カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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前線活動活発 各地で大雨

2007-08-30 11:57:18 | インポート

①8月30日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月30日21時の予想天気図

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前線が本州上に停滞して、南海上より暖湿流も前線に向かって入り込み、前線の活動も活発となっています。

昨日から、本州の所々で大雨となり、特に、長崎県の対馬では1時間に80ミリを超えて、降り始めてからの総雨量が400ミリ以上となって箇所もあります。

引用図②より、引用図①で、対馬付近にある前線上の低気圧は東進し、30日21時には、山陰沖に達する予想です。そして、前線自体、少しずつ、北上する見込みですね。

このため、今後、あす31日にかけて特に雨の強くなる区域は、山陰地方や近畿北部、北陸地方へと移動してきそうです。

また、前線自体北上して、南海上からの暖湿流が、太平洋側にもより一層入り込みやすくなります。このため、東海から九州までの太平洋側や京阪神地域なども、大雨に充分注意する必要があります。

これらの地域では、今回と同様な気圧配置の場合、特に夜間から朝方にかけて、内陸部で形成される陸風と、海上からの暖湿流とがぶつかり合い、沿岸部で局地的に雨雲が急激に発達しやすくなる地形的特性があります。このことに留意し、風向風速分布や雨雲動向に気を配る必要がありますね。


28日は 本州を前線南下 各地で大雨 東京でも夕刻に強雷雨

2007-08-28 23:36:58 | インポート

①8月28日18時の天気図 気象庁HPより引用

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28日は、前線が本州上を南下しました。

この時期、北から南下する前線の通過時には、強い雨や雷となりやすいと言うことを本ブログでも紹介しました。が、この定石通り、東北日本海側や北陸、山陰地方を中心に所々で雷を伴なった激しい雨が降りましたね。

東京でも、28日19時頃から23区西部や多摩東部を中心に雷を伴なった強い雨となり、所によっては1時間に60ミリを超す猛烈な雨に見舞われ、落雷も多発し、交通機関に一部乱れが生じました。

今回は、この、東京周辺の強い雷や激しい雨について解説してゆきましょう。

②8月28日18時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③8月28日18時のレーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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④8月28日19時のレーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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⑤8月28日20時のレーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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引用図①より、28日18時現在、前線が関東北部にかかっています。、引用図③より関東平野には、鹿島灘方面からは北東風が吹きつけています。一方、関東南部からは南より風が吹き込んでおり、埼玉南部から東京23区西部から多摩東部、それに神奈川県中部にかけて、風向の不連続部分(シアーラインと呼んでいます)が見られますね。

引用図③④⑤より、前記した風向の不連続部分(シアーライン)上で、28日19時から20時にかけて、雷雲が急激に発達し、強い降水をもたらしたことが読み取れます。

このように、関東地方では、大気が不安定時に、鹿島灘方面からの気流と関東南部沖合からの気流とが関東平野南部でぶつかり合い、風向の不連続部分(シアーライン)を形成している場合、当該、風向の不連続部分(シアーライン)付近で雷雲が急激に発達しやすい癖があります。

この点、防災上、看過するべき点ではないようですね。同様な気象条件の時に、東京都心部などで、局地的に集中豪雨を何度も引き起こしています。


23日明け方 大阪府や奈良県北部で局地的豪雨

2007-08-23 23:12:59 | インポート

①8月23日6時の天気図 気象庁HPより引用

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23日は、前線が本州上を南下し、上空には寒気も流れ込んできたため、本州の所々で雷を伴なった強い雨が降りました。

特に、23日5時から9時頃にかけて、近畿中部では雨雲が非常に発達し、23日7時までの1時間に、大阪府や奈良県の一部では、100ミリ以上と推定(レーダーアメダス解析雨量図の解析によります)される、局地的豪雨となりました。

この豪雨のため、大阪府や奈良県の一部では、鉄道のダイヤの乱れ等が生じました。

この豪雨は、

1・本州上にかかる前線の伴う雨雲の一部が、大阪平野周辺の地形的特性により、大阪平野上では北西~北~北東の風向になっている反面、大阪湾沖合いでは南西風となっていたため、この、相異なる風向同士がぶつかり合う、気流のシアーライン(不連続線)が発生しているところへ差し掛かり、当該雨雲自体、その活動を活発化させしめられたこと 

