ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

父 清盛

2011-01-31 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
そして、ガッ!と一発、弁慶の腹目掛けてパンチかましたら、
弁慶「おっ!」と掌で能子の拳を受け止め「なるほど。お前の繰り出す気の利いたパンチを受け止めれないような奴なんだな。で、誰、そいつ?俺らの知ってる奴か?」
能子「多分、公家の面子(メンツ)って知らないだろうけど…藤原 兼雅(かねまさ)って…」
鞍馬「プッ。麻呂眉(公家)のおぼっ茶丸くん…」
弁慶「誰?その、おぼっちゃま?」
能子「先生。麻呂の事…知ってるの?」
鞍馬「清盛ンとこ遊びに行った時、チラッと見た。あいつの話じゃ、あの公家じゃ…うちのじゃじゃ馬乗りこなせんって言ってたぞ。ククッ」と笑いながら、じゃじゃ馬を見た。
能子「じゃじゃ馬って、父上も失礼ねっ!」
弁慶「ちょ、ちょっと、あの…口を挟んでよろしいですか?あ…あのさ…鞍馬さん。かつての平家の棟梁 清盛様とお知り合いで?」
鞍馬「あぁ、とんでもない悪友だ。ちっこい義経引き連れて鞍馬寺に遊びに来て、あんにゃろ、暇つぶしに預かれって置いて行きやがった!」
弁慶「What’s?(・・)?」
鞍馬「あぁ、この話、知らないよな。義隆も次いでだ、聞いとけ。今から30年位前の話だ。源平合戦で負けた源氏は京を追われ、世は泰平 平家の時代到来。義経の親父 義朝は尾張に逃げたが、そこで家臣に殺され、その妾の常盤(義経の母)は二人の子供と生後6,7ヶ月の赤ん坊…それが義経だが…そいつらを連れて逃げた。捕まったら殺される。しかし、逃げた時期が冬だ。女の足で山中逃げ惑っても、子供諸共凍死か飢え死のどっちかだ。すでに常盤の母親は平家に捕まっていたし、観念して捕まった常盤は、清盛の前で勝負に出た。自分を妾にしろって言い出し、その代わりに子供たちの命を助けろと言ってきた。さすがの清盛も度肝抜かれたらしいぞ。その条件を飲んで、上の子供たちはそれぞれ流配の刑…」
義隆「るはい…?」
鞍馬「あぁ、遠い国や島に流されることな。義経は生後間もないことから鞍馬寺に預けられた。坊さんになれってな。最初は何も知らずに、言いつけ通りお勉強してたさ。蔵の本を片っ端から読み漁って。…今考えれば、実に恐ろしい光景だ。ちっこいガキが仏法書どころか、兵法の類までも隅から隅まで詠んでやがったんだ。こりゃ、坊さんより軍師(軍の指揮官)向きだぜってのん気に感心してた矢先、自分の出生の秘密を知っちまって…」と義隆を見た。
義隆「え…」
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平家の生き残りだから…

2011-01-30 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「え!?」
弁慶「髪に火が付いたから、義経が護身用に持たせた懐剣[薄縁]で髪をブッタ切ったんだ。バッサリと。ただその後、伴のやつらが横から出てきて、連れて行っちまってな…」
能子「伴の…で、どこへ?」
弁慶「それを佐藤さんの黒脛巾組が追ってるはずで…すよね?」と乙和を見た。
能子「え?佐藤って」チラッと乙和を見て、
乙和「ニヤァ…」と笑っていた。
能子「(笑ってるだけじゃ…分かんないわ)と、兎に角、無事ならいいんだけど…。それと、薄縁(うすべり)と例の刀も…」
弁慶「あぁ。それは、俺が預かってる」
鞍馬「天叢雲剣は作り直しだな。それと、月山作の薄縁は…」
能子「あぁ、能の『小鍛冶』…三条宗近(さんじょう むねちか)の相方役 月山との合作の名作!で、思い出した。はい、これ…」と鞍馬にステージ上で引っ手繰った刀を返した。
鞍馬「ったく!この刀、高ぇんだぞ!」
能子「すみません。つい、カッとなって…」
鞍馬「なんで相手の力量も計らん内に飛び出した?このバカたれ!」
能子「…奴が、天狗面の兼高だと思って…」
鞍馬「あん?“兼高かおる 世界の旅”か?」
能子「違うわよ。瑠璃姫の父上。三河薬師大の理事で矢作宿の店主 源 兼高。あちこちに手を広げ、顔は心理読ませず面を付け、心は鉄仮面で。ほんと解せない男!」とそっぽ向いた。
乙和「手を広げるために利用されそうになったって訳?平家の生き残りだからって?」
能子「!?」
乙和「でしょ?」
能子「コクン」とうつむき、「ボソ…」と呟いた。
鞍馬「あん?なんて?いつもの様にでかい声で言えよ」
能子「あいつ!甥の嫁に来いって…」
弁慶「いい話じゃねぇ?お前みたいなじゃじゃ馬を貰ってくるってよ。奇特で泣かせる話だ」
能子「ぜっったい、ヤよ!私だって恋したい!」
弁慶「お前!女は戦略政略の道具よって誇らしげに言ったじゃねぇ?早々、戦線離脱かよ?」
能子「生理的に合わない奴っているのよ…」とグッと手を握り、拳を作った。
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松殿 伊子(いし)

