神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

嶋津の森

2019年05月26日 | その他

和歌山県新宮市熊野川町嶋津

今回の南紀行きの計画を立てるまで、全く知らなかった場所だ。
ここのすぐ近くに木津呂という集落があって、湾曲して流れる北山川に挟まれ、まるで島か半島のように見える風景が有名になっている。
その木津呂に行こうかと色々検索していて、この嶋津の森を見つけた。
嶋津は奈良県の十津川村と、三重県の熊野市に囲まれた、新宮市の飛び地でもあり、地図的にも面白い場所だ。
ただ、嶋津の森は、北山川の中州に形成されたという珍しさはあるものの、さして珍しい植物があるようでもないし、巨木があるというわけでもない。
目的は、この森の中を通っている筏師の道である。

国道311号線から逸れて、嶋津集落への狭い道に入る。
車道の終点に集落があって、ここに日本一小さいと言われる観光協会がある。
人口12人。
観光協会のホームページには、「人が気軽に来て、遊べる場所。ただそれだけでいい。人の記憶に残していけば、この地域は残っていく。そういう思いで活動しています」と書かれていて、来訪者に地域のガイドなどをされているようだ。



集落には駐車出来そうになかったので、行き止まりであろう車道の奥に進むと、北山川の広い河原に出た。
ゴールデンウィークということもあって、他にも何台もの車が止まっている。
一台、スタックしている車があったから、起伏の大きいところは注意した方がいい。
嶋津の森は中州にあると言っても、普段は集落側の方は水が流れておらず、だだっ広い河原が広がっている状態だ。
筏師の道の入り口がどこにあるか判らないので、森に沿って歩くが見つからない。
見つからないまま、北山川の流れが見えるところまで来た。



それにしても、対岸の、針葉樹がほぼ見当たらない緑の豊かさ。

さて、今度はもう少し林縁に入って歩くことにする。
そもそも河原は石だらけでひどく歩きにくい。



すると、森の中に入っていく小道が見つかった。
これは森の外からでは見つからないだろう。
他にも何ヶ所か入り口があるようだが、私が見た範囲では案内板のようなものは無かった。



森の外縁は豊かな常緑広葉樹で覆われているように見えたが、中に入ってみると単純な杉林で少しつまらない。



ただ、この苔生した筏師の道は魅力的である。
筏師の道とは、かつて流域で伐採された木材を筏で新宮まで運んだ際、筏を操る筏師が上流の自宅へと歩いて戻るために作られた道である。
だから嶋津にだけあるわけではなく、どちらかと言えばメインは北山村であり、北山村観光サイトを見ると、「筏師の道ウォーキングマップ」なども載っている。
通して歩けば面白そうだが、もちろんそんな気力も体力も無いので、この苔生した道に惹かれ、嶋津を選んだ。



写真を撮っていると、3、4人の方と擦れ違った。
挨拶を交わすと、先述の嶋津観光協会の方々であった。
と言っても、人口12人だから、住民全員が協会員の可能性はあるが。
「苔とか採らないでくださいね」と言われたのは心外であったが、悪さをする人が多いのだろうか。



ここは早朝や雨の日などに撮影すれば、面白い写真が撮れそうだ。
光線状態は悪く、撮影は厳しかった。



似たような写真ばかりになってしまったし、ここだけを目的に行くようなところでも無いだろうが、ちょっと立ち寄るにはいいところだ。


撮影日時 190502 16時~16時20分
地図


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4 コメント

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じゅうたんみたいですね (kuzu_araragi)
2019-05-26 17:23:11
以前、木津呂の鍵穴みたいなのを山の上から見たくて計画を
立てたことがありました。(登山する体力がなく断念) これといって何もなく、どっちに行くにも距離があり便利が悪い!筏師の道は「瀞ホテル」へ行ったときに他の観光客がしゃべっているのを耳にしました。歩いて帰ったら暗いし遠いやろなぁ~ってしか・・こんなに綺麗なじゅうたんなら行きたいなぁ~もうちょい陽射しが弱かったらもっと綺麗なんでしょうね。
今日は不幸にも仕事があって(6時半~13時半)電車にゆられて行ってきました。帰り道、バスが出たあとやって2.5kmを歩いて駅まで行きました。日中に歩いたら目まいがする。道路の横の温度計が32℃!!コンビニを見つけるたびに水分補給。ペットボトル2本じゃ足らない!今日みたいな天気に河原を歩いたらダウンしますね。
僕は九重~骨置神社~滝神社へ以前行きました。hiro1jzさんのブログを見てですが。植林している杉が
きれいに並んでいるのを見ると、ブルース・リーの鏡にいっぱい写っている映画を思い出します。(僕だけかなぁ?)滝神社横の植林が等間隔で筏師の道も等間隔なんかなぁ~
Unknown (Jun)
2019-05-27 06:53:49
綺麗な道ですね。
光線も綺麗に撮れていますよ。
私では無理ですね(笑

昨日、福知山と宮津、舞鶴の近所の千丈ヶ岳あたりに行ってみましたが、太陽光パネルがスキー場跡を覆い尽くし、気温は32度、あまり撮影に向かない感じでした。
涼しくなったらもう一度行ってみます。
Unknown (hiro1jz)
2019-05-27 16:16:49
kuzu_araragiさん

私も木津呂を山の上から見てみたかったんですが、
同じく体力的にキツそうだったので断念。
ここは平坦地なので、河原が歩きにくい以外は余裕ですし、
苔の道の距離も、数百メートルなので、ちょっと立ち寄るのにいいところです。
天気は残念でした。

最近、暑いですね。
暑さには強い方ですが、出掛ける際には気を付けないと。
植林は、地形的に植えやすいところだったら、ある程度は等間隔だと思います。
ブルース・リーですか…うーん、イメージは繋がらないですねぇ(笑
Unknown (hiro1jz)
2019-05-27 16:23:17
Junさん

苔としてはゼニゴケが多くて、アップで撮るとそれほど綺麗でもないです(笑
もう少し柔らかな日差しだと良かったんですが。
リベンジしたいなぁ。

最近、あちこちで太陽光パネルが増えてきてますね。
あれって、場所によってはかなり景観を損ねてますが、
仕方ないことなんでしょうかねぇ…。

今週の金曜に丹後に行く予定でしたが、
たぶん曇りなので行先変更になりそうです。

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