帰蝶「“是が非でも…”」
明智様を口説き落として来いと言われて、
まずは妻の懐に入ろうと思ったが、失敗。
女を口説くは男を手玉に取るより、困難。
すぅ…と闇に身を隠すように、外に出た。
すると、
煌々と月だけが美しい。
美しいだけに腹が立つ。
「人の気も知らんで、笑うておる」
カカカカッと、
向こうでバカ騒ぎする男たちも癇に障る。
そこへ、
「おぉ。奥方様ぁのように、月が美しかぁ~」
寺のしきたり、女人禁制ものともせず、
堂々結界を打ち破ったサルが顔を出す。
見てくれだけなら我慢も出来ようが…、
帰蝶「うぅ。近づくでないッ」
サルの顔が、さらにサル。
どれだけ酒を浴びたのか。
藤吉郎「ここの山坊主どもは、酒が強かぁ」
帰蝶「このバチ当たりどもが」
藤吉郎「何をおっしゃいます。女子の誕生を祝っておるのでございます」
奥方様も…と、
私を祝いの席に誘ってきたから、
帰蝶「私は…、よい」
藤吉郎「奥方様も、下戸にございましたか?」
月光が逆光となり、サルの顔が…。
帰蝶「…も?」
藤吉郎「それとも、御世継ではないから、にございますか?」
サルの顔が、赤から黒へと変化した。
明智様を口説き落として来いと言われて、
まずは妻の懐に入ろうと思ったが、失敗。
女を口説くは男を手玉に取るより、困難。
すぅ…と闇に身を隠すように、外に出た。
すると、
煌々と月だけが美しい。
美しいだけに腹が立つ。
「人の気も知らんで、笑うておる」
カカカカッと、
向こうでバカ騒ぎする男たちも癇に障る。
そこへ、
「おぉ。奥方様ぁのように、月が美しかぁ~」
寺のしきたり、女人禁制ものともせず、
堂々結界を打ち破ったサルが顔を出す。
見てくれだけなら我慢も出来ようが…、
帰蝶「うぅ。近づくでないッ」
サルの顔が、さらにサル。
どれだけ酒を浴びたのか。
藤吉郎「ここの山坊主どもは、酒が強かぁ」
帰蝶「このバチ当たりどもが」
藤吉郎「何をおっしゃいます。女子の誕生を祝っておるのでございます」
奥方様も…と、
私を祝いの席に誘ってきたから、
帰蝶「私は…、よい」
藤吉郎「奥方様も、下戸にございましたか?」
月光が逆光となり、サルの顔が…。
帰蝶「…も?」
藤吉郎「それとも、御世継ではないから、にございますか?」
サルの顔が、赤から黒へと変化した。