2011-01-29 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
童ちゃん「大丈夫ならいいんだ。ハッハッハッ!よかった、よかった」
鞍馬「よかねぇ!ヨッ」と上半身を起こし「で、あの烏野郎、何もんだ?」と胡坐をかいた。
能子「…藤原の…松殿 基房(まつどの もとふさ)…」
弁慶「あん?誰それ?」
鞍馬「あんまり知られてないが…義仲の正妻 松殿伊子(いし)の親父だ。なぁ、能子」
能子「えぇ。そして、父の敵…」
鞍馬「最初は平家に肩入れしてたんだが、義仲がクーデターを起こした時、源氏に寝返った。んで、松殿は義仲に和議協定の証にって、当時16、7の娘を嫁に差し出した。が…」
義隆「が…?」
能子「その翌年…義仲の死後、松殿家に戻ったって聞いたわ」
鞍馬「出戻るも何も最初から松殿に16、7の娘なんていなかったんだ」
弁慶「替え玉か」
能子「ねぇ。先生…確か、あいつ『郷(ごう)はどこだ?』って私たちに聞いたわよね?」
鞍馬「あぁ。問題はそこ。なぜ、郷(さと)じゃなくて、郷(ごう)を探してるのか?」
義隆「母上たちの事、知ってるんだ!」
鞍馬「母上たち?何だそれ?」と経緯を知らない鞍馬に、
義隆「ほんとの母上はご病気で代わりに母上がこっちに来たんだ」とえらく簡単に説明した。
鞍馬「…。その母上らの大切な話を冷静に説明されても納得出来ん…義経、知ってんのか?」
能子「疑いは持ってるみたい…よ」
鞍馬「って事は、知らないのか?」と義隆を見た。
義隆「聞いて来ないもん。分からないことは自分から聞かないとダメだって、母上が…」
鞍馬「おいおい。どんなすんばらしい教育を受けたら、こんなクソが付くほど真面目に育つんだ。確かに、分からない事は自分で質問するのが筋ってもんだが、こんな質問し難い事、どう聞くんだ…俺、疑ってます!ってアピールするようなもんだ。あいつ、また荒れるぞ」
弁慶「ふーむ。でもなぁ、今、郷御前の話題に触れると手に付けられんくらい暴れっぞ」
義隆「父上の早とちり!最後まで話、聞かないから」と後生掛温泉 足湯での話を思い出した。
鞍馬「なんだ?どいう事?」
弁慶「あぁ。高館に火を放つ時、郷…葵だが、髪に火が点いて…」
能子「ちょっ、ちょっと!義隆の前で!」と弁慶の口を押さえた。
義隆「父上と同じ、早とちり。父上ね…母上が死んじゃったって思い込んでるんだ」
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紅の旗

