僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

没後20年 特別展~星野道夫の旅~

2016-10-10 18:33:55 | アート・ライブ・読書
 星野道夫さんというネイチャー・フォトグラファーの名前を聞かれたことのあるかと思います。
アラスカを中心として動物や自然を撮影されてきた写真家として有名ですが、随筆家・旅人として多くの方に影響を与えてきた人でもあります。

NHKの番組で星野さんの「旅する本(旅する木)」という本が、バックパッカー・南極の湖に潜る女性研究者・単独無補給で北極点を目指す冒険家などの人々によってリレーされていき、世界各所12万キロを旅していったというドキュメンタリーが報道されていましたのでご覧になった方もおられると思います。なぜ「旅する木」が「旅する本」になったのかは、「木」の字に横棒を書き込んで「本」という字にして“旅(を)する本”のリレーをスタートしたことが始まりという洒落た話があるみたいですね。
アラスカの極北の大自然を愛し、多くの方を魅了してきた星野さんの『没後20年 特別展 星野道夫の旅』が東京・大阪・京都・横浜で開催されていますので、京都開催の写真展を見てきました。



星野さんのことは野鳥の会発行の「Toriino(トリーノ)」という季刊誌で知り、エッセイを読み始めてからすっかりファンになってしまいました。
文章を書く写真家としては今森光彦・藤原新也などがおられますが、言葉と写真で表現される写真家って好きなんですよ。



特に今年は我が家にとって特別な年で、カナダ人の留学生(イヌイット)が何度か遊びにきていましたので、ますます極北の自然に愛着が深まっていったしだいです。
カナダの北部では、カリブーやムースなどが普通に見られ(普通に食材としても食卓にのぼる)、自分で撮影したオーロラの写真なども見せていただいたり、アザラシの毛皮の一部をもらったりして、極北の自然に想いを募らせていました。


(図録)

特別展の構成は「アラスカとの出会い」・「大いなるアラスカ」・「生命のつながり」・「神話の世界」・「星野道夫の部屋」と構成されて展示写真数は約250点の回顧展になっていました。
また実際に星野さんが使用していたカメラやスノーシュー・バニーブーツが「星野道夫の部屋」に展示されており、旅する星野さんの姿の想像を巡らせられるコーナーもありました。


「滝を越え遡上してきたサケとグリズリー」(ポストカード)


「ムース」(ポストカード)


「夜空に舞うオーロラと満月」(ポストカード)

会場の出口近くの壁には星野さんの素晴らしい言葉が書かれてありました。

『短い一生で
心魅かれることに多くは出会わない
もし 見つけたら
大切に・・・大切に・・・』  - 星野道夫 -



星野さんはロシアでの取材時に、地元TV局の社長によって餌付けされたヒグマに襲われて享年43才で亡くなられてしまいました。
ヒグマは日本にも生息していて毎年被害に遭われる方がおられますが、ヒグマの恐ろしさを書いたノンフィクションと小説があります。

 

「慟哭の谷」は1915年に発生した“三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)”を中心に、ヒグマによる事故を書いたノンフィクションで星野さんのロシアでの事故についても書かれています。
吉村昭の「羆嵐」は三毛別羆事件を小説化したもので、人の味や人間の食べ物の味を覚えたヒグマの恐ろしさには背筋が凍るような震えがきますよ。



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