大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

お江戸・墨堤向島、旧寺島村総鎮守・白髭大神境内【お江戸・向島】

2010年10月29日 22時29分04秒 | 墨田区・歴史散策
向島百花園からわずか250mほどの距離に鎮座する由緒ある神社、それが「白鬚神社」です。向島では最も古い由緒ある神社の一つで、かつてここが寺島村と呼ばれていた頃の総鎮守の格式がありました。
とは言っても、現在の白鬚神社の規模はそれほど立派なものではありませんが……。

 


祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)で、国土の神・道案内の守神であり、隅田川沿いの道祖神の役割やお客を導き案内する神として信仰を集めてきたようです。

お客様を導き案内をしてくれるという信仰からか、境内に置かれている狛犬の台座にはこんな方々の名前が彫られているのを見つけました。



吉原の妓楼の主人である松葉屋半衛門、浅草山谷の一流料亭「八百善」の主人である八百屋善四郎の2名の名が狛犬の寄進者として刻まれています。この狛犬には文化3年(1806)の年号が刻まれています。

 


八百善は江戸時代の宝暦・明和の頃に有名になった高級料理店です。特に「茶漬け1両2分」の噺は有名で八百善の語り草となっています。
それはこんな噺です。あるとき2人の食通が八百善にやってきて極上の茶漬けと香の物を所望したところ、半日ほど待たされて代金1両2分を請求されたという噺なのですが、これには次のような理由があったのです。
香のもので出した粕漬けには、まだ春には珍しい瓜と茄子を使いました。これは亀戸の村で特別に作らせたもので、生ゴミを温床にして油紙で覆い、炭火で保温するという方法で栽培したもの。そして極上の茶にあう良質の水を求めて玉川まで水汲みに走らせたといいます。さらには米は越後の選りすぐり米。だから代金が1両2分なのです。

またこの神社にはこんな武勇伝が残っています。
時は大正6年の例大祭、神輿をかつぐ若い衆は血気にはやって、隅田川を押し渡り日ごろから憧れていた吉原へと繰り込んでいきました。そして当寺、最大の妓楼「角海老」へ獅子頭を振りたてて舞い込んでしまいました。
と言っても、酒の勢いと若者意識から妓楼・角海老の中でさんざん暴れ回ってから引き上げたため、大問題へと発展してしまいました。この結果、これ以降は獅子舞の行事は中止されることとなったとのことです。

尚、当白鬚神社は向島七福神の「寿老人」を祀っています。
お正月の七福神巡りの頃は、百花園とともに沢山の人出で賑わいます。





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1 コメント

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Unknown (菅原でございます)
2010-10-31 11:21:18
いつもながら勉強させて頂いてますm(_ _)m
大川橋巡りなんぞ期待してますが ちょっと寒いですよね (汗)
三囲稲荷などもリクエストです(笑)

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