2011-01-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
乙和「ニヤァ」と笑って、じーっと能子を見ていた。
能子「…?」
葛葉「最上川沿いにキレイな紅花畑があるわ。観たかったら最上川ライン下りでもして見せてもらいさい。童ちゃんに頼めばいいわ」と能子にウインクした。
能子「え!?」
葛葉「ここ酒田は、京や堺の商人たちと結び付きが濃いわ。エジプトからシルクロードを通って、呉、そして、日本に運ばれた紅花は、呉藍(くれあい・くれない)に染まる。京では、京染めって言ってるかしらね。布や着物の紅花染めは、花びらを水に浸し乾燥させて、最初は黄色、何度も何度も染め上げ真紅に染める…手間の掛かる工程だけど、真紅に棚引く旗は圧巻だったわね」と能子をみた。
能子「旗…」と胸に押し当てた手をぎゅっと握った。
弁慶「そっか、平家の…」
葛葉「ここ(酒田)って、交易船の拠点。多くの商売人が行き交い、いろんな物が運ばれてくる。大豆、小豆、たばこ、蝋、漆、薬、反物、紙などなど…東北地方の商業発展の基盤よ。京から舞妓らを連れて来たのも、商人の接待用さ」
能子「あ…だから、酒呑(さけのみ)ぞうさんだっけ?私の能を舞妓さんたちに見せたいって」
葛葉「読み方、違ってるわ。酒呑童子(しゅてんどうじ)ね。酒田 最上の舟運は、今は亡き藤原秀衡(義経のおじ&パトロン)の妹君 徳尼公が開いた港でね、落ちぶれた武士に声を掛け、仕事を斡旋し、ここを管理させているってわけ。その一人が酒呑童子で昔はかなり悪さしてたみたいだけど、今はタダの羽振りのいい親父♪上手く巻かれときな。ガッポリ稼げるわ」
能子「分かったわ。上手くやる」とニッコリ微笑んだ。
弁慶「これだから女って…ん!?」
ドヤドヤ、ガヤガヤ、ドヤガヤと廊下から賑やかしい声が聞こえ、
葛葉「どうやら、噂の張本人がお越しの様ね」
乙和「ニヤァ」と笑ったところで、バーン!!と戸を開いて、
鞍馬「こらぁ、能子ぉ!おまぇ…」と飛び掛かろうとしたら、ぐいっと肩を掴まれ、ポイと後ろに倒され、ドーン!「ぎゃん!」と尻餅付いた。
童ちゃん「よっちゃん!もう起きていいのか?」と駆け寄り、ジリジリにじり酔って?来た。
能子「は、はい」と仰け反って「(酒臭ぁ)だ、大丈夫です…」と後ろに下がり、「ご心配お掛けしました」と離れて、ペコッと頭を下げた。
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現身(うつしみ)の術?

2011-01-27 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
グイと右腕を引っ張られ、前のめりになり、
乙和「あららぁ。痛そっ」と腕を捲し上げられた。そこは義隆が能子の腕を強く握った所で、皮下で出血し(内出血)、青アザ(打撲傷)が出来ていた。
乙和「あぁあ。芸の能処(よりどころ)にアザつけちゃって」と義隆をキッと睨み、
義隆「う゛(怖っ)…あ゛…ご、ごめんさない」と謝った。
乙和「誰に謝ってるんだい?怖いから謝るのかい?それって、心から悪いと思って謝ってるのかい?子供が大人を化かすんじゃないよ。シャッー!」
義隆「ヒィ!(口がさっきより割けたぁ!)」
能子「わ、私が悪いのよ、義隆は悪くないの!」
乙和「アンタも!芸を志し、それに精進する者、カッとなってどうするのさ!」
能子「え!?」
乙和「あのお面ヒーローに礼言っとくんだね。青アザじゃ済まない所だったよ」
能子「(サブ…)は、はい。そうします」
乙和「あらっ」と患部に手を当てナデナデして「意外と…素直ね」と能子の右腕を放した。
ナデナデされ、うわぁっと鳥肌立った自分の腕を見たら、
能子「わぁっ!!ア…アザが消えてる!?」
乙和「フッ」と不敵に笑った。
葛葉「ほらぁ、いきなりそれやるからビックリしてるじゃない」
弁慶「もしや、それが現身(うつしみ)の術ってやつか!?人の厄災、病や傷を代わりに受けてくれるって…」
乙和「そんな妖術じゃないわよ!それに、それしたら、私が痛い目みるじゃない!!ヤよ!」
能子「これ…白粉(おしろい)ね」
乙和「ピンポーン。舞台俳優や芸者、舞妓らが塗たくってるのと同じやつさ。蜜蝋を練り込んだ白粉(成分は澱粉です)で現代版ファンデーション ケーキって言っても…」弁慶と義隆を交互にチラッチラッと見て「男には分かり難いな。つい先日、西廻り船※で運ばれたもんさ」
弁慶「船…(あの船か…サドガシマンのライダースーツ…)」
※日本沿岸の各港から関門海峡から瀬戸内海を経て堺に向かう航路です。後に北陸経由蝦夷(北海道・樺太)行まで航路が出来、北前船となりました。また、太平洋側の出羽から津軽→北陸を通って堺そして三河・駿河方面に入る航路を取るのが東廻り船です。
能子「確か…口紅の原料…『最上紅花』って…有名ね」と胸に手を当てた。
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狐の葉隠れの術?

