神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

住吉神社

2008年08月31日 | 兵庫県

兵庫県篠山市今田町黒石


今田町が「こんだちょう」であることを、つい数年前まで知らずにいた。ずっと「いまだちょう」だと思っていたのである。つまり、私の中では、ちょっと影の薄い存在で、合併により篠山市となってからも、なかなか訪れる機会が無かった。
地形図を見れば、篠山市の他の地域とは様相を異にしており、実際に車で走ってみても、その風景は篠山とは違うように感じた。
神社にしても、篠山では春日神社が多いが、今田町では住吉神社が多くなる。
紹介するのも、やはり住吉神社で、影の薄い地域(と私は思っている)ではあるけれど、わりとお気に入りの風景で、二度、訪れている場所である。



すぐ後ろはバス停で、道路と田畑、民家があって日当たりも良いが、神社側は、なかなか見事な樹叢である。


鳥居と鬱蒼とした木々、奥の高みに拝殿、という構成に、私はいつも惹かれてしまう。


しかも西向きなので、午前中は神社の斜め後ろあたりから日が射し、陰影を描いてくれるのがいい。


拝殿と本殿。
社殿周り、拝殿の屋根に雑草が生えているけれど、これくらいは夏の風情。


境内社。


境内は狭いが、土俵と大木、磐座があって賑やかである。


2万5千分1地形図 谷川
撮影日時 080820 10時~10時45分

駐車場 なし すぐ近くに道路が広くなっているところがある。
地図

  


熊野神社

2008年08月29日 | 滋賀県

滋賀県高島市安曇川町上古賀


この神社は、地形図で見る限り、非常に気になる神社であった。
先日、紹介した瀧原宮と同じように、等高線が極めて伸びやかな地形を描き、そこに広大な杜が広がっていることを連想させるのだ。
しかも、伸びやかとはいえ谷の地形を呈しており、境内は潤っていそうである。
後に、ここが式内社であり幾つかのサイトで紹介されていることを知ったが、画像を見て、行きたいと思う気持ちは、より強くなった。

昨年の秋、この神社を訪れてみた。
入り口に立つと何やら騒がしく、参道の奥の方では工事用車両なども入っている様子。
恐らく社殿の改築をしているのだろうと思い、そのときは参拝を遠慮することにした。思い入れの強い神社でもあるから、出来るだけいい条件で写真を撮りたかったのである。
今年の夏、この熊野神社を再訪した。
社殿が真新しくなっているとすれば、周りの風景から浮いてしまう可能性もあるが、かといって何年も待つのは我慢できないし、参道だけでも見事な雰囲気が味わえるだろうと考えた。

だが───
まずは、ここでリンクしているサイトさんで、この熊野神社を紹介されているページを直接リンクしたので見てください。
神社探訪・狛犬見聞録」さん
玄松子の記憶」さん
その上で、今回、私が見てきた熊野神社を見て頂き、何かしら感じ取っていただければ、と思います。



空が白み始めた頃に神社前到着。まだ撮影には早いが、奥を覗き込むと嫌な予感がした。何となく、妙に明るいのである。
適当に時間を潰しながら朝を待つ。
夜明けとともに辺りの様子が明らかになってくると、私が思い描いていたものとは違う風景が徐々に現れてきた。


・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・。


神社の維持や、社殿の改築にはお金がかかる。時には境内の木を伐採して、それを費用に充てることもあるらしい。それに現代では、工事のためには重機を必要とするし、それが動き回るためにはスペースも要る。だから、この開けてしまった空間の悲しさを、単純に憤るわけにはいかないし、良し悪しを量れないのだけど・・・。


鳥居の付近にだけ、ほんの僅かに、面影が残っているだろうか。
元のような杜になるのに、いったいどれほどの歳月がいるだろう。


2万5千分1地形図 饗庭野
撮影日時 080703 5時10分~5時半

駐車場 あり
地図
 
 


日吉神社

2008年08月26日 | 福井県

福井県三方上中郡若狭町岩屋


ここは、地図を見て参道が長そうだと思って行ってみた神社である。
実際には、さして参道は長くないのだけれど、神社前の田園風景からは想像もつかないほど、境内の木々と緑の濃さは見事で、強く惹かれるものがあった。
神社の紹介としての情報は皆無と思われるが、境内の椿が天然記念物に指定されており、その紹介記事はあるようだ。
こういう地元の人しか知らないような、それでいて、深い魅力を湛えた場所を見つけた時の喜びはひとしおで、時間を忘れて長居してしまった。
私の大好きな場所のひとつである。



