カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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30日は最高気温群馬館林で29・6℃を観測 あす1日は広範囲で強風や大雨。

2007-04-30 23:57:07 | インポート

①4月30日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月30日9時のAXFE578図(日本気象予報士会HPより引用)

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③4月30日15時のアメダス関東周辺気温分布図(気象庁HPより引用)

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④4月30日15時のアメダス関東周辺風向風速分布図(気象庁HPより引用)

30日は高気圧に緩やかに覆われ、風も弱く穏やかにましたが、この高気圧、引用図②より、この高気圧、上空まで勢力が及ぶ背の高い高気圧で、上空まで気温も高目となっています。

このことと、引用図③④より、関東地方では、日中、海上から吹き込む海風が、関東西部山間部と、関東北部山間部で地形的に低圧部(反時計回りの風の流れですよね)を発生させています。この2つの低圧部の間に入った、埼玉県北部~群馬県南東部にかけて、(下降気流で昇温したと考えれれます。)特に気温が上昇し、最高気温が群馬県館林では29・6℃となり、熊谷や前橋でも28℃をこえました。気象庁のある東京大手町でも最高気温25・8℃と本年一番高い気温を観測しています。

まさに、ビールがうまく感じる1日でしたね(笑)

関東地方が背の高い高気圧に覆われて、日中気温が上がる際に、埼玉県北部~群馬県南東部が前記した下降気流のため、特に気温が上昇することは、いわば、定番 と言っていいでしょう。

さて、あす5月1日の天気はどうでしょうか?引用図⑤5月1日9時の予想天気図(気象庁HPより引用)をご覧ください。

⑤5月1日9時の予想天気図

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引用図⑤より、低気圧が発達しながら、朝鮮半島へ進んできて、この低気圧から延びる前線が西日本にかかってくる予想です。

引用図にはありませんが、1日9時以降、前線が閉塞している四国付近に別の低気圧が発生し、この低気圧周辺で雨雲が発達して、本州南岸を東進するでしょう。

これらの低気圧や前線の前面には勢力の強い高気圧があり、この高気圧の後面を廻るようにして、南海上から暖かく湿った気流が大量に流れ込んできそうです。

このため、関東以西の太平洋沿岸を中心に大雨となる恐れがありますね。また、本州付近は等圧線が混んできますから、全国的に風も強まりそうです。

5月1日メーデーは、荒れ模様の1日となってしまいそうですね。

皆さん!今後の情報には注意しましょう!


27日は日中東北で暴風のところも あす28日は全国的に不安定な空模様

2007-04-27 23:57:28 | インポート

①4月27日12時の天気図(気象庁HPより引用)

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②4月27日9時のAXFE578図(日本気象予報士会HPより引用)

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25日の記事の続きですが、26日夕方から東北地方や関東地方では、山越えのおろし風による強風が吹き荒れ、27日は、関東地方では強風はおさまったものの、東北地方では台風並みの強い風(北西から西より風)が吹き荒れました

最大瞬間風速は、八戸で30・5m 大船渡で29・8m 仙台で24・3mを観測し、一時、青森県三八や宮城県東部に暴風警報も出されて、JRなどの交通機関に乱れが生じました。

引用図②の上段より、東北地方には、渦度0線(これまで本ブログで紹介しましたように、上空の強い風が帯状になっている部分です、図表示 網掛け線部分と、白地部分との境目です。)がかかり、引用図②下段より、東北地方3000メートル上空で56hpaの下降流となっています。これらのことが、今回の東北地方の大変強い風を裏ずけるものです。

今回のように、冬型気圧配置になっても、寒気が移流している箇所の縁になったり、また、寒気の移流そのものがあまり強くない場合、東北地方や関東・甲信地方では山越えのおろし風による強風には注意が必要と言えますね。日本海から本州に吹きこむ季節風は、本州の脊梁山脈をすんなり山越えしてしまい、山越えする際に上空の強い風を引きずりおろす作用をするためです。

さて、連休初日28日の天気はどうでしょうか?引用図②上段で、シベリア東部に+183と表現されている正渦度(上空に強い寒気をともなった低気圧と考えていただいて結構です。)が28日、本州上を通過する予想です。

③4月28日9時の予想天気図(気象庁HPより引用)

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上空に寒気をともなった低気圧は、引用図③で、日本海西部にある低気圧として表現されていますが、この低気圧、28日昼過ぎから宵の内にかけて本州上を通過する予想です。この低気圧の東進に伴い、関東地方周辺(特に関東地方南部周辺)で、28日夕方以降、地形的に雨雲(雷雲ですが)がまとまりながら発達し、当該雨雲上に低気圧が発生しそうです。

このため、28日は東北から九州にかけて、大気が不安定で、所々にわか雨や雷となる見込みです。特に関東(とりわけ南部)周辺では、雨雲が発達します(本ブログ本年2月27日の記事で紹介した、対流性雲発達度合いの式に各種予想値を当てはめると、関東甲信越では広範囲で大雨注意報基準以上、所々、大雨警報基準の降水が見込まれます。)ので、一時的に強い雨や雷の恐れがあります。また、上空3000メートルより上で、風(西から北西風)が強めですので、各地(特に関東周辺)で突風も頻発する懸念もあります。

連休最初ともあって、行楽には、気象情報に充分注意!ですね。


雨上がりの東北と関東 あす26日朝にかけて広範囲で濃霧の予想。26日夕方からは東北や関東では山越えお

2007-04-25 23:57:24 | インポート

※引用図①は気象庁HPより引用 引用図②は日本気象予報士会HPよりの引用です。

①4月25日18時の天気図

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②4月25日9時のAXFE578図

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25日は、本州の南海上の前線上を低気圧が東進し、夕方に関東に東海上へ抜けたため、東北や関東周辺では夕方まで雨となりました。