と 

2・大阪府と和歌山県境にある和泉山地や奈良県の紀伊山地北縁で、前線南側の暖湿流が収束(この収束は、暖湿流が、山地の風上から山地に吹き付けて、強制上昇することのみではありません、当該、和泉山地北縁や奈良県の紀伊山地北縁を暖質流が通過する際に、気流同士が収束したことも含まれています。暖湿流は地表付近のみに分布している訳ではありませんよね。上空数百メートル辺りまで暖湿流が及んでいるはずです。)して、帯状に雨雲が活発化したこと であると思われます。

まず、

②8月23日6時のアメダス近畿地方周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

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レーダーアメダス解析雨量図③8月23日6時 ④8月23日6時30分 ⑤8月23日7時 ③④⑤とも、気象舎(長野県軽井沢在住気象予報士、西村隆 さん主宰)ホームページより引用

③8月23日6時 11_4

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④8月23日6時30分

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⑤8月23日7時

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をご覧ください。

引用図②より、23日6時現在、前記したシアーラインが大阪平野中央部かた大阪湾へ延びていることが解ります。

そして、引用図③より、兵庫県南西部にある発達した雨雲に注目です。この雨雲は東進していますが、引用図④⑤より、23日6時30分には、前記した大阪平野方大阪湾のシアーライン上に差し掛かり始めると、急激に発達し始め、23日7時には、更に発達し、この雨雲のしたでは、1時間当り80ミリ以上もの猛烈な降水を観測しています。

実は、大阪平野か京都盆地にかけては、前線が日本海から南下してくたり、西から寒冷前線が通過する際(特に夜間~明け方に多いですが)に、今回のような局地的な大雨に見舞われやすいものですね。大阪湾や紀淡水道からの気流が優勢なほど、大雨の発生区域は京都盆地周辺へと移行します。そして、平野に集中して降水量がまとまる癖がありますね。

平成6年9月7日未明に、大阪府北部で1時間に100ミリを超す豪雨に見舞われて、大阪空港が麻痺状態となりましたが、この手の大雨によるものです。


寒冷前線本州を南下 東北や北陸などで大雨 関東は定石通りフェーン昇温で館林38・7℃ 東京で37℃

2007-08-22 23:48:17 | インポート

①8月22日15時の天気図 気象庁HPより引用

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昨日の記事で紹介したように、22日は寒冷前線が東北地方を南下しました。

このため、東北から北陸、東海、近畿、中国、九州西部などで、雷を伴なった強い雨がふり、鉄道などの交通機関に乱れが生じました。

一方、前線の南側に入った関東地方では、22日日中、夏空が広がり、定石通りの、関東山地や中部山岳の山越えの気流がフェーン現象を起こして気温が著しく上昇し、最高気温が、群馬県館林で38・8℃、東京都内練馬で38・2℃、東京(気象庁のある千代田区大手町)でも37・0℃を観測しました。

ちなみに、東京では、本年7回目となる猛暑日となったわけです。

②8月23日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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前記した寒冷前線は本州上を南下中ですが、引用図②より、23日には関東地方から中部地方、近畿地方を通り山陰地方あたりへ達する予想です。

引き続き、前線に向かって南海上より暖湿流が流れ込み、上空には寒気もはいってきますから、当該前線付近では、大気が非常に不安定で、強い雨や雷があちこちで発生しそうです。

今後の雨の振り方には気をつけましょう!

なお、関東地方では、23日は、予想最高気温は30℃前後と、22日よりぐっと下がりそうですが、湿度が非常に多く、体感的には大変蒸し暑く感じそうです。


要注意!22日は北から寒冷前線南下

2007-08-21 23:46:59 | インポート

①8月21日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月22日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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連日、厳しい暑さが東北南部以西で続いていますが、北から寒冷前線が南下してきました。

以前、本ブログで、夏季、北から南下する寒冷前線は、短期間強雨や強い雷を引き起こすと書きました。当該寒冷前線の前面には暖湿流が流れ込むことと、上空には、寒気が入ってくるためです。

引用図②より、22日日中に、東北地方を南下し、夜には関東北部へ接近する予想です。

また、このことも本ブログで紹介したように、この寒冷前線のように、前線の南側に太平洋高気圧が広く張り出している場合、当該前線に流れ込む暖湿流も広範囲に及ぶため、この寒冷前線に伴う雨雲は、南側(太平洋高気圧の張り出す方向)へ、帯状に幾重にも広がり、こういった雨雲の下側で、強い雨や雷が発生するものです。

地形的特性も加わる、東北地方日本海側や北陸地方、東海地方や近畿地方南部、四国地方や九州地方西部など、大雨となりやすいですね。

今後の情報には要注意です!