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存在しないものを存在すると仮定すると

2008-11-03 | 心の体験的日記
内田ブログより

「存在する」と想定した方がつじつまがあうものについては、それを仮説的に想定して、いずれ「話のつじつまが次に合わなくなるまで」使い続ける、というのが自然科学のルールである。
そうやって分子も、原子も、電子も、素粒子も、「発見」されてきた。
ところが、いま私たちに取り憑いている「数値主義」という病態では「私たちの手持ちの度量衡で考量できないもの」は「存在しないもの」とみなさなければならない。
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心の研究の大前提が、これになる

5年前の今日

2008-11-03 | 心の体験的日記
●認知的体験 03/11/3海保
「いい季節になった」
紅葉まっさかり。抜けるような青空。寒くもなく暑くもない温度。丁度よい湿気。今週はテニスが3日はできそう。
●認知的体験 03/11/3海保
「講演の出し物とやりかた」
同じ内容でも違う場所で話すなら問題ない。ただ、TPOがあるのと、話す自分の気迫の違いがあるだけ。とはいっても、いずれも大事。土曜日の名古屋での講演は、予定したプリントが配布してなかったので、急遽、別の話の筋に切り替えた。ややとちりはあったが、気持ちは充実していた。講演は講義とは違う。やや遊びがあり、あちこち話が飛ぶくらいがいい。ということを、あの養老先生の講演を拝聴して気がついた。
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08-11-3
実は、今日は、講演要旨を先方に発送し
テニスをした

5年前と同じことをしていることになる
これって、人生くりかえし ってことかな?

心理学研究法のこれから

2008-11-03 | 認知心理学
「心理学研究法」放送大学テキストより

●心理学研究法のこれから
 認知心理学の半世紀の歴史は、心理学の研究対象と研究方法のレパートリーを格段に豊富にしたことはすでに述べた。そのことには長所もあり、短所もある。
 まず、長所の方から述べよう。
 心理学の研究法が自然科学的な方法論の桎梏から解き放たれ、7章と8章で紹介したような、社会科学的な方法論に立脚したものが導入されるようになり、心を自由に考え、語れるようになった。このことは、心理学研究者にとっても、また、心理学に期待を持っている一般の人々にとっても、好ましい状況と言える。「こんな心の問題はどうなっているのか」という問いが現実のあちこちから発せられることによって、心理学研究者は、直接、現実の中から研究テーマを見つけることができるようになったし、そうすることを求められるようになった。日常生活の中での素朴な疑問をそれに相応しい研究法を見つけ出して研究する実践的心理学ともいえる領域が拡大している。研究テーマも研究法も、どんどん新しい展開を遂げることが期待される。
 こうした状況にも短所がある。2つだけ挙げておく。
 一つは、研究が拡散してしまうことで、心理学全体に浅い研究が増えてしまう懸念がある。どのような問題であれ、少しでも心に関係するものをすべて心理学の課題として抱えてしまうと、どれもこれも浅薄な理論や思いつきの研究の段階に止まってしまう恐れがある。
 研究テーマの多彩さは、林立する心理学諸学会の数に反映されている。2007年現在、日本には70余の学会がある。学会の多さは悪いことではない。テーマを特定して深く精緻な理論と知見を蓄積することができるからである。ただ、それぞれの学会が「たこ壷化」し、相互の交流がなくなってしまうと、心理学の発展性がなくなる。
 もう一つの短所、というより、懸念は、実証がルーズになることである。無論、自然科学的な実証に凝り固まる必要はない。しかし、よほどしっかりと心理学の研究法を身に付けておかないと、何でもありの研究まがいのものがまかり通り、科学的な説得力のない知識が心理学だとして横行する懸念がある。(海保博之)