低気圧が東海上へ抜けると、低気圧に対応する偏西風上の谷も本州の東海上へ抜け、本州上は偏西風の流れで北西風が卓越し、上空の気温は低下することが通常のパターンですが、引用図②より、各地に雨を降らせた低気圧に対応する偏西風上の谷は、本州中部にありますが、これとは別の偏西風上の谷(こちらのほうが谷として深いですね。)が中国東北部からシベリア東部に残っており、引用図②の下段より、本州上は、上空1500メートル付近で南より風が入り、気温が上昇したままです。

東北地方や関東地方では、25日夕方まで雨が降り、地表付近には湿気が残っているところへ、1500メートル上空が気温の高い状態となります。引用図②より、地表付近では比較的風は弱めです。となると、地表付近で気流が澱み、夜間の気温低下も手伝って、地表付近の湿度はいっそう上昇します。

こうなると、そうです。濃霧が発生する と言うカラクリです。

25日18時現在、東北や関東の広範囲で、湿度が軒並み80%を超え、一部では湿度90%以上の箇所も散見されます。

これから、あす26日朝にかけて、東北や関東では、広範囲で濃霧が発生する見込みです。

交通機関などは、注意です!

ちなみに、あす26日は、引用図②で見た、中国東北部からシベリア東部に残っ手いる偏西風上の谷が 昼過ぎ以降、本州上を通過し、夕方には本州の東海上へ抜けそうです。

各種予想図より、これにともなって、26日21時には、東北南部の3000メートル上空で90hpaの下降流が発生する予想です。あす26日夕方以降は、東北や関東で、山越えのおろし風による強風(北西風)には注意しましょう!


これから関東 甲信では濃霧のところも

2007-04-24 22:43:06 | インポート

※引用図は全て気象庁HPよりの引用です。

①4月24日18時の天気図

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 ② 4月24日6時の天気図

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③ 4月24日6時の日本付近雲画像図(赤外)

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24日は、本州の南海上に停滞する前線の影響で、沖縄の一部では、一時激しい雨もふりました。

これは、南西諸島周辺で、前線に向かって南海上から暖かく湿った気流が大量に流れこんだためですが、偏西風の谷が、大陸上空から本州付近上空に東進してきたことも一役買っていると思われますね。

このように、偏西風の谷が大陸から進んでくくると、当該谷の前面(上空)では、暖かく湿た気流が流れ込むのと、上空3000メートル付近で上昇流が顕著となる(難しい言い回しですみません。)ため、雲が発生・発達しやすく、ひいては、低気圧が発生・発達しやすい場でもあります。この、偏西風の谷は、雲画像上では、お椀をかぶせた形 ( ⌒ の形)で表現されて、その南西部分ではひときわ白く輝いて写る(雲の活動がこの部分で特に発達するためです)ようになります。このことは、本ブログで、再三紹介していることです。

引用図①と、引用図②③とを比べると、偏西風の谷の東進にともなって、本州の南海上に停滞する前線上(今回は九州の南海上ですが)に低気圧が発生したストーリーがお解かりかと思います。

さて、今回のような気圧配置の場合、等圧線が本州上で南北に走り、樺太付近やシベリア東部に低気圧がある気圧配置となるものですが、本州の東海上にある高気圧の勢力が強く、当該高気圧の縁を廻って、関東地方や東海 甲信地方の下層部分には、南よりの湿った気流が流れやすくなります。

1・上空の気温が比較的高く、2・下層がいっそう湿っていること、3・低気圧の接近で降水が予測されること、以上の3点の気象条件が揃うと、そうです。濃霧が発生しやすくなります。(本ブログ昨年 平成18年5月27日の記事をも参考にしてください。)

これから、あす25日昼頃にかけて、下層の湿った気流が地形的に上昇したり、地表付近が地形的に特に澱みやすくなる、群馬県内や関東北部や西部山間部、それに、甲信地方東部や南部と静岡県東部や伊豆地方など、濃霧には注意!です。


関東は 沿岸部で強風、内陸部で高温続く

2007-04-22 20:38:19 | インポート

※引用図は全て気象庁HPよりの引用です。

① 4月22日15時の天気図

07042215

昨日の記事に続きのようですが、日本海から前線がゆっくりと本州を南下中です。

前線は東西に長々と延びており、このような場合、当該前線上に低気圧が新たに発生するものです。そして、この低気圧周辺で雨雲がまとまりやすいものです。今回も、前線上に低気圧が発生していますが、これから前線上の低気圧が通過する、北陸地方や東北地方では、強い雨に注意が必要ですね。

関東地方では、昨日の記事で紹介したような、中部山岳での上空の西より風の分断や、これに伴う下降気流発生で、沿岸部では強風(南西風)、内陸部では、日中高温となりました。

最大瞬間風速は、東京(気象庁)で27・1m 千葉で26・7mと 台風並みの風を観測し、熊谷や前橋では、22日の最高気温が25℃以上となる、夏日 を観測しました。

② 4月22日12時から18時の千葉県勝浦のウインドプロファイラー時間ー断面図

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引用図②より、関東地方南部では、上空3000メートル付近より、上空700~1000メートル付近の風速が強まっていますね。これは、中部山岳での上空の西より風の分断や、これに伴う下降気流発生(昨日記事参照)の影響ですが、22日14時過ぎると一時上空3000メートルから下側で一様に上昇流となりましたが、低気圧や前線がじわじわと南下してきていることをしめすものです。

関東地方沿岸部の強風は今夜一杯まで続きそうですね。