山の方へ向かう横道に入ってすぐに、動物避けの電気柵がある。それを外して奥へ進むと鳥居前。
本殿まで見通せてしまうけれど、眩しい田園地帯から、ちょっと横道に入ったところで現れたこの光景に、心奪われてしまった。


若狭らしい、常緑広葉樹を主体とした鎮守の杜である。


その中で、物凄い存在感を放つのが、参道左手にある木と、本殿の右後ろにある木だ。どちらもスダジイだと思われる。
残念ながら、二本とも上部は欠損し、幹も空洞化しているが、その表皮に刻まれた歳月は、揺ぎ無い風格を伝えてくる。


鳥居を振り返る。
物言わぬ木の姿をじっと見ていると、思いのほか雄弁なようにも思えてくる。


本殿も、すっきりした姿で美しい。


風雪避けの波板が、ちょっと目障りではあるけれど・・・。


本殿左背後。
杉が主体になってしまうけれど、やはり何か深みを感じる空間である。


2万5千分1地形図 三方
撮影日時 080618 13時~14時20分

駐車場 神社前に駐車可
地図

 


瀧原宮

2008年08月22日 | 三重県

三重県度会郡大紀町滝原


ここで掲載する神社では、異例の大きさの神社であり、今まで紹介した神社の中で、規模、知名度ともに一番だろう。
そんな神社であるから情報には事欠かないので、いつものように神社とは関係無いことを書かせていただこうと思う。
と、言うのも、滝原には思い出があるのだ。瀧原宮でなく、滝原の方である。

私が以前、三重県の名張市に住んでいたときのこと。
年末が押し迫ってものんびり構えていて、年賀ハガキを買いそびれた年があった。
慌てて家族の者が近所の郵便局へ行ったが売り切れ。電話帳を引っ張り出してきて、名張市内の郵便局に電話をかけまくるが、どこも売り切れ。しかも、今頃になって何言ってるんですか、という冷たい対応(だったらしい)。
ところが一箇所だけ、少し在庫があるという。聞けば滝原郵便局とのこと。
名張市に滝之原という地名はあるが、滝原は無い。どうやら家族の者は、滝原を名張の滝之原だと思って電話したようなのだ。市外局番も違うし、器用に勘違いしたものである。
それはともかく、どうすべきか。
同じ三重県といっても、決して近くは無い。だが、名張の郵便局には残っていないのだし、電話では買いに伺いますとも言ったようだ。
暫し話し合うが、結局、ドライブがてら滝原まで行くか、という結論に達した。
滝原郵便局で応対してくれたのは、まだ高校を卒業して間もないような若い局員。
残っていた年賀ハガキは十数枚で、欲しい枚数の半分ほどだった。
「私の家に年賀状が余ってますので、取ってきます」
彼が、あまりに簡単にそう言うので、こっちは戸惑ってしまった。
「え、いや、お仕事中ですし、そんなんいいですよ」
「いえ、すぐ近所ですので大丈夫です。ちょっと待っててください」
止める間もなく、彼は走っていく。
静かな集落の郵便局前で、ぽつんと待つ。
待ちながら、ああ、何だか嬉しいなぁ、と思う。
程なくして、若い局員が息を切らせながら走って帰ってくる。
何度もお辞儀すると、彼は照れながら郵便局の中に戻っていった。
そうやって買った年賀ハガキの中から一枚、滝原郵便局宛てに、礼状を兼ねた年賀状を送った。
後日、その若い局員から年賀状が届いた。
自分がしたことは当たり前のことです。でも、普段、先輩から叱られてばかりいるのに、今回、初めて褒めてもらいました、といった内容であった。
まだ幼さの残るその文字に、心が柔らかくなっていくようで、とても素敵な年始を迎えられたのである。
今から十数年も前のこと。きっと彼は、立派な局員になっていることと思う。

