カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東地方(特に南部)では、急な雨や雷にご用心!

2008-10-27 12:03:17 | インポート

①10月27日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月27日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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10月27日は、先日、先々日と天気に恵まれなかった関東地方でも、朝から青空が広がっています。

が、油断はできません。

これから本州上空を気圧の谷が通過し、27日夜には関東地方上空へ達しそうです。オハイオ州立大学HPより、27日9時現在、この上空の気圧の谷付近では、上空5500m付近で-20℃以下となっていますが、関東地方上空1500m付近では7℃程度(湿度66%)とやや湿っており、上空5500m付近と1500m付近との気温差も27℃程度とかなり差があり、大気が不安定であることがわかります。

さらに、関東地方周辺の地表付近では、27日11時現在、静岡県周辺から伊豆諸島北部では西~南西風ですが、鹿島灘方面からは東~北東風が吹き込んで、双方の気流が関東地方南部で収束しかけている状態となってきました。今後、この気流の収束部分に雷雲が発生・発達すると見られます。

これから、27日夜をピークに、関東地方(特に南部)では、雷を伴なった急な雨にご用心!雨脚が強まる地域もありそうです。雨具は忘れずに!


これから24日にかけて、北海道から四国までの広範囲で大雨の恐れ

2008-10-23 23:51:59 | インポート

①10月23日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月23日21時の日本全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③10月23日21時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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④10月24日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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西から低気圧や前線を含む深い気圧の谷が本州付近に接近してきています。

本州の南海上からは、南東風と南西風とになって暖湿流が大量に流れ込んでいます。

引用図②より、日本付近上空1000m~2000m付近では、南東風と南西風との風向の不連続部分があり、引用図③より、当該風向の不連続部分付近で雨雲が特に発達している様子がわかりますね。

今後、気圧の谷の東進に伴って、暖湿流内の風向の不連続部分(南東風と南西風)は東へ移動し、強い雨の区域も東へと進んできそうです。

南海上から暖湿流が流れ込む場合の大雨になる条件として

<1>南海上からの暖湿流の風向・風速の不連続部分がある。

<2>暖湿流の流れ込んでくる方向に開いた山の斜面での暖湿流の強制上昇(山地を気流が這い上がるケースばかりでなく、標高の高い山地の縁に暖湿流の一部が接触することで、上昇気流となるケースも含みます。)がある。

<3>内陸部に滞留する相対的に気温の低い気流との衝突がある。

以上<1>から<3>までの条件をひとつでも多く満たすと、より一層大雨の発生確率は高まりますが、今後24日にかけて、

1>と<2>を満たす地域・・・・・北海道から東北太平洋側、間東北部山間部、神奈川県西部からし甲信越南部、東海地方南部、紀伊半島、四国東部や中部など。

<1>と<3>をみ満たす地域・・・・・関東地方沿岸部から東海地方沿岸部、紀伊半島南東部沿岸 大阪湾周辺から紀伊水道沿岸地域、高知平野周辺

が挙げられます。

こう見ると、これから24日にかけて、北海道から四国までの広範囲で大雨となる可能性がありますし、特に東海地方や紀伊半島、四国にかけては、一層大雨となる可能性が高いと言えます。

今後の気象情報と雨の降り方には注意し、早めの対策をなさってください!


20日夜 静岡県東部や伊豆で時ならぬ強い雨

2008-10-20 23:56:41 | インポート

①10月20日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月20日21時の東海地方周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③10月20日21時の東海地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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④10月20日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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10月20日は、全国的に秋晴れとなりましたが、引用図④に着目です。九州付近上空5500m付近には気圧の谷があって東進中であることがわかります。

こういう上空の気圧の谷は、雲画像図上で帯状やコンマ状(大気が不安定な場であるほどコンマ状で表現されますね)の雲の集団(地表付近まで上昇流の場となっていなければ、薄い雲として表現されます。)として表現されるものですが、当該上空の気圧の谷が東海地方周辺上空へと接近してきた20日夜には、引用図②③より、静岡県東部から伊豆地方周辺での気流の不連続部分(シアーライン)付近に強い雨雲が発生してしまいました。

静岡県東部の一部地域では1時間に30㎜を超す降水量となった地域もあり、時ならぬ強い雨に見舞われてしまいましたね。

今回のように、本州付近が高気圧に覆われていても、上空の気圧の谷があれば、当該気圧の谷の進行方向では要注意!地表と上空(5500m付近)との気温差が大きく地表付近にシアーラインが発生していれば、当該シアーライン付近で雨雲がまとまって、時ならぬ強い雨をもたらすことがあります。


14日は、四国沖に低気圧発生 

2008-10-14 00:39:43 | インポート

①10月13日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月13日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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10月13日は、本州を移動性高気圧が覆ったため、秋晴れとなって箇所が多くなりました。

が、引用図①より、九州の南では等圧線がへこんできました。(低圧部が出来てきました。)また、引用図②より、朝鮮半島周辺で、お椀をかぶせたような ⌒ 型の雲が現れて、本州南海上から四国や九州周辺へ点々と輝く雲が帯状に分布してきました。

これらは、上空の気圧の谷が、西から本州付近へ接近してきて、本州南海上から、四国や九州周辺へ暖湿流が大量に流れ込んできたことを暗示するものです。

こうなると、低気圧の常襲発生地点である四国沖に低気圧が発生する兆しであり、当該低気圧、14日に本州南岸を東進しそうです。

移動性高気圧の後ろ側では、以上述べたような、上空の気圧の谷を示す雲や,当該移動性高気圧の後縁辺に分布する雲の動向に注意!当該移動性高気圧の後縁辺に点々と白く輝く雲が帯上に分布する場合は、本州南岸(四国沖、紀伊半島沖がメイン、移動性高気圧が関東付近から見て北へ偏っている場合など、東海沖に発生することも多いですね。)で発生し、東進する低気圧は、強い雨をもたらしますので、この点、注意されたし!ですね。


勢力の強い高気圧の後は強い雨にご用心!

2008-10-05 13:12:38 | インポート

①10月5日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月5日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③10月5日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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本州の南半分では、高気圧に覆われて、さわやかな秋の晴天が続きましたが、天気は下り阪となっています。

5日は、低気圧が九州へ接近してきたため、西日本の各地では雨が降っている箇所が多くなってきました。

それにしても、台風15号が本州の南海上を東進した後、1日より関東以西の各地では好天が続きました。今回の好天は、本州の南半分を高気圧が勢力を強めつつ覆ったためですが、勢力の強い高気圧の後ろ側では、決まって、強い雨が降りやすいものですね。これは、高気圧の後ろ側では、当該高気圧の勢力が強いほど、高気圧の縁を廻るようにして、南海上から暖湿流が大量に入りやすくなってくるためです。

引用図②より、九州の南海上に注目!南東~北西方向へ走るひときわ白く輝いた雲の帯が現れています。この地域に、高気圧の縁を廻るようにして南海上から暖湿流が大量に流れコ込んでいる様子を示すものです。

今後、1日午後から2日にかけては、引用図③より、低気圧が本州の南岸を北東方向へ進むため、紀伊半島や四国東部や南部、九州南部では、強い雨が降る恐れがあります。今後の雨の降り方には注意しましょう!