引用図は、10月28日18時の天気図です。気象庁HPより引用
28日は、本州の南半分では、一見、高気圧に緩やかに覆われていますが、実は、上空には、西から気圧の谷が進んできたため、28日日中に、低気圧発生多発地帯の催告沖には低気圧が発生し、本州の南岸では、天気がぐずついた地域もありました。
本ブログでも、1月21日の記事でも紹介したように、日本列島には、地形的に低気圧が発生しやすい場所があることはお話ししました。当該、低気圧が発生しやすい場所は、地形的に気流が集まりやすい場所、特に、海上からの気流と陸側からの気流がぶつかりやすい場所であると言えますね。
さらに、前記した、低気圧多発地帯に低気圧が発生する場合、上空には気圧の谷が西から進んできて当該気圧の谷の前面に入っていたり、雲画像では、対応する低気圧や前線がなくても前記した低気圧多発地帯に雲が存在していて、その雲が時間を追うごとにまとまって北に盛り上がるようになってくれば、その場所に、低気圧は発生すると見て間違いありません。
その様子を、①28日9時のAXFE図(日本気象予報士会HPより引用 ※西から本州に向かって、上空では気圧の谷が本州付近に西から接近している様子がわかります。) ②28日3時の天気図(気象庁HPより引用) ③28日3時の日本付近赤外雲画像図(気象庁HPより引用) ④28日15時の天気図(気象庁HPより引用) ⑤28日15時の日本付近赤外雲画像図(気象庁HPより引用)をご覧いただきましょう。
以上、引用図をご覧いただいてお解かりのように、28日は、西から上空の気圧の谷が本州上へ進んできており、28日3時には、四国沖には、本州東海上の高気圧の縁を廻るように流れ込んできた湿った気流によって発生したと推定される雲がありますが、28日15時にはその雲がまとまりつつ北に盛り上がり、低気圧が発生して、天気図上に解析された様子がわかります。
このように、雲画像は実況を把握するのに、実に重宝なものです。言ってみれば、天気予報では、雲画像は、レントゲン写真 のような存在ですね。