とまあ、こんな思い出があるので、滝原という土地自体が私にとっては大好きな場所なのだが、今回、初めて訪れた瀧原宮は、そんな思いをより豊かにしてくれる素敵な神社であった。
それに、大きな神社は敬遠する傾向にあるのだが、以前いただいたコメントで、瀧原宮を奨められたこともあって、今回の参拝に繋がった。
特に、名張在住で、「神社参拝記」を運営されているウージーさんから奨められたこと、また、そのホームページで瀧原宮を拝見したことで、強く惹かれ、何かしらの縁を感じたのである。感謝です。



神社前の「道の駅」に着いたのは、まだ薄暗い時間帯。国道からは、山裾に伸びた平坦地に、広大な鎮守の杜が横たわっているのが見えた。その杜から、ヒグラシが大合唱を始める。
一の鳥居は「道の駅」に隣接しているので割愛。これは二の鳥居である。


大きな神社の参道は、だだっ広いことが多いが、ここはひっそりと慎ましく、深くて清澄である。


まだ暗いので、感度を高めにして撮っているため、やや画質は落ちている。雰囲気が伝わるだろうか。


参道を横から見る。


参道中ほどに橋がある。橋の先には守衛屋、そこから右手に小径を降りると御手洗場がある。


季節のせいか、御手洗場の水は、予想以上に少ない。


だが、この空間の美しさには惚れ惚れしてしまう。水も、木々も、空気も、清浄な場所だ。


水が少ないのは季節のせいばかりではなく、背後の山の保水力が落ちているためでもあるのだろう。
この後、背後の山を越える道路を走ったが、杉、桧の単純林であった。


長い参道が終わりに近づくと、巨木が増えてくる。


向こうは社殿のある広い空間のようで、朝の光が洩れてくる。


静かに空気が広がっていく。


瀧原宮(奥)と瀧原竝宮。
私が一番乗りだと思ったのだが、先客がいらっしゃって、熱心にお祈りされている。
邪魔しては悪いと思い、10分ほど待つ。
その後も参拝の方が、ちょくちょく来られる。夏休みのせいもあろうが、時刻はまだ6時前である。


瀧原宮。


瀧原竝宮。


瀧原宮の右手にある若宮神社(左)と長由介神社。


更にその隣にある空間。立ち入り禁止のようだが、中央に巨木が聳え、とても神聖に感じられたがここは?

帰り際、鳥居前で出会った、紀勢町出身で大阪在住の方、尾鷲出身で名古屋在住の方と楽しくお話できた。里帰りの時期で人が多いのも、悪いことばかりではない。


2万5千分1地形図 伊勢佐原
撮影日時 080813 5時10分~7時半

駐車場 あり
地図



御出石神社

2008年08月20日 | 兵庫県

兵庫県豊岡市出石町桐野


但馬方面へ足を伸ばした際に、出石の近くを通った。
出石の町は過去に通過したことはあるのだが、どうも観光地のイメージがあって、市街地周辺の神社には行く気がしない。けれど、せっかく出石まできたのだから、という思いもある。
そこで、中心から外れた場所にある、御出石神社に寄ってみることにした。
辺りは水田の広がる長閑な山里で、出石の中心からは3キロも離れていないが、観光客の気配も無い。
しかし、社域は広大で、その鎮守の杜は、かなりの広がりを持っており、ただの山里の神社というわけでもない。
広く、静かで、明るく、風のよく通る、とても爽やかな印象の神社である。



どこに入り口があるのか少し迷ったが、社域の東側に鳥居があった。
鳥居のそばで腰掛けられていたお爺さんと暫し談笑。ここらでこれだけの参道があるのは、ここと出石神社だけ、とおっしゃっていた。


参道両脇の木々は、鬱蒼というほどでなく、けっこう明るい。ただ、杉林は左右に広く続いており、しかも平坦地なので、山里の神社としては異例の眺めである。
神門の向こうには本殿の屋根が見えていて、かなり大きな建物であることが判る。


神門の手前を車道が横切っているが、狭い道で、車は滅多に通らない。


神門の前から鳥居方向を振り返る。
このブログをよく見て下さっている方ならお解りになるかと思うが、典型的な私の好きな風景のパターン・・・。


神門越しに、同じ風景を。


拝殿。
社殿周りは木々が少なく、かなり明るい。


本殿は大きいが、周りが開けているので威圧感もなく、すっきりとして感じられる。
いつものことながら、もし鬱蒼としていたなら、と、つい考えてしまう。とても陰影に富む厳かな本殿になると思うのだが。