2011-01-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「…?」
葛葉「あ!そういえば、あの子どうした?」
弁慶「あの子…?まだ、子供が登場すんのか?」もう名前覚えられん…。
葛葉「ほらっ、あの…糸のぉ、なんていったっけ?あの子…」
弁慶「繭子のことか?あいつらなら、ちょっと横になりたいからって、旅館探しに行ったぞ」
葛葉「そう…(無理させちゃったかな)」とふぅっと天井見たら「あ!」と驚くほど僅かな隙間が開いた。その(‘‘)視線の先を追った能子「ハッ!」と、咄嗟に左手を横に広げ、義隆と葛葉の盾になり、右手で鉄扇を握って臨戦体制を取った。
弁慶は左手人差し指を口に当て「シー…」のポーズと右手に岩透し(弁慶自慢の刀です)の柄(つか)を握って、抜刀スタンバイOKポーズを取った。ポーズだけで能子のようにいきなり突っ込んだり、切り込み隊長みたいなことは絶対しない。ジリジリ…と間を詰めて、刀を縦に構え、ヒョヒョイと持ち上げ天井を小突く。トントン…と。
「入ってますわ」
弁慶「え?いや、普通入らないっしょ。天井裏なんかに…」と声を掛けたら、
「私たちはよく入るの」と天井の一角スーと開き、スタンと天井から降りて来た。
義隆&弁慶「…(この光景、どっかで見たような…)」
葛葉「あら、乙和じゃない!いつから潜んでたのぉ?全く気が付かなかったわ」
弁慶「佐藤のお袋さん!?俺たちを追って来たのか!」
能子「佐藤兄弟の!?(この人が、篝火 乙和さん!)」
乙和「フフッ。狐葉隠れ※(このはがくれ)の術…気配と香り消して来たの」
弁慶「(初音と楓も同じ手使うな)それって、木の葉隠れ、じゃねぇの?」葉っぱを頭に乗せて…ドロン!ってやつ。
乙和「シャッ(ラップ)!狸なんかと一緒にしないで。私たち、狐と同じで相手に見つからないように、水被って香りを消すの」
葛葉「この時期、風邪ひくわ…。気を付けなさい」
乙和「うがいしておく…フフッ」
義隆「…(なんか、すごく…怖い人)」と乙和をじぃっと見ていた。その視線に気付いた、
乙和「ニヤァ…」と口が割けんばかり、不敵な笑みを浮かべ「フフッ。あなたが(義経の)妹さん。はじめまして。ステージの活躍、見てたわ」と右手を差し出し握手を求めた。
能子「は、はじめまして(って、普通に戸から入って来ればいいのに…)」と握手に応じたら、
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源 頼光の鬼退治

2011-01-25 | 日記
歴史の話ばかりで…本の読み返しに疲れました。
今日は日記に致します。

さて、疲れたときには、やっぱ甘いもんっしょ?
ベストなタイミングで戴いた饅頭です。
ありがとうござます!
とそのでかさにビックリしました。

デーン!ど・でか饅頭です。
ちなみに、「ゆきちゃん※が好きそうだと思って♪」とプレゼントされました。※本名です。
確かに、饅頭は好き…しっかし、こんなバカでっかいの…と思って開けてみて、
やっぱり好きでした。
この方は、本編登場の鬼の頭領 酒呑童子様です。

ドーン!とずっしり重く、約500gでしょうか?量ってないので分かりません。
ひつじの拳骨より、ちょいでかサイズで弁慶の拳大の饅頭でした。
しかし、食いきれませんでした。ボチボチ家族で食べます。

さて、
うちのおかん「ほら、あの有名な大江の…」と知ってる様子でしたが、
ひつじ、全く持って第六感がピンと働きません。
最近、ボキャブラリー不足のおかん「ほらぁ、あの人、あの人よ!源氏物語に出てたでしょ?」
と、全く話が通じませんでいた。
ので!?
御由緒を読み上げる※と、分かりました。
※おかんへ、時には音読しましょう!言葉が出やすくなりますよ。

初代 源 経基(つねもと)様のご供養なさっていた方で源 頼光(よりみつ・らいこう)様の鬼退治です。しかも、源氏物語内の六条御息所の生霊の類の話ではなく、
平家物語内の鬼退治の話です。
本編登場の酒田 酒呑童子が退治された記念の饅頭らしいです。
平安中期ですが、源 頼光と藤原 保昌とその四天王 渡辺、卜部、酒田、碓井が鬼退治した話にちなんでの鬼饅頭(腰掛石)です。
ちなみに、渡辺はおかんの旧姓です。
やっぱ、昔、御先祖様が鬼退治しとったんやと何となく思いました。

