し掛かり始めると、急激に発達し始め、23日7時には、更に発達し、この雨雲のしたでは、1時間当り80ミリ以上もの猛烈な降水を観測しています。
実は、大阪平野か京都盆地にかけては、前線が日本海から南下してくたり、西から寒冷前線が通過する際(特に夜間~明け方に多いですが)に、今回のような局地的な大雨に見舞われやすいものですね。大阪湾や紀淡水道からの気流が優勢なほど、大雨の発生区域は京都盆地周辺へと移行します。そして、平野に集中して降水量がまとまる癖がありますね。
平成6年9月7日未明に、大阪府北部で1時間に100ミリを超す豪雨に見舞われて、大阪空港が麻痺状態となりましたが、この手の大雨によるものです。