林縁にはキツネノカミソリの花。
私にとっては、とても夏を印象付ける花である。


2万5千分1地形図 出石
撮影日時 080717 9時40分~10時20分

駐車場 鳥居前付近に駐車可
地図 

 


松尾神社

2008年08月17日 | 京都府

京都府木津川市山城町椿井

京都府南部は古くから開けていた地域であるが、かといって都会ではなく、それでいてやっぱり、田舎というほど鄙びてもいない。
大体において、そういう地域は道が狭い。この、松尾神社に至る道も、地図を見る限り、ある程度の覚悟が要求される。
集落を結ぶ道から、更に狭い横道へ、入るべきか否か迷っていたら、スバルのレガシィが躊躇いなく進入していく。私の車は、レガシィより5センチほど車幅が大きいが、あれだけ躊躇いなく進んでいくのだから、まあ大丈夫だろうと後に続く。
が、家と家の間を分け入るように進む道は、かなりの狭さだ。しかも前方のT字路では、汲み取りのトラックが停車して作業中である。
待つしかないか、と思ったら、レガシィは器用に隙間を縫って先へと進む。ならば私も、と後に続く。間違いなく、タイヤは少しばかり溝にハミ出していた筈だ。
ほっ、としたのも束の間、その先にあるカーブを左に曲がると、そこには車道と言えるものがなかった。
両側は竹藪の斜面で、路面はコンクリートの簡易舗装、道幅は・・・たぶん、2メートルも無い。
引き返そうか・・・かなり弱気になる。だが、そんな上り坂の高みに、レガシィの後姿が見える。相変わらず迷いの無い走りだ。私の迷いも消えた。
デコボコの路面を突き進み、坂を上りきると、辺りは開けて明るくなる。そして、前方に朱の鳥居。
鳥居の先の草地に乗り入れて駐車。どっ、と疲れが出た。
軽自動車以外、入るべきではないだろう。



駐車したのは二の鳥居のそばなので、いったん石段を降りて一の鳥居前へ。
近くに池があって、ウシガエルのユーモラスな声が響いていた。


山城の南部は竹林の多い地域だ。
もう少し鬱蒼と覆ってくれたら風情があるのだが。


二の鳥居。
楼門、拝殿、本殿前の鳥居まで見通せる。


二の鳥居を振り返る。


本殿、拝殿、そしてこの楼門も、京都府の登録文化財である。


境内側から。


秋には紅葉に映えそうだ。


楼門から拝殿。


境内は開けていて明るい空間であるが、周囲には木々が多く、一帯は自然環境保全地区にも指定されている。


手前が本社。奥の摂社と共に、どちらも奈良春日大社より旧殿を拝受したものという。


2万5千分1地形図 田辺
撮影日時 080731 10時半~11時

駐車場 なし 一の鳥居、二の鳥居とも、軽自動車なら傍に駐車可能と思う。
地図
 


融神社

2008年08月14日 | 滋賀県

滋賀県大津市伊香立南庄町

大津市の堅田近辺の神社といえば、小野神社や神田神社がよく紹介されている。どちらも式内社だし、駅からも近く、訪ね易いという理由もあるだろう。
少し山側に目を転じると、小椋神社や、この融神社がある。やや交通の便が悪いためか少し紹介は減るが、それでも式内社である小椋神社についての記述は幾つか目に留まる。
融神社に関しては、光源氏のモデルとなった源融公を祀っているということで、神社系サイトでは殆ど見かけなかったが、その他のサイトでは、源氏物語ゆかりの神社として紹介されることが多いようである。
私にとっては、情報の出所がどこであろうと構わないのだけど、ネットで目にした参道の写真は心惹かれるものであったのに、そういった風景に関して触れている記事は少ない。
ここに限らず、どこの神社でもそうで、神社というものの環境を作り上げている風景に、あまり関心が持たれないのは残念である。



辺りは、起伏に富んだ水田と、雑木林の残る丘陵が入り組んだ里山の風情。そん明るく伸びやかな風景の中で、鬱蒼とした林の中に入っていく道がある。
入り口に鳥居は無いが、社号標と石灯籠がある。看板はちょっと無粋だが。


