北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

2008年に日本へ寄港した外国艦船 強襲揚陸艦からステルスフリゲイトまで

2008-12-28 23:34:49 | 世界の艦艇

■ようこそ日本へ

 日本に寄港した外国艦船、この中で、米軍艦船を除けば京都から近い大阪や神戸、名古屋に来る艦船は少ない。こうした中、東京、横須賀に寄港した艦を撮影する機会があり、これらを写真として掲載したい。

Img_0049_1  フランス海軍強襲揚陸艦ミストラル(Mistral)。フランス海軍が2006年から二隻を就役させた強襲揚陸艦のネームシップで、満載排水量は21600㌧。ヘリコプター16機を搭載する格納庫と全通飛行甲板を有し、LACAも運用可能で揚陸艇四隻を搭載するドックを船体後部に配置している。揚陸部隊450名、装甲車両60輌を輸送可能な揚陸艦。クルーズ船の設計を流用した商船規格を用いて建造しているため、建造コストは船型に比してかなり低コストに収められており、その分、従来型戦闘への対応には制限が加えられるものの、低烈度紛争や国際平和維持活動への参加には理想的な一隻だ。

Img_2530  イギリス海軍23型フリゲイト、ケント(Kent)。満載排水量4200㌧のフリゲイトで、上部構造物に能力を制限しない範囲内での徹底したステルス性が考慮され、巡航にディーゼルエレクトリック、高速航行時にガスタービンを点火するという音響ステルス性と航続距離の延伸を目指した設計が特色。就役当時、ネームシップなどにFCSが未完成であるなど、危惧されたが、今日では英海軍の主力汎用フリゲイトとしての地位を占めている。重量軽減のために搭載艇を簡易複合艇とし、CIWSを廃止しシーウルフ短SAMに集中させているなど、賛否は分かれるが特徴的な設計を採用している。

Img_3083  シンガポール海軍フォーミダブル級フリゲイト、ステッドファスト(Steadfast)。満載排水量3200㌧のフリゲイトで、ステルス性能を盛り込んだ艦船の設計では定評があるフランスにより設計された。船体の規模は小ぶりであるが、徹底したステルス設計が採用され、島嶼部の多いシンガポール周辺海域では絶大な威力を発揮するだろう。多機能レーダーやアスター15短SAM、ハープーンSSMなどを搭載し、中型ヘリコプターの運用能力を有する。その分、船価は同規模の水上艦と比して高くなっているものの、運用思想などでは興味深い一隻だ。

Img_7792  カナダ海軍ハリファックス級フリゲイト、カルガリー(Calgaly)。満載排水量4770㌧。90年代前半に整備された水上戦闘艦で、米海軍のSQR-19曳航ソーナーを元にしたCANTASSを装備、ガスタービンエンジンをラフト構造の架台上に配置、大型対潜ヘリコプターの運用能力を有するなど、対潜性能を重視した設計となっており、対空用に優れた2インチ速射砲やVLS方式の短SAMを搭載するなど、個艦防御能力に軸を置いた上で、船団護衛などに必要な護衛艦としての性能を重視。カナダ海軍がシーレーンを防衛する上で必要な設計に特化している一隻だ。

Img_7738  カナダ海軍補給艦プロテクター。非核神戸方式に基づく核兵器非搭載証明をもたなかったことで、神戸港に入港を断られたことが有名な一隻。本艦は、その後継艦が注目されている。現在計画されている後継艦は、統合支援艦として構想されている。統合支援艦は、補給艦の性能に加え、後部に長大な飛行甲板を設置し、多数の輸送ヘリコプターを運用する能力を有する。満載排水量28000㌧を予定しており、国際平和維持活動における支援や、戦力投射能力を発揮するもので3隻の建造が計画されている。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名鉄モノレール線日本最初の... | トップ | 平成二十年度一月期 陸海空... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

世界の艦艇」カテゴリの最新記事