グランドステージの住民は、本当に被害者なのだろうか 12月14日

今朝のワイドショーに、耐震強度偽装マンションの住民代表が出演した。本質をあまり理解しないままのコメンテイターやゲストの発言は、報道に値しないが、出演した住民代表の見ようによっては自信に満ちた言葉の一つ一つは、特筆すべき内容だった。

アンカーマンの「常識外に安いマンションを買った住民にも責任があるという意見が、多数寄せられているが」との問いかけに、住民は、「マンション購入の際、建築現場に出向き、建築計画書を見せて欲しいと依頼したが、『見せられない』と断られた。」と答えたのだ。この住民は、耐震強度等が記してある計画書を、見ることができなかったと主張したいのだと思うが、この発言は非常に重要な意味を持つ。

マンション購入(希望)者が、建築計画書の閲覧を希望したとき、見せない業者を信用できるだろうか。常識的に考えて、あり得ない話だ。即ち、このマンションの住民は、建築計画書の閲覧が不可能であった時点で、当該マンションが「違法建築」であることを認識していなければおかしい。語るに落ちたとは、このことだ。通常では考えられない安さがウリのグランドステージシリーズ。どこかに欠陥があっても不思議ではない。

悪徳業者の資産を差し押さえるより先に、手厚い公的資金の導入が決まったマンション住民の、公明党北側国交大臣に対する過剰なまでの謝意の表し方は、明らかに異常だ。うがった見方をすれば、住民は欠陥マンションと知りながら購入し、万が一問題が発生した場合には、国や自治体に面倒見てもらうことを、最初から予定していたのではないか。全てが出来レースではないかという疑念を、どうしても払拭できない。

私が最も引っかかったのは、出演した住民代表が、国民に対してまったく感謝をしていない点だった。感謝しないどころか、公的資金の投入は当たり前で、今のままではまだ足りないから、もっと支援してくれと主張しているのだ。「ペットを飼っている住民は、ペットを飼えるレベルのマンションに転居したいのだ」との住民代表の発言に、謙虚さはない。この緊急事態に、狭い部屋でも安全な空間に身を寄せることが出来れば、それだけで十分に有り難い話ではないのか。

案の定、今日の証人喚問は、民主党の馬淵議員を除いて、あまりぱっとしなかった。多くの議員の質問がさえない理由は、特に与党議員に本気で追及する意思が、やはり希薄だからだろうか。明らかに偽証のオンパレードの総研・内村健氏を、このまま野放しにすることは許されない。総研取締役・四ヶ所猛氏を喚問して、内村健氏の偽証を暴くべきだ。民主党は、馬淵議員一人に頼りっぱなしの状態から脱却し、政界・官界・業界の闇を徹底的に究明していく姿勢で臨むべきだ。
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モラルの崩壊 12月13日

与謝野馨経済財政・金融担当大臣ならずとも、ジェイコム株を取得した証券会社のモラルハザードを危惧する。プロの目は一目で1円61万株の売りがミステイクであることに気付いたはずだ。売り手のみずほ証券が大損をすることを十分に予見しながら、あえて、相手のミスに乗じたリーマンや日興コーディアル、クレディスイスなどの証券会社のモラルは、少なくとも今回の件に関しては完全に崩壊している。これらの証券会社は、現金決済によって各社ともに数億~十数億円ずつのあぶく銭を手中にすることになるのだ。こんな不誠実なことがまかり通るのが、証券市場なのだ。「違法でなければ何をやっても良い」という価値観は、ライブドアや楽天のようなIT企業に特徴的な論理だが、証券市場も同類だった。

ジェイコム自体、悪質な販売方法が問題になった経緯があるが、不可解なのは、誰が数百億円の大金を手にしたのかということだ。そもそもの入力ミスは意図的だったという説もあり、何やら奥の深そうな事件だ。どうやら、スイスに本社を置く欧州系金融機関UBSグループが、発行済み株式の2.6倍相当を大量保有していることが判明したようだ。現金決済の結果、UBSグループは120億円の利益を得ることになるのだ。みずほ証券が買い戻せなかった株の4割だ。法的に問題のない取引であるだけに、誰も文句は言えない。UBSグループの企業倫理が問われるところだが、そんなことは意に関せずだ。

「金儲けのためなら何でもあり」の証券業界やIT業界。そんな風潮の頂点にあるのが、耐震強度偽装問題。悪徳業者と政・官界関係者そしてその奥にある組織とのズブズブの癒着が根源にある。肝心要の部分を隠蔽しようとする政府与党に、「改革」の文字も聞いてあきれる。当事者の一人が言ったように、再来年の参院選では与党は大敗する!

公明党すなわち創価学会のモラルの程度も、今回のことでよくわかった。
権利のみを主張し自分中心に地球を回さぬよう、様々な事象を他山の石として、心して生きていきたいとあらためて思う師走の1日だ。
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