残念ながら車道であるけれど、ずらりと並んだ檜に覆われる鳥居までの道は、何ともいえない深みがある。


車は滅多に通らない。道路の真ん中に立って、その雰囲気と風景に浸ることが出来る。


鳥居をくぐって振り返る。辺りの雰囲気のせいか、アスファルトでさえ美しい青い帯に見えた。


近江の神社は、小さいところでも社殿の美しいところが多い。ここも端正である。


大木は無く、わりと明るい境内で、時おり右手の林の向こうから車の音が聞こえてくるが、落ち着いた佇まい。


拝殿越しに本殿。


やはり地元の人以外も訪れるのか、茅の輪のくぐり方が丁寧に書かれてあった。


2万5千分1地形図 堅田
撮影日時 080703 8時~9時 

駐車場 あり
地図
 


戸隠神社

2008年08月10日 | 奈良県

奈良県奈良市南庄町

奈良市といっても、市街からは離れた山間部で柳生に近い場所だ。
どの地図を見ても神社名が載っていないし、車道から離れた谷川沿いにあるので、大いに気になる。
実際に行ってみると、案の定、とても小さな神社で、参道らしい参道もなく、谷川に接することの出来る環境でもなかったのだが、境内は木々に覆われた小空間で、とても居心地が良く、勧請縄などもあって、なかなかに味わい深い。
こんなところは誰も紹介していないだろうし、これはいい発見をした、と喜んだ。
しかし、もしかして、と思い、とあるブログを見てみた。「山城ぶらぶら」というブログで、そこに勧請縄のカテゴリがあるのだ。
このブログは、ここと相互リンクして頂いている「巨樹巡礼」さんと同じ方が運営されていて、勧請縄のみならず、石仏なども紹介されており、巨樹も含め、いったいどれだけ精力的に回られているのかと感心せずにいられないのだが、とにかく勧請縄をこれだけ紹介されている例は他に知らない。
で、この戸隠神社、やっぱり紹介されていたのである。それ以外にも、私が行った神社の中で、まだ誰も紹介していないと思っていた近江の幾つかの神社も、ここできっちり紹介されていたのだった・・・。



神社入り口に鳥居は無く、石灯籠でそれと判るのみ。
夏らしい風景だったので、私としては珍しく青空が入っている。


明るい田園地帯から、明確に深い杜に変わる。その結界の門番のように立つ二本の大杉と、それを繋ぐ勧請縄。


木々に覆われた薄暗い空間に、朱塗りの社殿。




狛犬が居ないと思ったら、社殿に二対。奥の方は脚を欠損していて立てないようである。


本殿脇に、いかにもひっそりと、といった感じで境内社が並ぶ。


境内は狭く、社殿は小さいけれど、神寂びた気配の漂う心地の良い空間。


2万5千分1地形図 柳生
撮影日時 080731 8時~8時半

駐車場 なし 軽自動車なら神社前に駐車可能と思う。普通車は、すぐ近くの車道に路肩が広くなっている場所がある。
地図
 


六ヶ月

2008年08月06日 | その他

このブログを開設して半年が過ぎました。
飽き性で邪魔くさがり、しかもサボり癖のある私が、内容はともかく、ちゃんと更新を続けていることに、私自身が驚いております。
これは、当初に予想していた以上に、コメントやアクセス数の増加が励みになったからでして、ここで、見に来てくださる方、コメントをくださる方、相互リンクしてくださってる方に、厚く御礼申し上げます。
相変わらず、勉強して内容を深めようなんて気は無いのですが、良い神社の風景を探すこと、そして、その風景を出来るだけ綺麗に撮りたい、ということに関してだけは一生懸命でして、それがそのまま写真に反映しているとは言い難いですけれど、まあナマ温かい目で見てやっていただければ・・・。
今後ともよろしくです。

この半年で、掲載した画像が600枚ほどあります。
半年記念、というわけで、その中からお気に入りのものを選んでみました。
といっても、選んでいる途中で面倒になってしまったので、けっこう適当だったりしますし、掲載した写真とは違うものを選んだりもしています。画像もやや大きめにしました。
みなさんのお気に入りになるようなものがあればいいのですが・・・。


室尾谷神社 京都府綾部市五津合町

思えば、ここで撮った写真から、神社の写真を撮る方向性が決まったような気がする。
それまで漠然と撮っていたものが、時間や光の向きに拘るきっかけになった神社で、また、いちばん最初に掲載した神社でもあります。