ちなみに、こういう鬼退治をなさっていたご先祖様の血をしっかり受け継いだ義経で、
天狗や妖怪、鬼の話が多く盛り込まれて伝説化しております。
剣術書には、天狗の義経、能の演目では狐…よくよく化かしてたんでしょうね。

本編しっかと最初から読んでおられる方なら、ピンと来たかな?
…おそらく、いないのでは?…
御先祖様 源 頼光の妖刀[薄縁(蜘蛛切丸)※]を義経がお守りとして持っていましたね。
※弁慶のお父様(熊野の坊さん)から戴いた懐剣です。

平安鎌倉時代の人々は、山神天狗様にいろいろ教わって、悪さしない鬼さんと遊んで、妖怪と一緒に暮らしていたのかもしれない。

そんな時代が懐かしいです。
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潜む病

2011-01-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「えぇ。幼い義仲を武蔵(埼玉)比企 嵐山(らんざん)で預かっていたって話よ」
弁慶「チッ。また、あの尼※絡みかよ」※郷御前の祖母で比企(ひき)尼。
能子「それは分からない…。比企尼は頼朝の乳母…今はその子供たちの面倒も見ているはずよ。もうすでに政権は頼朝の手中にあるのよ。頼朝は義仲と不和決裂して義高を殺してるんだし…そう考えれば、征夷大将軍まで登りつめていながら謀反を起こし失敗、粟津の戦いで没した義仲の代わりに、世間知らずで世渡り下手な兄上に目を付け、娘を送り込んだって考える方が普通じゃない?」
弁慶「妹にそこまで言われちゃなぁ世話ねぇな。それにして、娘ら(巴 山吹)を義仲の嫁にして、次は義経の嫁か…女を何だと思ってんだか」
能子「あら。優しい事言うじゃない。でも、仕方ないわ。女は戦略政略の道具でしかないわ」
弁慶「…巴は和田(頼朝)の妾、山吹は病気。頼みの綱は養子に出した葵だけってか」
能子「山吹と葵を取り替える策に出た…」
弁慶「でも、どうやって…?」
能子「養女に出すくらいよ。縁故関係有り、か…同じく政権奪回が目的で、両家の同意の下に交換したと思わない?話の辻褄を合わせるために、山吹と葵は伝書鳩を使って、お互いの内情を連絡取り合っていた、と考えれば…」
弁慶「ユキオンとクニオンか…」
葛葉「八鳩信仰の…熊谷直実(くまがい なおざね)がクニオンを郷御前…山吹に託した…」
能子「熊谷と比企と養子縁組してる…比企尼とは親戚関係よ」
弁慶「どうもあの比企が絡んでくるな」
義隆「ねぇ、母上(葵)は…大ちゃんと文通してるって言ってたよ」
弁慶「大ちゃんって、頼朝の娘 大姫※か」※頼朝と北条政子の実子で、頼朝と義仲の和睦のため、義仲の子 義高(11歳)と大姫(6歳)と結婚(1183)。義高は鎌倉で過ごしていました。いわゆる、人質です。その翌年、義仲と不和決裂し離縁した。大姫はその事をひどく気に病み、臥せがちだったとされます。
義隆「うん、ほんとの母上と同じで大ちゃん…クラクラして高い熱出て、咳が出るんだって」
葛葉「!?」
弁慶「義仲の死後、山吹も同じ病…」
能子「心の病気とか…かな?」
葛葉「…」無言で、考え込んでいた。
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中原兼遠

