通でがんす

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宮島言葉のいろいろ その14 「はぶてる」

2012年07月26日 | 広島弁
「宮島の町屋通りに飾ってある「宮島言葉のいろいろ」を紹介するこのシリーズ」

「第14回目の今日は「はぶてる」じゃ」




はぶてる…ふくれっ面をする(撮影日:2012年1月4日)



「「はぶてる」は、「ふくれっ面をする」という意味じゃね」

「「すねる」とか「不機嫌になる」という意味でも使うよの」

「ついに出ました! はぶてる!!」

「子どものころは、親によう(=よく)言われたもんじゃ。「あんたぁ、なにはぶてとるんね!?」」

「お義母さんも大変じゃったろうね。この親父は、今でもようはぶてます」

「いや、これでも回数は減ったほうで」

「うちの子も反抗期なのか、ようはぶてます。先週の金曜日も、学校の水泳の時間に雨が降った言うて、ぶち(=むちゃくちゃ)はぶてて帰ってきたけどね」

「すまんのう。この親にしてこの子ありじゃ」

「この「はぶてる」という言葉はどっからきとるんかね?」



江戸時代の広島方言を記した『秋長夜話』には、「広島にて憤怒(ふんぬ)するをふてるという。」とあり、共通語の「ふてくされる」などとの関係が思われる。

(町博光『ひろしまべん100話』渓水社 1999年)




「なるほど。「ふてくされる」から「はぶてる」という言葉ができた、というわけじゃね」

「「歯茎(はぐき)」のことを「はぶ」と言うよのう。これも広島弁じゃそうな」

「えぇっ!? 「はぶ」って、共通語じゃないん?」

「主に中国地方の西部と四国地方で使われる言葉じゃそうな」

「そりゃ、知らんかったねぇ。「はぶがはれて痛い」なんて使うよね」

「町博光(まち ひろみつ)氏は、この「はぶ」から「はぶてる」の語源を説明されとってんじゃ」



ハブをむくほど怒っている状態からハブテルができたと説明しているものもある。

(同上)




「なるほど、「はぶ(歯茎)」が見えるほど怒っとるというイメージなんじゃね」

「わしが「はぶてる」と、歯は見せんがのう」

「お父さんの場合、ふくれっ面(脹れっ面)という言葉とおり、ほほを膨らませて怒ることが多いよね」





【今日の宮島言葉】

はぶてる

意味/ふくれっ面をする

例文/「アレ ミー。スグ ハブテルンジャケー。アンマリユーナ(=ほれ見ろ。すぐにふくれるんだから。あんまり言うな。)」






↓宮島言葉のいろいろについての関連記事は、こちら↓

宮島言葉のいろいろ その13 「はまる」

宮島言葉のいろいろ その12 「ぶち」

宮島言葉のいろいろ その11 「ほいじゃけん」






「今日は、「宮島言葉のいろいろ」で「はぶてる(ふくれっ面をする)」について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」

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