青玉神社 兵庫県多可町加美区鳥羽

砂地の境内に巨杉の林立する様が、とても神聖に感じられた場所。


天照皇大神社 京都府亀岡市旭町

雨上がりの色合い、朱の鳥居の妖しい美しさ。


加茂神社 福井県小浜市加茂

霧と朝の光、そして、圧倒的な存在感の巨杉に酔いしれた。


廣嶺神社 福井県若狭町日笠

神々しい光と、参道を緑に染める苔の美しさ。


岩山神社 京都府京丹波町塩田谷

鳥居を覆う緑の輝き。


大見神社 滋賀県木之本町大見

苔の美しさと、境内の外に溢れる朝の光の清々しさ。


八柱神社 兵庫県篠山市初田

鬱蒼とした木々を包む霧が、晴れゆく様。


九頭神社 奈良県天理市苣原町

まだ薄暗い早朝。色付く前のモミジが、淡い光を受けて輝いていた。


素盞鳴神社 大阪府高槻市出灰

苔生した大木、枯葉の敷き詰められた境内、鳥居のそばの紅葉。小さな神社の秋の風情。


二宮神社 兵庫県篠山市大山新



錦秋の小径、光と黄葉の演出に息を呑んだ。


内尾神社 兵庫県丹波市氷上町三原



参道横の林に差し込む朝の気配と、拝殿の背後に降り注ぐ光が創り上げる、神寂びた空間。


新井神社 兵庫県丹波市柏原町大新屋

木の間越しに見る、茅葺の本殿の美しさ。


走田神社 京都府亀岡市余部町

田園地帯の真ん中にあるとは思えない深い参道と鎮守の杜。


勝手神社 三重県名張市黒田

咲き誇るミツバツツジと、参道を埋める櫻の花びら。夢見心地の風景。


龍穴神社 奈良県宇陀市室生区室生

林立する大木に包まれて、ひしひしと神域を感じる空間。


高宮神社 滋賀県甲賀市信楽町多羅尾

山奥の神域に満ちてくる朝の光。


高神社 京都府井手町多賀

深い参道を彩るモミジの輝き。


大馬神社 三重県熊野市井戸町

太古を思わせる森と、石畳の参道が、朝の色に染まる。


大屋神社 滋賀県日野町杉

 

参道の陰影、覆う緑の濃淡。苔の美しさと木の表情。


三輪神社 京都府京都市右京区京北明石町

木々の緑の賑わい、素朴ゆえの神聖性。


石部神社 兵庫県朝来市和田山町久田和

朝の山里の空気感。鳥居の向こうの我が家へ。


以上、25枚を選んでみました。
こうして見ると、社殿が写っている写真が殆ど無いですが・・・。

 


大歳神社

2008年08月03日 | 兵庫県
兵庫県篠山市栗栖野

地図を見て頂ければわかるのだが、神社の背後には舞鶴若狭自動車道が通っている。この位置関係からすると、恐らく神社の風景を損じている筈、と考えて、近くを通ることはあっても立ち寄ろうとせずにいた。

前々回の記事と同じようなパターンだけれど、先日、ここと相互リンクして頂いている「久延毘古 独言」さんで、この大歳神社が取り上げられていた。そこに紹介されていた光景は、予想に反した深い緑であり、今まで行かずにいたことを残念に思うと同時に、強く心惹かれたのである。
その「久延毘古 独言」さんの方は、「丹波のことは?」さんから聞いたそうで、もう今さら私など出る幕は無いのだけれど、考えてみれば、このブログを開設する前から、「久延毘古 独言」さんを参考にして神社を回ったことが何度もあるので、それこそ、今さら、なのだった。



集落の狭い道の先、そばに民家はあるが、鳥居奥には大木が聳え、まさに「杜」を形作っている。高速道路の気配は全く感じられない。


参道は短いが、奥深さを感じさせるもの。


雲が切れ、日が射してきた。


特に装飾もされていない拝殿だけれど、周りの環境に溶け込んでいる。


杜の気に包まれて、零れてくる日差しは柔らかい。


本殿右側の境内社。


本殿左側の境内社。


大木と光と、奥に続く緑が、空気の透明感を気付かせる。


境内左奥の境内社。
背後は竹藪で、涼しげな緑と風音。


本殿。
静かに、溶け込むようでいて、揺ぎ無い気配。


2万5千分1地形図 篠山
撮影日時 080723 9時10分~10時

駐車場 神社手前の公民館に駐車場あり
地図