2011-01-23 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義隆「教えてって言ってないもん…ダメだよ。教えて“下さい”まで言わないと!」
能子「いや、あのね…、下さいを強調されても…。その…一応お知らせしておいた方が…」
義隆「母上たちが双子だって知らなかったって怒るかな?父上。怒らせると怖いから…」
能子「いや、あのね…、そういう問題じゃないと思うけど…」と、そこへ山吹が「んぎゃっ」と愚図り始めので、そっと抱っこして「山吹ちゃん…お母さんの名前をもらったんだね」
義隆「母上の病気治らないんだって」とスヤスヤ眠る山吹を見て「母上に会いたい…」
葛葉「そうよね、会いたいよね。私も息子(安倍 晴明です)を別れた時、淋しかったわ…」
能子「そっか…(出産後半年で奥州に向った聞いたけど…)」
義隆「母上の事、あんまり…覚えてないんだ」
能子「(病気って…何だろ?)その…この子(山吹ちゃん)は、兄の子なの?」そこへ、カチャッと部屋の戸が開き、
弁慶「そっ!正真正銘のあいつらの初子だ。よう、久しぶりだな。能子」
能子「あら、弁慶。この事、知ってたの?」
弁慶「直接聞いた訳じゃないぞ。薄々そう…かな?」って右に首を傾げ「出産したら性格が変わるのか?」って左に首を傾げ「義経が首傾げ過ぎて痛めてた。今考えたら、正妻と妾が仲良くマタニティーヨーガだの、おっかしい話だ。普通、嫉妬して、いがみ合う仲だ」
能子「ちょっと!義隆の前で!」
義隆「…(ほんとの)母上、今でも義仲おじさんが好きなんだって…母上が言ってた」
弁慶「死して尚愛されるっていいな。ところで、義仲のお袋さんがこっちに来てるぞ」
葛葉「(やっぱり!)小枝…」
弁慶「あぁ。若作りの面を被って、繭子の便女に成りすまして乳母になってる」
能子「若作りの面?」
葛葉「それって、能面の若女じゃないの?昔、葵ちゃんが被ってた奴でしょ?」
能子「私たちが遊んでいる時も絶対にお面は外さなかったわ。まさか双子だったなんて…面が割れるのを恐れたのね」
弁慶「しっかし、双子って。この時代…あり得ねぇだろ。片方は…」
葛葉「そうね。この時代、双子は禍と考えられ…家督争い、権力闘争、遺産相続…女であっても、嫁いだ先で争う事を懸念され、殺すか、素性を隠して養子に出すっていうわ」
能子「そう。だから、中原兼遠(なかはら かなとう)は養子に出した…」
弁慶「!?…おい、中原兼遠っていえば…義仲の乳母父(じぃや)か?」
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事実と現実

2011-01-22 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「あの…葛葉さんって、卜部(うらべ)※の?」
※卜部とは卜占、つまり、占いによる吉凶判断士、及び、祭祀を執り行っていた人の職業名です。現代、その名残として姓(卜部 浦辺 浦渡さん)があります。
葛葉「あぁあ~卜占の先生していたのは7.8年前で…引退したわ」
義隆「卜占(ぼくせん)!?…それって、トトロ術の事?」
葛葉「あら、懐かしい名前ね。教え子に卜占って漢字をバラして、トトロってカタカナ読みした子たちがいたわ」
義隆「その人たちって…」
葛葉「や…」と名前を言いかけた所で「マ!?」葛葉の口をバッと押さえ付け、
能子「ちょっ、ちょっとタイムね、タイム!」
葛葉「ぶっ!」と葛葉の言葉を制し、恐る恐る義隆を見たら、冷ややかな視線を送っていた。
義隆「ふん。大人って…いっつもいっつも本当のことを隠すんだ。叔母ちゃんもその一人なんだ。母上たちのことでしょ…もう知ってる」
能子「いつ…知ったの?」
義隆「去年の10月30日…」
能子「日にちまで…覚えてるの?」
義隆「だって、元服した日だもん。その時に初めて男の子用の服を着せられた。それまで女の子の服着せておいて…勝手だよ。その服、バリバリに破いてやった。勝手に外に出ちゃダメって言われたり、変だなと思ってたんだ。…その事で母上と何度かケンカしたけど、命を守るためだって。男の子だと殺されるからって。従兄弟みたいに…」
能子「従兄弟って、義高※の事ね。じゃ、父上の事も?」※頼朝に殺された義仲と巴の子。
義隆「知ってるよ。でも、(義仲の)おじちゃんとは、もう会えなんだって」
能子「…そこまで話したんだ」
葛葉「聞く方も辛いし、話す方も辛かったろうね」と義隆の肩を抱いてやって「いずれ知らなければならない事実だし、こちらも明かさねばならない事実…。現実を受け止める時期が早いか遅いかだけ…。それにしても、葵ちゃん、よく頑張ったねぇ」と涙ぐんだ。
能子「…葵ちゃん?郷(さと)ちゃんの本名…山吹…じゃなかった?」
義隆「今の母上は源 葵だよ。ほんとの母上、今 病気で…。だから、代わりに母上になったって、言ってた」
能子「その事実を、兄…知らないわ」
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