通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

宮島言葉のいろいろ その1 「わらう」

2012年01月11日 | 広島弁
「この間、宮島の町屋通りに行ってみたら、店や家の軒先に「宮島言葉のいろいろ」が飾ってあったんよ」





「へぇ…」

「数えてみたら44個あったんじゃ。わしのすることじゃけぇ、見落としがあるかもしれんがの」

「それを順に紹介していくんじゃね」

「記念すべき第1回目は、「わらう」」

「え!? ふつう、あいうえお順で紹介していかんかいね?」

「わしゃ、へそ曲がりじゃけぇ、最後から紹介していくんじゃ」

「まぁ、ええけど…」




わらう … 震える
(撮影日:2012年1月4日)




「「わらう」は、「震える」という意味になるんじゃの」

「「震える」言うても、寒さや緊張で体が「震える」というわけじゃないんよね」

「運動や仕事などで体を使った後、その疲れで体の一部が「震える」、という感じかの」

「例えば、ふだん体を動かさん人が運動やスポーツをした翌日、膝ががくがくすることがあるよね。その時に「膝がわらう」と表現するんよ」

「今日は、娘も「膝がわろう」とったのう」

「校内マラソン大会の練習があったんじゃと」

「ばあさんが生きとったころは、毎年12月30日に餅つきをしよったんよ。そのころは、手が「わらい」よったんじゃ」

「朝から昼すぎまで、臼(うす)を使うて手で搗(つ)くだけじゃ足りんけぇ、足踏み式の餅つき機も使うて餅つきをしよったよね」

「酒を飲みながら、おでんやいのしし鍋を喰いながらの」

「そうすると、足腰が立たんようになるんよね」

「食事の時に箸を持とうとしても、手が「わらう」て持つことができんのじゃ」

「そんなじゃけぇ、正月は文字どおり「寝正月」じゃったんよね」

「ばあさんが亡くなってしもうたけぇ、みんなつろうて(=集まって)餅つきをせんようになってしもうた」

「今日(1月11日)は鏡開き。正月にお供えした鏡餅を下げて食べる日じゃね」



【今日の宮島言葉】

わらう

意味/震える

例文/「弥山(みせん)に登ると足がわらう(=弥山に登ると足が震える)」


参考文献:廿日市市商工会議所『宮島本 改訂版 宮島検定テキスト』(2008年)




「例文に出てくる「弥山」というのは、宮島の中心にあって、古くからの信仰の対象になっている山のことじゃね」

「標高は535メートルじゃ」

「今日は、「宮島言葉のいろいろ」から「わらう(震える)」という言葉について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」

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